良い感じ
今日も一日が始まる。
顔洗って。朝飯食って。村人達に混じって仕事をする。
仕事って言うと仰々しいな。流れる時間は緩やかだ。
例えば今、軒先で皮なめしをしてるミャーオ族の彼女も専門の職人というわけではない。
ここには上司にせっつかれてヒィヒィ言いながら好きでもない仕事をするなんて住民は居ないのだ。
暇を持て余した村人が自発的に、興味を持った分野でモノ作りをする。そんな感じで村の経済は回っている。
村人達の家の軒先にある壺だってそうだ。誰かが土を捏ねて遊び、整形された土器。
それを別の村人が乾燥を早めるために火で炙ってみた所、たまたま固くて頑丈になるのが理解っただけ。
"こういうのあったら良いな"を超自然体で粘土遊び大好きな村人が量産した結果、今に至る。
少なくともこの星での生活や仕事という物は。すべて誰かが始めた"遊び"が原動力なのだ。
「…どう?これで良いかなぁ」
「おー、メイド服似合うじゃんマルチル」
んで。本日はマルチルや他の村人数人がメイド服を着ている。
なんでって、彼女達がライムの服に興味津々だったからだ。
これもまた、遊び。
「うんうん、とってもお似合いです!可愛いですよ~」
「んふふー。ここ、ひらひらするのも楽しいね」
きゃいきゃい。
うんうん女の子だなぁ。ファッションはやっぱ人気がある。
俺も負けじと私服のシャツとパンツでキメてみたが、皆メイド服にしか興味がないらしい。
俺の事はアウトオブ眼中。ちょっと悲しい。
「この毛皮うすーい」
「細いの何に使う?しっぽにつける?」
「んなぁぅ、うみゃみゃ」
「くんくん、ちょっといい匂いする」
反応も様々だが…皆決まって、最後には同じことを言う。
「これ欲しい」
この村に貨幣制度は存在しない。
欲しいものがあるなら自分で作る。もしくは物々交換である。
シイタケに貰ったライムのメイド服は、本人の意思にかかわらず破ってしまったのも含めてそれなりの数だ。
ただ、それらを全部合わせても到底村人全員に配布出来るほどの量はない。
つまりだ。欲しいなら結局作るしかないのだ。
「…なぁ、服の素材の糸ってさぁ。どう作りゃ良いんだ?」
<<住民の技術力を鑑みると、動物の体毛や草木の繊維を使うのが最適かと思われます。技術データをピックアップ>>
「ムキュッ…なるほど、工程は把握しました。適した材料と…あとは糸車や機織り機とかを作れば出来そうです」
「へぇ~?何それ難しい?出来そう?」
「そうですね…まずは材料探しからでしょうか。3810、機械設計はお願いしても良いですか?」
<<了解。…基礎構造の設計完了。組み立てマニュアルの作成開始>>
お、俺の出番無い…なんつう優秀な部下だ。
なんか起業したら金持ちになれそうな気がしてきたぞ。金あっても使い道無いけど。
「とりあえずその…なんか良い感じの草だったか?それを探しに行くか~」
「はい。今日はどんな虫がいるかな~♪」
「…その趣味やめない?」
・・・
そういうわけなんで、俺とライムはキキルパ達の狩猟チームにお邪魔することにした。
俺達単独で森に入っても良いが、現地ガイドがいるほうが捗るだろう。
「くんくん……こっちは獲物いない」
「こっちもないー」
「待て、ファミ鳥の毛落ちてる」
「近い?すんすん…あっち!」
キキルパ達の狩りを俺は初めて見たが。まるで隠れんぼを楽しむ子供のよう。
否、宝探しかもしれない。彼女達は森にある痕跡を目ざとく見つけては匂いをかいで、どんどん奥へ進んでいく。
「…ライムも獲物が何処にいるかとか判るのか?」
「えっと、それが…私が本気で探しちゃうとすぐ見つかるんです。でも、あまり良くない気がして」
「何で?すぐ獲物取れたら嬉しいんじゃねぇの?」
