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想ヒ音  作者: 鈴木 アル
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第4小節

もっと早くあなたを好きになれていたら、もっと長くあなたと一緒にいられたのかな?



‐第4小節‐



ある日、部活が終わったあと吹部の友達のところへ行くと、何やら恋愛話で盛り上がっているようだった。

「なんの話っ!?」

興味津々で話に加わる。

「ん?サヤに直接聞けって」

「えーっ、何なのぉ?サヤカちゃん教えてぇ?」

話題の中心はサトウサヤカちゃんだった。

「ん。言っていいよ?」

「んじゃ、教えてっ!!」

サヤカちゃんからの許しも得たから、友達に向きなおす。

友達はサヤカちゃんに目配せをしてから、私の耳元でこっそり話してくれた。

「サヤに彼氏ができたんだって」

「ウソっ。誰!?」

私がそういうと、友達はもう一度サヤカちゃんに目配せして、

「ヒロトだって」


ビックリした。

どこが好きなの?

あんなナヨナヨしたやつ、って思ったから。

私は未だにヒロトくんと仲は良くなかった。

周りの女の子程には。

周りの女の子はヒロトくんとほとんど女友達のように接していたから。


「おめでとう♪え、どっちからコクったの?」

「サヤからだって」

口ではおめでとうと言いながら、信じられない気持で一杯だった。

だから、また別のところで

「どこ好きなんだろうねー」

なんて友達と話したりした。


そういえばその二人は二人で行動していることが多かった。

そっか。そういうことなんだ。

私の知らないところで、部内の恋愛事情は進行していたんだ。


ところで私の恋は…というと。

友達の協力でハセくんのメアドをゲットし、メル友からのスタートを切っていた。

一年生の寒くなる頃には挨拶も交せるようになっていたの。

でも、後輩への思いはなんだかんだ残ったまま。

本当にたまにメールをしたりした。


もう一つ大きな変化があったの。

私の吹奏楽部では夏の大会が終わると、一年生が部長をやることになっていた。

二人の立候補者の中から私は部長に選ばれる。

私は部の中で大事な役割をすることになったのだ。



もし、

あなたが吹奏楽をやろうと思ってなかったら?

私が部長にならなかったら?

きっと、この恋は始まらなかったよ。

ヒロトは可愛いくせに割とモテるんです。そんなのにひっかかるアスカはきっと悔しい思いに駆られるんです。

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