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想ヒ音  作者: 鈴木 アル
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第5小節

サヤカちゃんは守ってあげたくなる子だよね。

支えなきゃって思う子だよね。

じゃあ、私のことは?

少しでも支えなきゃとか思ってくれてた?



‐第5小節‐



十一月。

この月の16日はハセくんの誕生日。

私はプレゼントを用意した。

メールで渡す約束もした。

でも、肝心なとこで勇気が出なくて渡せずに何ヵ月も過ぎていった。


一月。

私の住むところにはたくさんの雪が降る。

だからこの時期、スキー場に行ってのスキー教室があるのです。

学年をクラスごと二つに分けて、それぞれ別の日にスキー場へ行く。

私はハセくんと同じ日にスキーに行ける!って思ってスキーを楽しみにしていた。

思えば、ヒロトくんも同じ日にスキーに行ってたはずなんだけど、一年のスキー授業でのヒロトくんとの思い出はない。


いよいよ当日。

前もってスキーの班編成の調査があったんだけど、中級クラスの人数が多すぎて、テストをして班を編成し直すことに。

私は結構上手だったらしく、上級クラスへ…。

嫌で嫌で仕方なかったけど、なんとハセくんも上級クラスにっ!!

ハセくんは学校では違うクラスだったから、すごく嬉しくて、ドキドキしていた。

スキーのために新しく買った帽子の具合を気にしながら、少しでも可愛く見えるようにハセくんをずっと意識して滑っていた。

きっと同じ班になれたから調子にのってしまったの。

バレンタインデーの直前には雪祭りがあって、それに二人で行きたいって思ったのもあった。

私は、バースデープレゼントを渡す時に告白をしようと決意した。


ずっとこの時を待っていたプレゼントの包装は、少しくたびれてきていた。

この頃の私の放課後の習慣は、昇降口の前のスペースで友達と話しながら、ハセくんの帰宅姿を見届けること。

その要領でハセくんの登場を待っていた。


そして、ハセくんがやってくる。

私は急いで駆け寄る。

「ハセくんっ」

私が呼ぶとハセくんは振り向いた。

「あの、プレゼント。ごめんね、遅くなったけど」

「ありがと」

初めて直接ハセくんと挨拶以外の会話してる!

そう思って緊張はますます高まる。

「あの、それでね」

ついに思いを告げる。

「あたし、ハセくんのこと好きです。よかったら付き合ってもらえませんか」

言った!

そう思った次の瞬間。

「ゴメン」

ってハセくんは言ってた。

私ははじめ何がなんだかわからなくて…でも少しするとあ、ダメだったんだ、って理解して。

「あ、うん。じゃあ、バイバイ」

って言ってその場から立ち去った。


そうやって、あっけなく私の恋がまた一つ終わった。

でもまだヒロトくんの出番じゃない。

次はやっぱりあの後輩君への思いに気付き始めるの。

大好きなあの後輩は四月に私の高校へやってくる。



恋の終りはいつでも哀しいものだね。

でもね、今私が感じている哀しさは比べ物になんてならないよ。

ヒロトの登場なかったですねΣ(T▽T;)次はやっとヒロトがいいところを見せてくれます!!

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