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新たな技術の取得に挑戦してみよう

 しかし、『貪るモノ』とやらの出す禍々しい雰囲気はまるでどこかに押し込めた人間の負の感情が吹き出たようだった。

 その異常さに目を離す訳にはいかないと思ってしまったんだけど、今考えると確かに冷静に考えてアレの前に立って平静でいられるとは思えないな。

 とりあえず、今はたまに城門から侵入してくる魔物がいれば3人に絞った街の人、陽菜又は蓮さんで交代しながら迎撃しているといった状況だ。

 ゆっくり寝て、と言う訳にはいかないけど、少しは休むことはなんとかできてる。

 蓮さんと普通の話をするような余裕も出てきていた。

「蓮さん、レベルって50が上限なんですよね。」

「ああ。レベル、ステータスは上限があるが、スキル自体の熟練度はレベルと連動してるわけでもない。強さなんてレベルだけで判断できない。だが、レベル50まで生き延びたモノが弱い筈はない。」

「そうか。そうですよね。」

「ボクももしかしたら、強くなれたりしますか?」

「うん?もう充分強いと思うぞ。この砦を守ったのもお前の力だろ。」

「でも、独りじゃな何もできません。」

「個の武だけが強さじゃないんじゃないか?」

「でも…」

「そう言えば、お前ら、レベルはいくつぐらいになってるんだ?」

 パンティアを出る前まではレベル20だったのだが、そこからかなり上がってる筈だ。

「27です。随分と上がってるな。」

 ここに来るまでにも、2回はレベルが上がっていた記憶があるが、このところあまりステータスを確認しなくなってきていたな。

 と言うことは、ここでの戦闘だけでレベルが5も上がったってことか。

「随分と上げてるな。俺らも追いつかれないように頑張らないとな。」

「蓮さんは?」

「32だ。レベル30を超えるとなかなか上がらないが、そうも言ってられないからな。」

「本当に魔王が来るんですか?」 

はいる。この世界にはな。」

「まぁ、目の前のアレみたいなのもいますしね。」

「まぁ、そんなのをお前らに押し付けようとしなかったカレンの王族は優しいんだろうな?」

 いや、そんな風には全く見えなかったんだけど。

 実のところはそうだったのかな?

「随分と明るくなってきたな。」

「もう夜が明けてきた?」

「まだ陽は出てないがな。」

「このまま日が昇れば魔物たちも落ち着くかな?」

「ほとんどの魔物は基本的に夜行性だしな。アレ以外は落ち着くだろうな。」

「アレかぁ。戦闘が終われば、こっちに来てもおかしくないですよね。」

「想定は最悪で。その中でベストを選ぶだけだ。」

 そうだよな。

 なら、蓮さんの言うとおり様子見するのが一番か。

 魔力の消費もあるし、もう明るくなってきてるみたいだし、状況が変わるまで待つか。





 ボクは城壁に凭れて、軽く体を休めることにした。

 しかし、『魔力反響感知』で視てしまったときに受けたその感覚のせいか、あの魔物たちが気になって仕方がない。

 『魔力反響感知』を使って索敵したため、こちらの居場所はバレているので、落ち着けは、奴らがこちらに来る可能性が高いと思う。

 そう言えば、魔物は『魔力反響感知』を使うと反応するけど、索敵は魔力感知が優先されているのか?

 もしそうだとすれば、魔力を感知できないようにすれば、魔物には気付かれない?

 人間はかなり魔物に感知されやすいような気がするんだけど、もしかして、人間って魔力を垂れ流してる?

 いや、生き物も魔物もか?

 だから、通常の魔力感知でも感じ取れるんじゃないか?

 魔力をコントロールすれば、気付かれないようにできる?

 もし、それが上手くいけば、隠れながら奴らの動きを監視することができるか?

 まず、これまで漠然と感じていた魔力を、その流れに注意を払い蓮さんたちを見てみる。

 丹田に最も多くの魔力があるが、その次は頭だ。

 どうも自然界に存在する魔力は丹田を目掛けて緩やかに動いているように見える。

 その次に魔力の集まる頭を見てみる。

 頭に集まる魔力は何だか流れが整っているように見え、また、魔力が濃い。

 魔力は丹田から供給され、頭(いや、脳か?)を経由してから体内を巡っているように見える。

 誰かが魔法を使っていれば、もっと動きがよく分かるんだけどな。

 魔力の流れを注意深く見てみると、体中を巡る際に微量ながらも体の外に漏れ出ているみたいだ。

 今度は自分の体に流れる魔力を観察してみる。

 周囲に漂う魔力の元となる自然界の魔力は丹田に向かっているので、丹田が魔力を収集する仮想の器官となっていると思う。

 この丹田にある仮想の器官を通ると魔力の質が変わり、魔法などに使っているいつもの魔力になるみたいだ。

 この辺りは、陽菜がケアールドの図書館で借りてきた本にあった魔法の基礎のとおりだ。

 そして、仮想の器官を経て普通の魔力になってから全身を血液のように循環する。

 そうやって全身を魔力が循環する際に体をから漏れ出ているのだ。

 そう言えば、魔法を使う時はスキルで発動するからあまり細かいことは考えなくても良いんだけど、それだから基本的なことが分かっていないんだと思う。

 ただ、世間でもそれを気にしてる人がほとんどいないので、今まで気にしたことも無かったな。

 この魔力の流れを理解したうえで、この体から漏れ出る魔力を抑えることができないか試してみよう。

 魔石を作る時には何となく魔核に流し込むことをイメージしていただけだったけど、量や質なども本来なら考える必要があったということなのかな?

 まぁ、その辺りは今後の課題ということにしておいて、本題の漏れ出る魔力の制御ができないか試してみよう。

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『親父に巻き込まれて異世界に転移しましたが、何故か肉屋をやっています。』を同時に掲載しています。
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