018 スキルアップ
ミヤビはマッチョNPCについていった。
地形の判断、採掘場所の見つけ方、採掘方法を簡単に説明されたあと、実習となる。いろいろなパタンの地形が用意されており、マッチョNPCが丁寧に説明してくれる。
そのあと、実際に鶴嘴を振るうところで…ミヤビはこういう鶴嘴を今まで触ったことがない。DIYで父と工作はしたことはあっても、大きな道具を振るったことがない。
ヨロヨロとよろけながら地面に叩きつけるが、地面は削れない。マッチョNPCがヤレヤレといった顔をしながら、手取り足取り指導をしてくれる。
ここで一つ大事なことを教わった。
「鶴嘴に魔石をセットしていないのか?」
そういえば魔石をもらったが何に使うかわかっていなかった。
「魔石は武器や防具、道具やアクセサリーにセットしないと効果が出ないぞ」
そういいながら、魔石を鶴嘴にセットする。
魔石のおかげ?何とか鉄鉱石を一つ掘り出した。掘り出し方一つで、素材の質が左右されるらしい、この鉄鉱石だと最低ランクの質になるそうだ。
これは体力も必要だな、と思いながら鶴嘴を振るうこと30分。
「そろそろ実技テストとしようか?」
マッチョNPCにテスト場所に連れていかれた。先ほどと似た形状の起伏がいくつか用意されている。ここから10分以内に鉄鉱石を2つ採取すれば合格とのこと。
ただし、当てずっぽうではなく、採掘場所を選択した理由を述べた後、速やかに掘るということである。
先ほどの演習の通りにやればたいして難しくない。鶴嘴の扱いに手間取り時間ギリギリになったが、2つ掘り起こして合格となった。無事【採掘Lv.2】を取得となった。
「フィールドでスキルを覚えたときは【魔石付与】を持ったプレイヤーに頼むがいい」
と言いながら、マッチョNPCが魔石のスキルを書き換えてくれた。これで鶴嘴に嵌っている魔石が【採掘Lv.2】になった。
ちなみに生産系のスキルであれば、生産ギルドでもスキルアップは可能とのこと。教えてくれるNPCは一緒らしいけど。
受付に戻ったら、手に絆創膏を貼っているナミがいた。草刈り鎌なんて初めて使ったからだろう、何か所か切ったらしい。
それでもめげずに試験クリア、【採取Lv.2】を取得したそうだ。
「痛いけど、フィールドで怪我すること思ったらここで練習できてよかったよ。おばぁちゃんも優しかったし」
「確かにいきなりは無謀だったな。俺も鶴嘴なんて初めてだったからな」
今はLv.3へのスキルアップはできないようなので、総合ギルドを後にして、生産ギルドに向かうことにする。
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