011 スノウとホーク
「スノウか?遅かったじゃねーか。」
到着してすぐに声をかけられた。手には大きな弓、背中に綺麗な矢を背負ってる。弓道着姿が決まっててすごく恰好いい。
「え、ホークか?」
「そうだよ、ここにいれば来るだろうと待っていたんだが、なかなか来なくて心配したぞ」
「わりぃ、ちょっとばかし手間取った」
「それより、その恰好、どうした?」
「……ペナルティだ」
スノウの声が小さい。
「え?ペナルティ?」
「ほら、インハイ3位って書いたろ、あれがバレた」
「どうやって?」
「そんなのネット検索すれば一発で出てくるじゃん、あっという間に看破された」
「で、その恰好になったと」
「簡単に言えばな」
スノウはかなり凹んでいた。
まさかホークとこんなにも差が出るとは思わなかった。ステータスがどうなってるのか心配になり、インフォパネルを開いてみた。
「なんだこれ!!」
思わず声が出た。
ステータスがかなり低い感じがする。まともに戦えるのだろうか。それに装備による補正もほとんどない。
「……お、おまえのステータス見せてくれないか?」
「ああ、いいぞ」
ホークがインフォパネルを開いた。
「うぉ、全然違う。装備の差だけじゃない。ステータスが半分以下だ…いや、Lv.5ってなんだこれ」
「成績がよかったからLv.5スタートって言われたぞ。Lv.1って……うわっステ低いな。酷すぎるんじゃないか?」
「告知されてたことだ。それにも関わらず誤魔化したわけだからな。称号"Liar"も仕方ない」
「ん、嘘つきってことか?」
ホークはもちろん"Honest"になってる。
「お前の称号"Honest++"ってなんだ?」
「正直者……だ。それと試技の内容がよかったらしい。NPCさんがびっくりしてた」
「インハイ2位の実力かよ……。お前には申し訳ないがもう辞めたくなってる」
隣からクスクス笑い声が聞こえてきた。
喧嘩を売る気もないが、見てみると大きな剣を背負った騎士の女性と、これまた神秘的な黒の上下が似合う魔導士っぽい女性が立っていた。二人ともなかなかの美人だが……
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