「そうなんですけど…皆さん楽しそうじゃないですか」
「……あぁ、そう見えるな」
ライムは本気を出して耳を立てると、かなり遠くの獲物を探知出来るらしい。
しかしそれは無粋だと言う。
本気で食料に困っていないなら、狩りは楽しみの一つ。邪魔してはいけない、と。
「ライムは優しいなぁ」
「そうですか…?えへへ」
ライムを良い子良い子しつつ、俺も今日のメインタスクをこなそう。
そう、糸作りに使える良い感じの草探しだ。
……良い感じの草って。どんなだ。
「で、どういう草が良いんですかライム先生」
「えっと…こう、茎が細くて長~いのが良い感じみたいです」
ライムは体全体を使って、こーんな!と背伸びをする。可愛いすぎ。写真撮りたい……。
そんな耳までピーンと伸ばしちゃって…つか耳なっが。俺の身長超えるじゃん伸び切ったら。
ライムの渾身の説明を受けて、俺は草を探す。
すぐに見つかれば苦労はしない。だがそれも楽しむのがここの流儀。
「ケン何探してる?」
「草だ」
「…草?食うのか?」
キキルパが俺の様子を見に来た。俺は野菜も食うが草食ではない。ケン、ヤキニクスキ。
「いや食うんじゃなくてな。ライムの服みたいなの作るには良い感じの草が必要なんだ」
「…服ないのか?キキルパのいる?」
キキルパの服。胸元と腰に毛皮を巻いている。
よくよく思うと、村人が着てる服というか毛皮。あれは何の動物の毛皮なのだろうか。
トラ柄、といえば良いのか。鮮やかなオレンジに黒い縞模様の毛皮。
「…なぁ、その服に使われてる皮って何から採れるんだ…?」
「これか?ガオパルドンだぞ」
「ガオパルドンってなんだよ」
「すごい大きい。牙いっぱいある。口大きい」
がおー!と、キキルパはガオパルドンとやらのモノマネをしてくる。
なんかヤバそうな生き物って事は解った。
「ガオパルドン賢い。強い。だけど死んだらキキルパ達が貰う」
「へー、キキルパが強いっていうなら…相当なんだな。ライムもまだ見たことないんだっけ?」
「はい、まだ出会ったことが無いです」
ガオパルドンは森の奥地に生息しているのでドローンの空撮にもまだ写ってないらしい。
特徴から推察するに、大型の肉食生物なのはわかった。まだまだ知らない事だらけだ…。
俺は話を聞きながら辺りを見回していると。そこそこ背が高い草が群生している場所が目に入った。
「む?おいライム、あれとかどうだ?」
「…あ、こういうのです!データ検索…うんうん、亜麻によく似ています。これなら……っ」
ぴくっ!とライムの耳が立つ。
頻りに耳を動かしながら、ライムが立ち上がった。
「…どうした?」
「何か大きいのが近づいてきます。艦長は私の後ろへ。キキルパさん!」
「ん!くんくん…いる」
ライムが俺を庇うように周囲を警戒する。
他のチームメンバー達も肌で感じたのだろう。槍を構えて周りをキョロキョロしだした。
「…艦長、2時方向です。ほら、あの木の下」
「………あ、いる!まだ遠いな」
視界の効きにくい密林、視力検査ばりに目を凝らして俺にもようやくわかった。
キキルパ達は無音でハンドサインをしながら散開していく。
「ありゃカルビーだよな」
「ですね。もし暴れても私が守ります。艦長は私の後ろから離れないで」
「…援護は必要か?」
俺はショックガンに手を伸ばす。必要なら麻痺弾くらい撃てるが…
「大丈夫でしょう。あのくらいならキキルパさん達だけで平気です」
遠すぎて大きさの把握がしにくいが、カルビーの隣に生えてる木はまるで草のように細く見える。
スケールを目の前の木で比較するならとんでもなく巨体だ。
そんなカルビーに、一本の槍が飛ぶ。
その威力はまるでミサイル。遠く離れたここまで、ドンッ!と音が聞こえる。ブモォー!とカルビーの悲鳴も。
