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正義の女義賊アマネ

「なんでわからないんだ!!」

「っつ…!」

女の首に手をかけた男は泣きながらそう叫ぶ


「こんなに愛してるのに!アマリネス!どうしようもない僕を君だけは受け止めてくれたのだろう?それは嘘だったのか!!」


「うっ…」

男に首を絞められた女はうめきなんとかこの手を解かせようと男の手を引っ掻いていた


「君が君が君が僕を否定するなんて許さない!さあさあさあ!首を縦に振るんだ!…いい子だからね?」


手は緩めないのに表情は優しく微笑んでみせる男を女は睨みつけ首を横に振った


「なんで…なんでだよ….アマリネス!アマリネス!アマリネス!!」


ギリっ…

男はさらに力をいれる


遠のきそうな意識のなかで女…アマリネスは涙を浮かべた。


自由だった日々を思い出す

自分の意思で好きなことをやり

好きなものを食べて飲んで

仲間たちと笑い合って…


あぁ…もう戻れないのだ…

そう思ったら抵抗する力が失っていった。





時を遡ること3ヶ月前…


「ねえーちゃんありがとう」

「みんなでよくわけるんだよ」


「うん!」

そういうと教会へと向かっていった少年を遠くから見守った後女はその場を去った


肩より少し短い紺色の髪

少し吊り目気味ではあるがぱっちりとしたエメラルド色の瞳

鼻筋は通っており整った顔立ちをしている


「少し渡しすぎたかな?」

腰にある小銭入れをもちあげる


「でも子供の笑顔のためならしかたがないよね!また、稼げばいいし!」

女はぐっと腕を伸ばして伸びをした


「アマネ、」

「ん?キルね」

そんな女…アマネの側に音もなく1人の男が現れる

顔が隠れるほど長い黒髪に黒いフード姿、身長はアマネより頭一つ分大きな男だった。


「次のターゲットの調査終わった。」

そういうと一枚の紙をアマネに渡す


「9ターゲットは隣町の高級住宅街に住むギフネ家だ。表では新たな事業に寄付を行っていて人の良さそうな家だけど実際は事業相手に無理難題を押し付けて潰し、その事業を乗っ取るような奴らみたいだ」


「仕事早いな」

アマネは紙に目を通す

過去の悪事がずらっと並んでいる


「どっかのだれかが売上のほとんどを孤児にあげるからね。仕事は絶えず行わないといけないのさ」

「それはごめん、つい」

「まぁ、俺らが飯が食べれるだけは残してるんだろう?」

「もちろん、自分を犠牲にする様な慈悲はただの馬鹿でしょ?」



そういってアマネは小銭入れをキルに投げる


「…結構渡したな?これじゃあまた、たいしてうまくないハガネ堂の日替わり定食しか食べれないじゃないか」


「それハガネ堂のおばさんにいうよ?」

「やめて」


そんな軽口をたたきながらアマネとキルは一緒に歩き出す



************




月の光だけが辺りを照らす大きなお屋敷


そのお屋敷の高いフェンスから音もなく人が乗り超えて夜道に着地した。


「よっと!今日も大量♪大量♪」


じゃらじゃら…

その人物…アマネは背負ったリュックを揺らし満面の笑みを浮かべて小さくつぶやくと歩き出す


「はぁ…調子にのらない」

そんなアマネの肩には小さなコウモリがすわっている。

それがため息まじりでそういった。


「わかってるよ〜」

「…アマネ、道違うこっち」

「あっ行きすぎた」

「全く…」

そういうとコウモリはアマネの肩から離れパタパタと正しい道の方へ飛んでいきくるりと一回転した

コウモリの周りに黒い渦が発生したかと思うとコウモリは消えて代わりに人間の姿が現れる


「ちょっと道間違えただけでしょ怒んないでよキル」

現れた人間…黒いフード姿のキルはスタスタと道を歩いていく

その後を慌ててアマネは追いかけ横に並んだ


「そんな怒ってないけど…さて、この後すぐに商人に売りつけないと足がつく、急ごう」


「了解!」



アマネとキルは悪どい金持ち、時に貴族の家に忍び込み金銭を奪ったり、時に匿名で悪事について騎士団に情報を流したりして生計を成り立たせている


ターゲットは限定してはいるが数ははいても履いても湧き出てくる程いるので困ることはない。

なぜならこの国の上層部はとてもおわっているのだ。

高額な税金に高額な医療と教育

平民に優しいと言われる人もいるが内情を調べれば出るわ出るわ悪事の数々

騎士団だけは少しはましではあるが強く上層部に出られない現状


そのため2人の仕事はつきることはない。

盗みを働く時は基本は人の気配や先読みが得意でさらに運動神経と反射神経があるアマネが実行担当。

そしてキルは徹底的に相手の情報を調べて作戦を立てかつ、変身魔法が使えるのでアマネとともに忍び込みサポートを行う頭脳担当である。


最初はお互いの連携が噛み合わず、捕まりかけたり、実際捕まったりと危ない場面もあったが今ではうまく連携を取り合いスムーズに盗みにはいれるようになった。


「…お金入ったら肉食べよう肉」

キルはポツリとそう言った。

「賛成!」

アマネも賛同し2人は急足でその場を去っていった。


2人が去った後の屋敷…ギフネ家は翌朝開け離れた金庫や荒らされた部屋を見て主人が悲鳴をあげることになるがそんなこと2人は気にしない


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義賊ね〜
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