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想ヒ音  作者: 鈴木 アル
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第2小節

今の私は、あなたの格好悪いところも、きっと、好きだって思ってしまうの。



‐第2小節‐



入部から程なくして、私達の吹奏楽部は定期演奏会の準備で慌ただしくなった。

五月頭の演奏会に向けて一年生も借り出された。

経験者は演奏に参加し、その他にも毎年恒例で一年生が演出をするらしい。

私は残念ながら…いや全然残念じゃなかったけど、演出に参加できなかった。

演奏に参加する都合上。


一年生は主役と一緒に踊るバックダンサー役。

女の子数人がダンサーとして選ばれた。

ヒロトくんともう一人の男子が1年生の中での少ない男手だったけど、特になんの役割もなかったみたいだった。


本番がいよいよ近付くと、学校のホールを使って演奏と演出を実際に通して練習した。

2、3回目の通し練習だった。

ある一場面。

ヒロトくんが幼い男の子を装って、ステージに登場。

主役のサラリーマンに物凄い勢いで駆けていく。

そして、ダダをこねる。

「あれ買ってぇーっ」

それは、配役的にはよかったのだろうが、まだ恥ずかしさの残る演技で。

私は、ちゃんとやれよ…と心の中で思った。

ヒロトくんは出番が終り、ステージ袖に戻っていく。

その途中、コケた。

シナリオでもなんでもなく、素で。

これだけでも格好悪い。

そして、これだけじゃ終わらない格好悪さ。


次の日からは本番のホールへいよいよ移動しての練習。

また演出との通し練習があった。

あのヒロトくん登場の場面。

でも、ヒロトくんでなく、もう一人の男の子が出てきた。

その子はジュンペイくんというのだけれど、まぁ…体格が良い子で。

その時、ジュンペイくんはランドセルと黄色い帽子の衣装を身にまとって登場した。

……ハマリ役だった。

体格のよさとその衣装のギャップがあいまり、演技も何か割り切ったものがあった。


でも、ヒロトくんは?どうしたの?

決してヒロトくんは、演技が出来ないから外された訳じゃない。

ただ、演技ができない状態にあった。

彼は走れなくなっていたのだ。

前回の通しでステージ袖に戻る途中、コケた時にケガをしていた。

……格好悪い。か弱すぎだろ!?

絶対に、こんな男は嫌だと思った。


そんなこんなで、初めから悪かった私の中のヒロトくんの印象は、マックスまで落ち込んだ。

仲良くなれるはずがなかった。



でも、きっと今なら格好悪いと思いつつ、すごく心配する。

今だったら二人で笑い飛ばすこともできるのかな?

ぁー私は燃えよ剣の土方さんが大好きです。武士道とかめちゃくちゃ好き!!でも土方さんの男らしさを現代の男の子に求めては恋なんて…夢の話(;つД`)

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