カルビーの前足が跳ね上がり、巨体が浮く。その姿は小さなビルのよう。
逃がすまい、と次の槍が飛び。カルビーが数歩進む頃には無数の槍が剣山のように突き刺さる。
1歩、また1歩。槍はもう飛ばない。これ以上投げる必要はないと、素人の俺ですら解った。
残酷だが…生き続けるには必要な事だ。
「…終わったか?」
「はい。近くへ行きましょう」
俺とライムはカルビーの亡骸に近づく。もう最後のトドメは刺されていた。
キキルパ達は槍を引き抜き、カルビーの近くで遠吠えをする。
「あおーん…わお~~ん!!」
「あおあおわおーん!!」
「わうわうわおー!!」
「わんわんおー!!」
「…あれは?」
「他のチームに教えてるんです。今日は獲物が取れたから、もう良いよって」
「なるほどね……俺も吠えるべきかな?」
「ふふっ、どうします?」
「…やめとく。俺は見てただけだしな」
その遠吠えは、カルビーの魂を送り出す儀式のように俺は感じた。
なんだか胸が熱くなってくる。力が湧いてくるような、勇気が出てくるような。
命を奪ってしまった罪悪感を消し飛ばすような。そんな祈りに似た雄叫びなんじゃないかなと。
雄叫びはまだ続いている。遠くのほうから返礼のように遠吠えが聞こえ始めた。
今日の狩りは終わり、か
「ッッ!? 艦長、退避してください!!」
「…何?」
ライムが俺のほうに振り向くのが見える。
何があった?そう聞く前に俺は足に違和感を覚えた。
何かに噛みつかれている。無数の牙。大きな口。
ギチギチと作業服代わりに着てきた宇宙服に食い込む。そして俺は引きずられ。
体が大きく浮き上がって、地面に叩きつけられた。
ズダンッ!!
「うっ、お!?」
俺に噛みついて放り投げた犯人と目が合う。一瞬、息をするのも忘れた。
ワニのように長く、大きな口。その毛並みはトラ柄。腕は太く、爪が飛び出ている。
猛獣。肉食。捕食者。
俺の頭に浮かぶ全てのワードが危険生物と認識した。
こいつは、マズい…!これが、ガオパルドンか!!
ガオオオッッ!!
耳をつんざくような咆哮。音圧がビリビリと体に伝わる。
体は全く動かない。悲鳴すらあげれない。恐怖と焦りに支配されるとはこういう事を言う。
ゴフッ、ゴフ…!ガオルルル……
「……ッ!」
「艦長を離してください!!」
ガオッ!!!
ライムが叫ぶも、その声量をかき消す程の大音量でガオパルドンは返答する。
馬鹿め、これは獲物だ。眼の前で弱った獲物を逃すなどあるものか、と。
言葉は交わせなくてもわかる。意思を感じる。獲物とは俺だ。
「ケン!!伏せろ!!」
とっくに地面に倒れて動けない俺の頭上を、猛スピードの槍が飛ぶ。
カルビーにすら刺さる、死の刺突。そんな必殺の一撃を、ガオパルドンはあっさりと大きな前足で叩き落とした。
ゴルルッ!!ガオロロッッ!!
「がるるる!!ぎゃう!わうがう!!!」
キキルパが助けに来てくれたものの、まったく状況が良くなっているとは思えない。
だが、俺の側に居るのは。おそらくこの宇宙で最強の力を持った人類。
「……どうしても、引いてくれませんか?」
ライムがガオパルドンに近づく。
ガロロ…ゴルッ!
「…そうですか」
「何やってる!?ライムだめ!」
キキルパが焦るくらいだ。このガオパルドンはかなり強いのだろう。
何せ、槍すら効かないのだ。武器を持ってしても通用しないのに素手で挑むなど自暴自棄。
だがライムには当てはまらない。
「艦長にはこれ以上、牙一本触れさせません!本気で行きます!!!」
ライムがガオパルドンの元へ一気に距離を詰める。
ライムはスカートをひらりとなびかせながら、蹴りを。
すかさず合わせて相手からはカウンターの前足が飛んでくる。
ドズン!!
