102 二日目終了
『ホーク、報告だ。先ほど第二フィールド南のエリアボス倒したぞ』
『メッセージ流れたけど、お前たちだったのか』
スノウからホークに第二フィールド南のエリアボス討伐の報告が来た。
シラヌイの指示が的確で楽勝だったと。そりゃゲーム歴も長いし、年上で頼りになる。ホークは僻むどころか一緒に行って教えて貰えればと思うくらいだった。
パーティはそのままサンマミでサービスアウトし、明日は西のエリアボスに行くということだった。
こちらも素材集めに六人で出かけることを伝えてF/Cを切った。
「さて、こちらも素材集めと行きたいところだけど、時間だからサービスアウトするか」
「えっと、その前に三頭の名前考えたので、登録して訓練所に預けませんか?」
エイミーが名前を考えたようで、小鹿がユッピー、金狼がゴルマル、銀狼がシルマルでどうかな?って聞いてきた。
ナミもオリヴィエも気に入ったようで、そのまま決まる。
クロシェットに訓練を頼む。
「ユッピーちゃんにゴルマルくん、シルマルくんですねぇー。登録して訓練所に預けておきますねぇー。イオちゃんはどうするんですかぁー?」
イオも経験積んでいるから、訓練で伸びるかもしれない。一緒に訓練受けてこいと預け、六人はログアウトする。
「じゃあ、明日は昼12時、ここで6時の予定でよろしく!」
「「「「「ハイ!」」」」」
リアル時間とゲーム内時間のズレがあるため、明日は昼からとした。
それぞれ個人の時間も必要だろうし、午後は皆サービスインすることで一致した。
後半の4時間はそれからの都合次第ということになるだろう。
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翔が戻ってくると、既に雪之助が戻っていた。
「おつかれ!遅かったじゃん」
「あぁ、例の四頭を訓練所に預けてたからな」
「小鹿も育てるのか?あれペットにするんじゃなかったっけ」
「何に化けるかわからないしな。とりあえず訓練だけさせてみることにした」
翔が片づけながら、いろいろ報告をする。
「へぇ、ファーマーの二人がね。面白いじゃん」
「だろ。生産に良し、戦闘に良し、ちょっと面白い存在になってきた」
「友達に一泡吹かせることができるかな?」
「既に俺らのところにいるだけで、友達は地団駄踏んでると思うよ」
「だよな」
「じゃあ明日な!」
「おう、11時くらいにくるんだっけ。昼用意しとくわ」
「サンキュ!」
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「良いところに拾ってもらったね」
エイミーこと唐沢映見は戻ってから電話をしていた。相手はロックこと岩谷健だ。
同郷は同じだが、入学してから友達になった。
互いに意識していないと言えば嘘になるが、なかなか踏み込めない二人である。
「アイツらには悪いが、すごくラッキーだったな」
「本当に。ていうか、もし一緒に居てもこういう展開は絶対無理だったよね」
「なんか希望通り過ぎて怖いくらいだ」
「そうそう。私も嬉しいことばかりだよ。辞めようと思っていたけどこれならずっとやっていたいと思えるもん」
「ただ、実習とかと重なるよなぁ」
「NPCに任せればいいって言ってたじゃん」
「上手く時間作って、なんとか皆の役に立ちたいところだ」
「そう言って、自分が楽しみたいだけでしょ」
「まぁな。お前もだろ」
「へへへっ。じゃあそろそろ晩御飯だから……また明日ね」
「おぅ、また明日な」
学校の寮に入ってる二人だが、男女の関わりには厳しいので、おいそれと直接会えるわけではない。
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