『決心』
この話の登場人物
主人公(俺、高校生)
姉(大学生)
姉の友人(子持ちの社会人)
友人の娘(4歳)
俺は姉に連れられて姉の友人の家に行った。
友人と言っても子供がいた。話を聞く限り女の子のようだ。
その子の母親、つまり姉の友人は高校時代の先輩らしい。
姉とその友人の話を聞いていると、どうやら姉の友人は自分とその娘の二人暮らしで
その子の父親は子供ができたと聞いて逃げてしまったらしい。
まあ、ここまではよくある話だ。
俺はトイレに行きたくなったので一言入れ、トイレに向かった。
「ん?」
トイレに向かう途中、女の子を見つけた。
ああ、この子が娘か・・・そう思う前に
「?」
違和感を感じた。
4歳ぐらいの女の子のようだが、4歳児にしてはやせすぎている。
別にこれだけなら俺は気にしなかっただろう。
でも、その子は
「お兄ちゃん、そのお菓子ちょうだい」
俺は手にレジ袋をぶらさげていた。
「いいよ、はいどうぞ」
女の子はやったー!と今にも叫びそうな笑顔だった。
でも
「ありがとう」
と可愛らしく小さな声で言うとすぐに足音に気を配る歩き方で近くの部屋に入っていった。
俺は気づいた。
女の子の足にあざのようなものがあるのを・・・。
「虐待、か・・・」
食べ物を食べる意志があるのに必要以上に痩せていて、
体にはあざがあった。
俺には虐待を受けているようにしか見えなかった。
俺は考えた。
「よし、誘拐して警察沙汰にしてやろう」