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十二一族の始まり
時は平安。
一人の男が占いというものをしたと又聞きしたその知り合いだった若い貴族の男、藤原真澄は自分の屋敷に帰ると気落ちした。
それほどまでに自分はあの男にとって、大切な存在ではなかったらしい。
あの占いとやらは自分には関係のないものだが、この私の無となった心を慰めるものは何か――と考えるようになった。
日に日に弱って行く真澄の様子を心配して見ていたのはその藤原家に仕える者達だ。
どんな身分の者でも各々にこの家の主である真澄には恩義があった。
だからどんな手を使っても彼のその心を晴らせることができれば良いと思った。
そのくらい真澄はこの家の者達には慕われていた。
あの方はそれはそれはお優しいお方だ。こんな事でくじけてはいけない!
誰彼構わず、事あるごとに真澄を喜ばせようとした。それが後々、喜ばせられた者にはたくさんの褒美が出るらしいという蛇足も付いた話に引っかかって、人々はその主様の為、体を張ったり、工夫して笑わせようと必死になり、滑稽に頑張ったそうだ。
それが今日の『十二一族』と自らが勝手に名乗るものに繋がった。
その関係は現代になった今でも脈々と続いており、解消したくともできずにずるずると日々の生活にそれぞれ良くも悪くも響いている。




