新章☆最終章 星は覚えている
新章☆最終章 星は覚えている
アルミの星の記憶☆新章最終章
夜。惑星ALの空は、銀白の光に包まれていた。
灯台が放つ光は反響室へと届き、そこから広がる共鳴が市場へ、住居へ、洞窟の奥へと重なっていった。風鈴も、カウベルも、マグカップも──すべてが一斉に鳴り出したのだ。
「な、なんだこれは……!」 スキッパーが息をのむ。
ユウは編み棒を落としそうになりながら、糸の震えを感じ取った。ぱち、ぱち……囁きはもう糸の音ではなかった。星全体がひとつの声となり、歌い始めていた。
「……ここにいた」 「……忘れない」 「……ありがとう」
声は幾重にも重なり、銀白の光とともに夜空を駆け抜けた。それは恐怖ではなく、温かな抱擁のようだった。ユウは涙をこぼした。
来訪者の老女が光に照らされて佇み、静かに言った。 「やはり……この星は生きています。あなた方の営みを、笑いも涙も、すべてを抱いているのです」
サンドラは震える声で笑った。 「じゃあ、私の失敗した料理まで残ってるのかしら」
ユウとスキッパーは顔を見合わせ、大声で笑った。その笑い声もまた、星の歌に混じって響いていく。
銀白の光は天へと伸び、遠い宇宙の彼方まで届いた。かつて航路を失った旅人たちも、未来の来訪者も──この光を目印にここへ帰ってくるだろう。
ユウは小さくつぶやいた。 「この星は、私たちを覚えていてくれる」
スキッパーが頷き、肩を抱いた。 「なら安心だな。俺たちの物語は、ずっと続いていく」
夜空いっぱいに広がる銀白の歌。その下で、ユウは微笑んだ。星は覚えている──だから未来は続いていく。
完




