エイプリルフールでした。
■エイプリルフール ~35話の後に36話として嘘の続き乗せてました☆~■
白竜の背から見つめる山の向こうはまだ遠い。
刻々と過ぎる時間が焦りを生みだし、フリーシャの胸を占めてゆく。
「黒騎士……」
小さくつぶやく。
今、彼が側にいたのなら、この不安は和らぐのだろうか。彼を、今、どうしようもなく求める。
「フリーシャ……」
白竜がつぶやくように名を呼んだ。
「なに?」
気丈なフリーシャに、白竜は躊躇いがちに口を開いた。
「本当は、言わないつもりだった。私は、こんな姿になってしまっていたから。だが、それでも、魔王などにやってしまうぐらいなら……!!」
「……白竜の王子?」
フリーシャは戸惑いながら彼を見つめる。
「忘れているのなら、それで良いと思っていた」
「なんの話を……」
思い詰めたようにつぶやく白竜に、フリーシャは困ったように問いかける。
「幼いそなたは、愛らしかったな。黒衣の私に、そなたが……」
懐かしむようにつぶやく白竜にフリーシャはまさかと動揺する。
「……白竜の王子!!」
耐えきれず叫んだフリーシャに、白竜はわずかに憂いをふくんだ笑みをこぼした。
そして静かにうなずくと、高らかに宣言した。
「……黙っていたが、実は、私は白竜ではない………黒竜なのだ!!」
「……はぁ?」
突然、白龍のその体が黒く染まる。
「だ、だから、私が黒騎しゅ……がふっ」
* * * *
大事なところで噛みました。気持ちの良い4月の幕開けです。4月1日ですね!!(爽やかに微笑みながら)