ガオパルドンは大きく体制を崩した。
その蹴りの威力はミサイル所ではない。衝撃音で地面が揺れる程の破壊力。
ライムは更に追撃で足を振り上げる。
ズンッ!ズドォッ…ドカァン!!
振り下ろした足がガオパルドンの頭やら腕に深く食い込む。
なんとか躱したとしても、その場の地面は抉れて土を巻き上げクレーターが出来上がる。
その戦闘は一方的だった。もう滅多打ち。ガオパルドンに同情したくなってくる。
さすがのキキルパも何だあれは…と顔を歪めてドン引きしている。他の子もうわぁ…って顔で見てる。
「…まだやりますか?」
グルッ…ガオ…
一瞬で勝負はついてしまった。どう見ても満身創痍って感じのガオパルドン。
だが、まだ戦意は挫けてないらしい。よろよろと立ち上がろうとしたその瞬間。
ガオオオッ!!!
別のガオパルドンが急に茂みから現れて。ボコボコにされたほうのガオパルドンを踏みつけた。
ただでさえライムにボコられて弱ってるのに、もみくちゃにされて完全に制圧されてしまう。
「???」
急な第三者の登場。
仲間を襲われて助けに来たのかと思えばそうでもない。最初のガオパルドンぼろぼろ。
なんなのこれ。キキルパ達もポカーンだ。
「あなたがこの子の母親ですか!?もう、駄目ですよ!ちゃんと面倒みてないと!!」
ゴルルル…
「謝って済む話じゃありません!!まったく、私の艦長が死んじゃったらどうするんですか!?困るんですよこういうの!!」
ガオン…ガフガフ
「えぇそうです!今度からお肉が欲しいならちゃんと分けてって本人に言わせてください!ぷんぷん!」
……え?ライムさん誰と話してんの?
もしかして、ガオパルドン語とか理解るんすか?
「……艦長、ご無事ですか?バイタルチェックを…」
「いてて…助かったよライム…さっきのは、うぐっ!?」
「いけません、足が折れてますね。衝撃を吸収しきれませんでしたか」
ライムが念じると、宇宙服がギュッと閉まって俺の足を固定した。
添え木というかギプス代わりになったようだ。
「擦り傷もあちこち……申し訳ありません艦長。お守りしきれませんでした…」
「馬鹿言うな十分だ。本当に助かったよ、ありがとうなライム」
「うぅ~!きゃぷてぇん~!死ななくて良かったぁ~~~」
じわっと涙を浮かべてギュッとライムが抱きついてきた。
もしかして怖いの我慢してたのかな。よしよし…
「ほらそんなに泣くな、俺は生きてる」
「えうぅ~!!」
ギュウゥーーーッ
「……うんうん抱きしめてくるのはいいけど弱めになぁ!?ちょ!折れ、る!」
気持ちは十分伝わったんで離れてください。トドメ刺される。今度こそ死ぬ。
「ケン痛いか?立てる?」
「あ、あぁ…キキルパもサンキューな。なんとかなるが…ところであのガオパルドンはどうする」
「……ガオパルドン賢い。いつもなら肉あげれば帰る。でもあいつ、ケン食べようとした…!」
がるるる…とキキルパはまだ怒っているようだ。
「さっき見ただろ、ライムが十分叱ってくれたよ。少しでいいからカルビーを分けてやってくれないか」
「でもぉ…」
「また襲われるよりはマシだ。友達とは言わなくても、知り合いくらいにはなれたほうが良いだろ?」
「…わかった。ちょっとだけだぞ」
ガオパルドンの親子?は、キキルパたちからカルビーの足を分けて貰い、森の奥へ去っていった。
村への帰り道、ライムに肩を貸してもらいながら色々話を聞いてみると。
ガオパルドンは普段襲ってくることは滅多にないそうで。
出くわしても獲物を分けたり、余った骨を上げれば大人しく帰るのだという。
だから今日は本当にイレギュラー。跳ねっ返りのオラオラ系な若い個体に、俺は狩りの練習台にされちまったようだ。
う~ん、ハードラックとダンスっちまった一日だったね!…漏らさなくて良かった。
それよりも歩くのが本当に辛い。痛いし苦しいし。
「艦長、もう少しがんばってくださいね」
「はぁっ、はぁ…思い通りに、歩けないって、不便だな…船までこんなに遠いとはっ…」
痛みもあるが、血の気が引いちまってる。呼吸もなんだか難しい。
早く船に戻って横になってナノマシンを打ち込まないと。
いや、狩りに同行するなら医療キットを携帯すべきだった。つくづく抜けているな俺は。
とにかく船へ…
「ふたりそっち違う。族長の家行くぞ」
「いえ、先に船のほうで治療をしたいのですが…」
「? そんなの族長なら治せる」
俺とライムはちょっと意味がわからずに顔を見合わせる。
とりあえずミユシスの家で一休みしよう…。
・・・
「これはまた派手にやったのぉ…」
ミユシスはぺたぺたと俺の足に薬草を貼っていく。
うーん、ライムは骨折と診断したが…こんな葉っぱ効くのか?
