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スタンピードの仕組みを学ぼう

いろいろあって、投稿が滞っておりました。

気が付くと一年があっという間過ぎておりました。

年をとると時間が経つのが早いです...

エタる可能性がありますの表示はやっぱり悲しかったです...

 砦の外壁の内側に組んだ足場から魔物の群れに顔を向ける。

「こっちが街の方角だ。」

 そう言ってニコライが俺を手を掴んで街の方角に向ける。

「そして、街の向こうに川があって、それを渡ると魔物の園がある。そして、向う側が領主の城で、その少し右下に教会がある。」

 ニコライはボクの手を取り、方角を教えてくれる。

「ありがとうございます。」

 意識を切り替え、大きく息を吐き出して集中を始める。

 魔石は両手に握り込み、片方ずつ魔力を取り出して途切れないようにするよう準備を整える。

 これまでの『魔力反響感知』の最大距離を意識し、魔力の波を作り出すイメージを固めてゆく。

「いきます。」

 魔石から体を通して周囲に魔力の波を放出する。

 魔力の届いた距離は2,500m程になっていて多少なりとも性能は上がっている。

 砦に入り込んだ魔物の数から把握を始める。

 陽菜が恐ろしい速度で倒していってるな…

 砦の門から陽菜のいる場所の手前までで約30ほど、その量を覚えておき、概算で周囲の魔物を数えていくことにする。

 街の手前までしか魔力が届いていない。

 何とか届かないか?

 魔力を全方位じゃなくて、前方に向けて放出するイメージをしてみる。

 ゆっくりだが、魔力を放出する範囲が変化してゆく。

 ここで右手に握る魔石の魔力が尽きそうになったので、左手の魔石から魔力を抽出するように切り替え、ついでに右手の魔石を交換する。

 魔力反響感知の範囲は前方に伸び、街の向う側、山の麓まで伸びた。

 だが、ここまでか。

 街には30体の魔力反応の4倍ぐらい、そこから山の麓までまだ列が続いている。

 何故か南側、向いて右手に200体近くの反応があるが、滞留しているようだ。

 地形を見てみると、川と切り立った崖で袋小路になっている。

 川は5〜600メートル程の幅があり、魔物たちもそこを越えようとはしていないようだ。

 この砦を越え、教会付近には倍弱なので50体程度、丘の上の領主の城にも同じぐらい魔物がおり、この砦は周囲合わせて8から9倍程度いるので300体弱か。

 領主の城や教会にとっては良い風除けになってる訳だ。

 次に各ポイントまでの間にいる魔物の数を数えていこうとしていた。

 数えるのに必死で魔石に残された魔力に気を配るのを忘れており、不意に手の中で魔石が崩れていく。

「しまっ…」

 魔力枯渇が訪れめまいが襲う。

「おう、坊や大丈夫か?」

 気が付くとニコライが心配そうにボクの顔を覗き込んでいた。

「数えるのに集中して、魔力切れに気が付きませんでした。」

「少し休みな。」

 ボクはそう言われ、その場に座り込んだ。

 忘れないうちに数の整理はしておかないと。

「ニコライさん、忘れないうちに、数えた魔物の数を言います。」

「ああ。頼む。」

「この廃砦の周囲には300体弱、街中に隠れるように120から150体、教会と領主の城にそれぞれ5〜60体ですね。それと、東側の川下の袋小路に200体程度が固まっています。それ以外に移動中の魔物もいましたが数え切れませんでした。」

「なるほどな。川下のところで固まってるか。」

 少し気分が楽になってきたので、ニコライに話を聞いてみる。

「ニコライさん。この先の山ってどういう地形なんですか?」

「盆地って言ったらいいのか。切り立った岩山に囲まれた場所だな。周りは岩だけど水と木が豊富で豊かな土地なんだが、獣も多いが魔獣も多くてな。人間が入りづらいのもあるから、魔物の楽園みたいな場所だ。」

「だから魔物の園なんですか。もしかして、出口は街のある場所しかない?」

「ああ、その通りだ。」

 豊かで人の手が入りづらい土地は、大規模なモンスターハウスみたいになってるのか?

「やっぱり、天変地異も無いのにそこから魔物が逃げ出すって、魔物を襲う何かが出たって事ですかね?」

「あんまり考えたくはないんだが。」

「川下の袋小路のところって、何もない場所なんですよね?」

「ああ。」

「人間や餌などを探しに出てきたって訳じゃないってことですよね。」

「ああ。」

「パンティア北側の騒ぎは知ってますか?」

「魔境から魔物が出てるんだってな。」

「人も魔物も喰らう魔物らしいです。状況が似ている気がしませんか。」

「しかし、こっちにはヌシがいるんだぜ。」

ヌシですか?」

「ああ、人型の魔物を守るゴブリンの王と、魔獣を守る蛙の女王がいる。魔物を狩り過ぎるとそいつらが出てくるんだよ。大昔からな。」

 それは知らない情報だったな。

 というか、知らないでその場所に行ったら、大変なことになってたかも知れないぞ。

 まぁ、魔境に行くにはもう少し南下してから東に向かうから寄る予定は無かったけど。

「大昔っていうことは、以前に魔物の大発生が起こる前からということですが?」

「ああ。」

「もしかしたら、その魔物の主が今まで魔物たちを守ってきたんですかね?」

「俺には分からんよ。」

「そう言えば、蛙の女王がいるってことは、盆地は湿地なんですか?」

「湿地になってる部分もあるが森も多い。」

 湿地と森のセットなんて暗くなくても行きたくない場所だな。

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『親父に巻き込まれて異世界に転移しましたが、何故か肉屋をやっています。』を同時に掲載しています。
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