145 第二回イベント最終日
「さて、そろそろイベントも終了になりますね」
クランハウスには全員戻ってきている。
全員と言っても、最終日は何人か私用でサービスインしていないから、正確には全員ではないが。
メダル枚数は金78枚、銀218枚、銅1372枚となった。
正直、一つのクランで集めた枚数としては偏りすぎだ。
今、プレイヤー数は40万を超えているはずだ。レベルの差があるから、ダンジョンのメダルが集められないものがいるとしても銅メダルですら40人に1枚が平均になる。
それなのに、この異様なメダル数は、周りに言わせれば驚異的と言えるだろう。
スキルや従魔のおかげ、あとはオリヴィエの笛によるものだろう。もちろん、ダンジョンも多く廻ったと言うこともある。
「これはどうするんだ?」
「まずは金メダルに替えて、スキルの書に交換ですかね。余った分は繰り越しでいいと思います。お金は直ぐに替えなくてもいいでしょう。報酬の発表があってから、いいのがあればまた考えることになると思いますが」
「なるほどな。じゃあそのあたりの采配はホークに任せておくぞ」
「解りました。もし他の人も要望があれば言って下さいね」
そう言って、クランとしてのイベントは終了することにする。このあとは自由行動になるわけだ。
「えーっと、そのダンジョンの報酬なんかはどうされるんでしょう?」
ミヤビが聞いてきた。
ダンジョンで結構な量の魔石が手に入っている。是非錬金窯で使いたいと言ってきてるのだ。
「これからミヤビにはいろいろ作ってもらったりするわけだから、自由に使っていいぞ」
リオンが全部使えと言ってくる。そりゃその一番大きいのはリオンが採ってきたものだから、誰も文句は言いませんけど。
「管理はミヤビに任せていいと思います。ただ、魔石の利用方法が他にもないか、そういうのも含めて調べてもらえるとありがたい」
ホークがそういうと、ミヤビは確かにそうですねと。錬金窯で全部使うこともないので、と引き受けてくれた。
「あのぉー、メンバー募集はどうされますぅー」
クロシェットが聞いてきた。一旦取り下げておいたから、また募集再開するのかということだ。
募集する職種をまとめる。この前出していたのが、木工職人や飾り職人、彫金師、それに商人や売り子だっけ。
「なんや、商人ならワシがやったるで」
「「店番やったら、うちらやるで」」
タツジィとニシキ、マイマイが名乗り出てくれた。
特にガッツリやってもらうこともないが、買取メインをタツジィにやってもらうことにする。
在庫管理や、商品陳列などをニシキ、マイマイに頼もうかと。
24時間の店番は大変なので、NPCを雇うことにする。一人2万ギニーだ。ここのほかに三エリアにも出店するので合計4人雇うことにする。
雇うと言えば、農地も三エリアとも買っておいたので、農業用NPCも必要だろう。
「木工職人って何をするんじゃ?」
タツジィが聞いてくる。
木を伐採して、武具に必要な木工加工ができればというと、日曜大工レベルなら普段やっているので、やれなくはないという。
当面、専門職がいなくても賄えそうなので、タツジィに任せることにした。
なんでもできるタツジィは、失礼な言い方だが本当にいい拾い物をしたと思う。
あとは飾り職人だけだが、ストラスが自分がやってもいいですか?と言ってきた。
興味があるので、勉強したいということだ。やる気があれば別に問題ない。
それに、今はいないが、バンシーが美術の心得があるらしく、デザインに長けているとか言っていたらしい。
次来た時に、その辺りを話しをして、やってくれるようならということで、結局メンバー募集はしなくてもいいようになってしまった。
「あとやっておかないといけないことは……」
従魔を訓練所に預けることにした。結構経験を積んでいるはずなので、成長してくれるだろう。
商売用の店舗を三エリアに買いに行かなければならない。
農場を買ったので、それの整備も必要だ。
生産系の経験値確認のため、東の山にあるマイスターの山小屋に再び登る必要もあるだろう。
そして、例の壁耳組との会談だ。これを考えると気が重くなる。正直どうでもいいという気にもなるが、そういうわけにもいかない。
イベントが終われば、連絡を取ることにしよう。
現在、リアル時間で3月29日の15時、ゲーム内では0時を回って夜になったところだ。
今から外に行くわけにいかないので、クランハウスでゆっくりしながら、今後のスケジュールを作っていく。
『お疲れさまでした。第二回イベントが今の時間をもって終了となります。報酬につきましてはこの後交換可能となりますので、イベントページにてご確認くださいませ』
いろいろあった第二回イベントが終了した。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
次話新章となります。ここで少しお休みをいただきます。ご了承くださいませ。
予定は1週間後と考えております。