痛みと熱はちょっと和らいでる気がするけど…。
「ふむ、こんなものかの。よし…」
ミユシスは棒に葉っぱが沢山着いたものを持って、俺の頭の上で振り回す。
にゃむにゃむ何かを念じながら。
「…ミキュ?」
「ライム?どうした」
「いえ、なんだか……これは、テレパス?」
ライムは頻りに耳を動かしている。おいおいまたガオパルドンでも出たか?もう勘弁して。
だが、そうではないらしい。ライムも困惑している。
そしてそれ以上の困惑が俺を襲った。
折れた患部。足が熱い。痛みがどんどん引いていく……。
「…神よ、この者を癒やし給う…かしこみかしこみにゃむにゃむ」
俺は足を擦る。全然痛くない。
膝を曲げてみる。さっぱり違和感が無い…。
「これ、まだ動かすでない。一晩は様子見じゃ」
「…何これ?どゆこと!!??」
「何って治したんじゃよ。この程度なら神に祈ればすぐ治るわい」
「…?????」
何だろう。意味不明な事言うのやめてもらっていいですか。
ライムもなんだか目がぐるぐるしてポカーンとしている…うん、俺達には理解不能だ。
「何?マジで何なの?この薬そんなやべー効果あんのか?副作用でゾンビになったりとかしないだろうな」
「薬は普通じゃよ、痛み止めじゃ。癒やしの祈りで治ったに決まっておろう」
「癒やしの祈りって???」
「セン族に伝わる秘術での。説明難しいんじゃが、こう…良い感じに患部へ祈るのじゃ」
「いいかんじに」
「うむ。すると神が手助けしてくれての?元気になるというわけじゃ」
「さっぱりわからんぞ」
「じゃから説明難しいといっておろう!とにかく治るのじゃ!」
ふーん。なんにもわかんない。
でもこれでミユシスが普段崇められてる理由は解ったわ。族長マジパネェっす。
◯ガオパルドン
体長4m 体重600kg
ケモミミα最大の捕食者。大きなノコギリ状の牙と、長く鋭い爪を持つ大型肉食哺乳類。
地球におけるライオンやトラのような体躯に、異様な長さの頭長が特徴。
噛む力は非常に強く、カルビーの硬い皮膚にも傷が残るほど。
原住民が狩った獲物を横取りしようと伏せている場合が多く、奪い合いになれば双方致命傷を負う場合がある。
大人のガオパルドンは賢い為、獲物の一部を貰えさえすればこちらに仕掛けては来る事はほぼない。
しかし無知な若い個体は容赦なく襲ってくる場合も。最大の警戒が必要。
◯医療ナノマシン
人類歴2240年頃の汎用治療ユニット。
注射器で人体に直接投与し、ハンドスキャナーでサーチされた患部の修復を行う。
広範囲に長期治療したい場合は錠剤カプセルタイプの物もあるが、骨折等の緊急性が高い事案には直接投与が望ましい。ナノマシンを投与した場合、骨折程度なら3日あれば完全修復可能。