新章第五話☆アルミの反響室
第五話☆アルミの反響室
惑星ALの大地を調査していたある日、私たちは奇妙な洞窟を見つけた。
外から見ればただの裂け目にすぎないのに、中へ入ると壁一面が銀白色に輝き、まるで巨大な鏡のように光を返していた。
「アルミ鉱石がこんなふうに固まっているなんて、すごいな」
スキッパーがライトを照らすと、反射で洞窟全体がきらきらと揺らめいた。
「……声を出してみてもいい?」
サンドラがためらいがちに言った。
「いいよ」
私がうなずくと、彼女は小さく「やっほー」と声を放った。
次の瞬間。
やっほー……ほー……ほー……
普通の反響とは違って、声が幾重にも重なり、まるで別の旋律を奏でるように洞窟を満たした。
それは澄んだ金属音にも似ていて、私たちは思わず息をのんだ。
「星が歌ってるみたいだな」
スキッパーがつぶやいた。
「ほんと……。でも少し怖い」
私は胸の奥に、言葉にできないざわめきを感じていた。
音が反響しているだけなのに、まるで誰かの記憶がここに残っているような、不思議な気配。
サンドラは持っていたカウベルをそっと鳴らしてみた。
カーン……
すると、反響はただの反響ではなく、柔らかい和音となって広がっていった。
私たちはしばらく無言で、その響きに耳を傾けた。
「またここで演奏してみようか」
スキッパーが笑った。
「うん。今度はちゃんと楽器を持ち込んで」
私はそう答えたけれど、胸の中ではもう一つの声が響いていた。
──この星そのものが、私たちの音を覚えてくれるのかもしれない。




