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パンティア王国を旅してみよう

 体調を崩していたのもあって、一月ほど休載してしまいました。

 今後は無理をしない範囲で、できる限り継続して更新していきたいと思います。

 ボクと陽菜はカレンを離れ、パンティア王国に入った。

 今いるのはパンティア王国北西部にあるラブニアという港町で、パンティア国内を移動するための計画を立てているところである。

 パンティア王国は東部を魔境と接しているが、北部はカレンからも近いのだが、ノヴェルと呼ばれるバイキングのような海洋貿易を行う民族の自治区があり、大陸三国とは友好な関係であるとは言い難いく、あまり政情が安定していないらしい。

 そんなところに大陸三国と親密な関係である使徒の僕らが行けば、火種になりそうなので避けることにした。

 中東部にはトリキアという大きな街があるものの、魔境と接している部分には広大な森林が広がっており、魔境に入るには少し距離があるうえ、そこまで魔物の発生は多くないとのことだった。

 もう少し南に目を向け、トリキアの南にあるハルグラトという街を目指すことにした。

 魔境に近いうえに、ガルディア帝国の国境にほど近く、パンティアとガルディアの交易における南北の交通の要所になっており、それなりの規模がある。

 また、この街は魔境から流入する魔物たちを迎え撃つための拠点となる城塞都市になっている。

 交通の要所のため、宿も多くあり、魔物が普段から出現するため、鍛冶屋も多く、武器の手入れも容易という環境が整っており、魔境に入りレベル上げをする拠点にするには条件が良い。

 『魔力反響感知』では紙に書かれた地図は見れないので、陽菜に説明をしてもらう必要があるので少し面倒だったけど、次の目的地は決まった。

「あ、パンティアに行く前に王室に挨拶はしておかないとね。」

 陽菜に言われるまで気が付かなかったな。

「もしかして、パンティアに着いたら、そっちの王室にも挨拶に寄らないといけない?」

「そうね、王都にも寄らないといけないから、ハルグラトまで一月ぐらいかかるかな。」

「意外とかかるなぁ。それに遥人さんたちと会うのは嫌だなぁ。それにガルディア国境に近いから、そっちにも挨拶に行かないといけない?」

「ううん。ガルディアに入るわけじゃないし、パンティアでの活動になるから要らないと思うよ。」

 気が付く陽菜はなにやら机の上で紙と格闘している。

「陽菜さん。何してるの?」

「長旅になるのに、実入りは無いからね。生活費を稼ぐのに、何が一番良いか考えてるとこ。」

 そうだよな。

 旅費ぐらいの蓄えはあるけど、着いてからの生活費までは無いし、向こうに行ってからはカレンみたいに冒険者ギルドも無いから稼ぐ手段は魔石しかない。

 まぁ、魔石は高く売れるから、それだけでも充分生活できるとは思うけど、余裕がある方が良いよね。

 しかし、普通のパーティーだとそれも無いだろうから、みんなどうやって生活してるんだろう?

 まぁ、遥人や蓮さんのパーティーは王室のお抱えだから、生活には困らないんだろうけど。

 あ、売ってない魔石がそろそろ100を超えてるな。

 これだけあればひと財産だな。

「陽菜さん。売ってない魔石も結構貯まってるかも。」

「魔石は魔道具に必要だから、残しておかないと。水や暖房も魔道具を使えば荷物も少なくて済むから。」

 そう言えば、水が湧く水差しの魔道具とか、狭いカレンでは使う必要が無かったけど、これからは必要になるか。

 それに、攻撃用の魔道具も存在すると聞いたことがある。

「うん。それでどうするの?」

「優くん、わたしのジョブが何か忘れてない?」



「ふう。」

 木の車輪のリヤカーは、ぬかるんだ場所では非常に重い。

 港町のトラブニアから王都までは街道が整備されているということであったが、途中で寄った宿場町で近道を教えてもらったのだ。

 森の中を進む道で盗賊は全くいない訳ではないが、やや少なく、その代わり獣や魔物が多いとのことだった。

 盗賊であれば、金さえ置いていけば命は見逃してくれる場合も多いため、ほとんどの商人は街道を選ぶのだが、ボクたちにとっては魔物が出た方が有り難いし、リヤカーを引いて行くのであれば、少しでも短い方がいいと思ってはいたんだけど。

「ごめんね、優くん。やっぱり、整備されていた道のほうが良かったかな?」

「でも、リヤカーを引いてくんだったら、少しでも距離が短い方が良いし、盗賊を相手するのも嫌だしね。まだ勾配が少ないだけ良かったかも知れないし。」

「うん。雲行きが怪しくなってきたね。」

「もう日も暮れ始めてきたし、野営の準備をしよう。」

 リヤカーに載せた塩たらを積み直して何とかボクらが座れるスペースを作る。

 天幕を張り、雨を避けるための準備を始める。

「リヤカーって意外と役に立ったね。」

「雨が降ったときはね。」

 何もない森の中で濡れた地面に悩まされないのはかなり有り難い。

「今日も見張りは立たなくて良いの?」

 心配そうに陽菜が聞いてくる。

「『手順化』のスキルがあるから大丈夫だよ。」

 『手順化』のスキルと『魔力反響感知』のスキルを組み合わせれば即席レーダーになる。

 ただ、距離を稼ぐために『アクティブ・ソナー』を使っているので、魔物が引っかかればヘイトを集めるというデメリットはあるんだけどね。

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『親父に巻き込まれて異世界に転移しましたが、何故か肉屋をやっています。』を同時に掲載しています。
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