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104 採取パーティ

 お昼の12時になり、各々サービスインをする。

「おはよう!といってもリアルじゃ昼だけど」


 クランハウスに六人が揃う。プラス四頭。

「イオちゃんをはじめ、皆おりこうさんでしたって。成長も頗るよかったそうですよ」

 ナミが報告書を見ながら、それぞれ確認していく。


 ユッピーは【疾走】というスキルを持っていたようだ。

 先般のバトルのように、モンスをひきつけ逃げ回るという時間稼ぎになるのだろうかと思っていたら、どうやらモンスたちの間で連携を組めるようになり、その要をユッピーが担っているという。

 書面だけだとイマイチ効果がわからないが、きっと活躍してくれるのだろう。


 ゴルマルは【隠密】、シルマルは【遠吠】というスキルを持っていたようだ。

 ロックが生産職のため、攻撃系のスキルが三頭に集まったように思える。


 エイミーがナミから野菜を貰って食べさせている。

 ゴルマルとシルマルが兎肉にがっついている。なんだかんだで狼のようだ。今日は頑張ってもらわないとな。

 イオは相変わらず竹がお気に入りだ。そういや、竹ってどこかに自生しているんだろうか。イーチマに取りに行くのは面倒なんだが。


「さて、それでは六人で素材収集といこうか」

 ミヤビの持っている地図で行くところは目星をつけてある。


 ここサンマヒを出て、東に少し行くと、南北に山が連なっている。そこがいろいろと採取の穴場になっているみたいだ。

 鉱物植物共に、豊富にあると記載してある。そのためモンスも多くいるそうだが、レベルはそれほどでもないそうだ。

 ただ、一部グレー表示のところがあり、そこは未開拓でどのようになっているかわからないので近づかないほうがいいとクロシェットからアドバイスがあった。


「そう言えばいくつかクエストがありますので受けますかぁー?」

 内容を確認すると、馬2頭、牛2頭、鹿2頭、豚2頭、鶏2羽……などなど動植物の採取系が20ほどあるらしい。

 これらは飼育用や食材として街で消費されるものらしい。

 納められなくてもペナルティはないとのことなので、とりあえず全部受けておくことにした。


「これだけの動物が居るってことですよね、クエストがあるということは」

 ロックが聞いてくる。

 いない動物がクエストになるわけではないので、探せばどこかにいるってことなんだろう。ヒントとしては甘々の設定だな、と思ってしまう。


「頑張って採ってこよう。うちの農場にも欲しいから、ロックは大変になるが……いいよな?」

「プレッシャーですね」

 植物は逃げないし襲ってこないからいいけど、動物はモンスだから戦闘で弱らせないといけないから大変だ。


「では行ってらっしゃいましぃー」

 クロシェットに見送られて、六人が出かける。


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 :


 山の麓まで来た。ここまで大体1時間くらいだろうか。この山の向こうが第四の街と言うことだが、今はまだ解放されていない。なのでエリアボスも存在しないから、それほど注意を払う必要はないだろう。


 道中は至極順調だ。従魔達のおかげでバトルが楽なので、特に困ることがない。

 それに飼育用の動物を何頭も手に入れることができた。

 ユッピーやゴルマル、シルマルが上手く回り込み誘導してくれる。モンスも走り回って疲れたところをジワジワ削って、最後はロックに仕留めて貰えば一丁上がり。


 あまりにも簡単に仕留めていけるが、多すぎるくらいかもしれない。ロックの手元にはかなりの指輪が溜まっていると言っていた。

 クエストにしろ、飼育するにしろ一旦従魔にし、後で選別をしていくことになる。それを全部従えて連れ歩くわけにはいかないので今は指輪の状態で持ち歩いてるわけだ。


 野菜や薬草など植物もたくさん採取できているそうだ。特に薬草系が多く、オリヴィエが嬉しそうに採取している。


 ここまでは主に草原だったのでミヤビはほとんど採掘できていなかったらしいが、山に近づくにつれ何か感じるものが強くなってきたと言っている。

 相当な量が期待できるのか、足が急いでいる。


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≪おめでとうございます。第二フィールド(W) エリアボスモンスター(ビッグ・ブルー・パイソンとビッグ・グリーン・パイソン)が初討伐されました≫

 :

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「ミヤにぃ、そろそろ場所変えるよー」

 ナミがミヤビに声を掛けている。

 山に入って2時間ばかり、ずっと鶴嘴を振るっているミヤビだ。

 我を忘れてというより、狂喜乱舞?ガンガン掘り進めている。


「おーい、そろそろ別のところに移るぞー」

 ホークがミヤビを呼びに行く。


「はぁはぁ、もう少しダメですか?」

「そんなにここが気に入ったのか?また明日もくればいいじゃないか」

「そうですね。まだまだありそうなのでキリがありませんね。一旦終わりにします。……それより、ホークさん、あの山の中腹って見えます?」


 ホークが山の方を見る。中腹に少し霧がかっているが、そこから何やら感じると言う。

「……家?いや小屋かな。何やら建物が見えるな」


 村ではない。一軒だけポツンと小屋が建っているようだ。ホークだから見えるだけで、ミヤビは全く見えないという。


「行ってみません?」

 誰かが住んでいるのか、無人なのか。はたまたダンジョンの入り口なのか、確かに興味はある。

「よし、行ってみるか」


 他の四人を呼び、山の中腹に行くことを伝える。何かあっては困るので、六人で行くことにした。


「結構遠くないですか?」

 オリヴィエが聞いてくる。

「時間的には微妙だけど、これも探索だ。何かあるか楽しみじゃないか」


 ここで採取を続けたさそうな三人を説得して、山に登ることにした。

 というより、三人を置いておくわけにもいかない。山も危険があるかもわからないので、ここで二手に分かれるのは下策と判断したわけだ。


 :

 :


 1時間ほどして小屋の近くまでくる。

 しかし、小屋が見えているのはホークだけだった。あとの五人は小屋が見えないという。

「本当にその先に小屋があるんですか?」

 ナミが不思議そうに聞いてくる。


 幻なんだろうかとホークも不安になるが、確かに小屋は見える。

 六人がさらに進み、2m手前になったとき、五人が同時に声を出した。

 どうやら、急に目の前に小屋が現れたようだ。


 何か見えないような細工がされていたのだろう。

 ホークはスキルがLv.5に上げていたので、遠くからでも見えていたようだ。


 同時に、ミヤビが新たなスキルが発生したと言ってきた。

「【感知Lv.1】というスキルを取得したようです」

 今までいろいろ感じると言っていたし、今回ミヤビが発見したようなものなので、その恩恵なのだろう。


「ちょっと怖いけど、入ってみるか……」

 ホークが入り口をノックしてみる。返事がない。もう一度ノックしようとしたら、扉が開いた。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

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