表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の花嫁  作者: 真麻一花
本編
57/65

エピローグ



 数年前、グライデルの美しい姫君が魔王にさらわれた。

 その姫君を助けるためにマージナルの王子が立ち、姫君を取り返した。

 美しい金色の髪を持つそれはそれは美しい姫は、助けに来た銀色の髪をした美しい王子と恋に落ちた。


 とはいえグライデルのような小国の姫が、マージナルの第一王位継承者の正妃となるのは難しいと思えた。しかし姫君の美しさゆえか二人はすぐに認められた。姫君は大国マージナルから迎え入れられ、まもなく華やかで盛大な婚礼が執り行われる運びとなった。

 金色の姫と、銀色の王子が寄り添う様は、神の手によって一対に作られたかのように美しく、誰もが見ほれたほどだった。





 この物語に、国中が酔った。まるで物語のようだと、誰もが口にし、幸せそうに笑う美しい金の姫君と美しく精悍な銀の王子の笑顔を思いだし、うっとりとため息をつく。


 しかし、その裏で身代わりとして犠牲となった姫君がいる事を知る者は少ない。

 犠牲になった姫君の乳母は自ら暇をもらい、婚礼に浮き足立った喧噪の中、ひっそりと城を去った。


 城を出た乳母は家族と暮らしていた。その暮らしは時折客が訊ねてくる以外、かわり映えする事のない静かな物だった。




 その日、彼女は楽しそうに微笑みながらお茶とお菓子の準備をしつつ窓の外を眺めていた。

 彼女は客が来るのを待っていた。時折彼女を訪ねてくる大切な客を。

 今日はその約束の日。

 それは彼女のささやかな楽しみ。

 もうすぐ大切な客がやってくる。

 その客は、彼女が慈しんだ姫君によく似た愛らしい子供をつれて、幸せな笑顔を浮かべてやってくるだろう。

 それを待ちながら窓の外を眺めるのだ。



おしまい。


最後までお付き合いありがとうございました。

思いがけず、たくさんの人が読んで下さったようで、本当にうれしかったです。


魔王とフリーシャの恋物語(なのです!!)を、楽しんでいただけたのなら、幸いです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