表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

君は太陽

作者: 飛那

──指先が触れた。


 その瞬間、ほっしー……干野は驚いたような表情を見せる。


「黒さん、手冷たっ!こんなんでよく弓引けるね!?」

「……まあな」


 引けている……と言ったら嘘になるかもしれない。それもそのはず、今日は10月にも関わらず朝から真冬並の寒さだ。放課後になってもそれは変わらない。他の部員も急な温度差が原因で、体調不良により学校を早退、或いは部活を欠席する人が後を絶たなかった。普段ならむしろ暑い位の射場。だが放課後になっても太陽が顔を出すことはなく、さらに風が吹いているため、実際に今自分も手がかじかみ、矢をつがえることさえ難しい。


「……寒」


 あまりの寒さに俯きつつ、両手を擦り合わせる。すると突然、手が何かによって包み込まれた。それと同時に少しずつ手に温度が戻ってくる。


「どう?僕の手あったかいでしょ?」


 顔を上げると、目の前にニコニコしながら俺の手を握っているほっしーが居た。


「ほっしー……?急にどうした?」

「いや、黒さん寒そうだったから、僕があっためてあげようと思って」


 俺が驚いていることがわかったのか、より一層口角を上げて笑う。ほっしーはきっと、友達だから、部活仲間だからと思って行動したはずだ。そんな些細なことですら『可愛い』と思ってしまう俺は可笑しいのだろうか。全てが欲しい。そう思うことのできる唯一の相手。


「……さんきゅ」


太陽の様に笑う、そんな君がただ愛おしかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