スピンオフ新章第二話☆アルミ星の朝市
今回はAL星ならではの道具エピソードです。どうぞお楽しみください。
スピンオフ新章第二話 ✨
アルミ星の朝市
惑星ALの居住モジュールに、小さな朝市が開かれた。
サンドラはアルミホイルの試作品を並べ、ユウは銀白の糸で編んだ袋を机に置いた。
色とりどりの果実や香辛料を持ち込む商人たちも集まり、ちょっとしたお祭りのようだ。
「この調理器具、買っていってくれませんか?」
スキッパーが誇らしげに紹介したのは、アルミの大気に最適化された鍋。
ところが、隣の惑星から来た商人が眉をひそめた。
「我が星の雰囲気では使えませんな。アルミが反応してしまう」
会場がざわついた。せっかくの目玉商品が、他の星では役に立たないのか?
ユウとサンドラは顔を見合わせ、慌てて説明に回る。
「これは惑星AL専用なんです。保存や熱伝導に優れていて、こちらの環境ではとても便利なんですよ」
「他の星には合わないかもしれませんが、逆に言えば“ここでしか味わえない調理法”なんです」
商人たちはしばし黙り込み、やがて一人が笑った。
「なるほど。観光客向けに“ここだけの料理体験”として売ればいいのか」
ぱちぱちと拍手が起こる。
スキッパーは胸を張り、「だから俺の言った通りだろ!」と声を張り上げた。
ユウは横から小突いて、苦笑いを浮かべる。
市場のざわめきの中、アルミ星の一日はゆっくりと流れていった。




