新章☆第八話 星のざわめき
新章☆第八話 星のざわめき
アルミの星の記憶☆新章第八話
その夜、ユウは眠れなかった。編みかけのマフラーを抱きながら耳を澄ますと、ぱち、ぱち……いつもの糸の音に混じって、低いざわめきが聞こえてくる。
「……風の音じゃないよね」
ベッドから身を起こすと、窓の外の大地がかすかに光っていた。反響室の方角から、鈍い銀白色の波がゆらめいている。
スキッパーも目を覚まし、険しい顔で外を見た。 「星全体が……脈打ってる?」
翌朝、市場に出ると人々がざわめいていた。灯台の光が昨夜、普段より強く輝いたというのだ。サンドラは不安げにパンを焼きながら言った。 「まるで、誰かが呼びかけているみたい」
少年の来訪者は真剣な顔で耳を澄ませていた。 「声が増えてる。たくさんの『ここにいた』が重なって……歌みたいになってる」
ユウは編み棒を握りしめた。ぱち、ぱち……音が早く、強くなっていく。まるで次の瞬間、大きな何かが目を覚ます前触れのように。
スキッパーが低くつぶやいた。 「いよいよだな。星が本当に、答えようとしてる」
ユウの胸は不安と期待でいっぱいになった。星のざわめきは止まず、銀白の光が昼も夜もかすかに大地を包み続けていた。




