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KAWAII≪カワイイ≫

作者: 追試

「究極の美」は無くても、「究極の可愛い」ならあるのではないか?

今夜は藤岡弘、さんに、「究極の可愛い」を探しにモンゴルの山奥へと取材に行っていただきました。




藤岡「どうもこんばんわ。モンゴルの山奥はヒルがとても多いですね。我々ももう隊員が二人緊急帰国しました」

アナウンサー「究極の可愛いの手掛かりはみつかりましたか?」

藤岡「ええ、これをみてください」

アナ「これは・・・」

藤岡「ええ、巨大な足跡。間違いなくこれはモンキーマンのものにちがいありません」

アナ「というと?」

藤岡「この近くにモンキーマンの巣がある可能性が高いですね」




アナ「究極の可愛いを探して、藤岡弘、探検隊は怪しい洞窟の中を進んでいきます」

藤岡「いやー、驚いた。洞窟に3メートルくらいのクマがいて、いま殴り殺しました。カメラで撮れてないんですけどね。藤岡です」

アナ「究極の可愛いの手掛かりはなにかありましたでしょうか」

藤岡「はい、これをみてください」

アナ「これは・・・」

藤岡「はい、ただの金属片です」

アナ「これは可愛くないですよね」

藤岡「はい、ただ、この金属片は三〇〇〇〇年前の地層から出土されたんです」

アナ「というと?」

藤岡「つまり、三〇〇〇〇年前に宇宙人がここにきて、金属の使い方を教えた証拠になるかもしれないのです」




アナ「究極の可愛いを探して、藤岡弘、探検隊は夜のジャングルの道なきルートを切り開きながら進んでいきます」

藤岡「こんばんわ、藤岡です。さきほど綺麗なちょうちょがいました。」

アナ「究極の可愛いはみつかりましたでしょうか?」

藤岡「はい、これを見てください」

アナ「これは・・・」

藤岡「はい、さきほど私がクマと格闘した時に、膝が破れまして、上からけろけろけろっぴのアップリケをアシスタントの芳川さんが縫ってくれています」


アナ「といいますと?」

藤岡「はい。私は考えたのです。究極の可愛いとは、いったい何なのか?」

藤岡「もし、究極のかわいいがこの世界に存在してしまえば、他のあらゆる可愛いものはそれほど可愛くないものだということになってしまいます。僕の膝で元気に笑う、けろけろけろっぴ君も、ね。」

アナ「ということは・・・!」

藤岡「はい、究極の可愛い、それは私には必要ない。今心を温めてくれている、この気持ちだけで十分なんです」

アナ「わかりました。藤岡さん、ここで一筆お願いします!」



おもむろに背中からバットほどの大きさの筆をとりだす藤岡。

目の前にある巨大な自然石に墨で「家族」と書き殴る。



アナ「ありがとうございました。来週は藤岡弘、さんに『究極のせつない』を探しに、ナイジェリアの部族と生活していただきます。それでは、ごきげんよう!」



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