side story カンナ編その5 動け、子供たちを守るために。
誤字脱字には気を付けていますが、表現が拙い部分は、そういうものだと思って読んでいただければと思います。
カンナの出身校である子供学校の校庭の上空にソレはいた。
「空飛ぶ系かぁ、ちょい面倒ね。」
カミルレがやつを見つけて嫌そうな顔をする。4枚のギザギザの羽を羽ばたかせて、くるくると回り続ける悪魔を確認し、レツが言い放つ。
「とりあえずは子供たちの安全確保が優先だ。イアンとフクシアで避難路を、アスカとカンナでやつの動きを封じておいてくれ。それ以外の人で外に出ている人たち全員を校舎内へ入るように促す。」
「了解。」
早速司令塔が指示を出す。
「校長先生に連絡入れておきます。」
「ああ、頼む。」
アルメリアがソル・ボスで悪魔の出現を報告する。
抑制魔法、プレスィオン・アビタスィオン。(圧力の部屋)
防衛魔法、ティエラ・パレー。(大地の壁)
道が確保されている間に、外に出ている人たちに校舎の中へ入るように促す。もちろん、大人もだ。
「お父さん!」
「カンナ!どうしてここに・・。まだ、魔法警察すら呼べてないのに。」
「いいからとにかく全員校舎の中に!危ないから!悪魔は私たちでやるから。」
「そうか、わかった!」
子供学校で教員をしているというカンナのお父さんの協力もあり、避難はスムーズに進む。そして最後に、ついてきていたダンくんとおじいさんも入る。ちなみに、おじいさんは頑なに入ろうとしなかったが、アルメリアの笑顔の威圧にやられて入っていった。
アルメリアはそのまま上の階の教室まで行くように二人を誘導する。そして、教室に着くなり二人を不思議なキューブの中へと閉じ込めてしまった。
防衛魔法、コルティナ・エンヴォルベール、クーボ。(カーテンで包む、サイコロ型)
「君!何をする!」
「すみません。手を出せないようにしてほしいと、カンナさんに言われていますので。」
それだけ言って足早に外に戻ると、悪魔を包み込んでいた風圧の壁がちょうどなくなったところだった。
「レツ!さっきアイツ水鉄砲みたいなの吹いてたから、多分あたしらの攻撃は効かないと思う。」
「了解。なら、水属性で火耐性の可能性が高いな。」
カミルレが叫んで、レツが分析する。
「アスカ、カンナ、前線頼む。援護するから。」
「いいけど、あのスピード何とかならないかな。」
カインが指示を飛ばすが、カンナが躊躇する。
「俺がやる。フクシアも手伝え。」
「わかった。リリー、私、飛ぶ。」
「了解。」
イアンが手を挙げたので、フクシアも乗っかる。
特殊魔法、ハポネス・アサル、鳥。(日本語を焼く、”鳥”)
空中に書いた”鳥”の漢字を焼いて、鳥に変身したアマリリスが、足でフクシアを掴んで飛び立つ。
抑制魔法、ピエ・ブロケオ。(足を施錠)
悪魔の足元にいくつも枷を取り付ける。バランスを崩した悪魔が校舎の方へよろける。
防衛魔法、エスペホ・コルティナ。(鏡のカーテン)
悪魔は、アルメリアが作った見えない壁に激突してよろけるが、すぐに態勢を立て直し、空へ飛んでいく。しかし、枷の効果は出ているようで、スピードは先ほどよりもぐんと落ちている。
「よし、今だ。」
強化魔法、ピエ・ラピド。(足を早く)
カインが風組に強化魔法をかける。
「これでアイツよりも早く動けるはずだ。」
「助かる。後は任せろ。」
アスカが気合を入れ直す。
レツがふと玄関の方を見ると、興味津々の子供が何人か出てこようとしていた。
「ジャン!子供たちを止めてくれ。もちろん、力は使うなよ。」
「了解。」
「私も手伝います。」
アルメリアと二人で子供たちを制止している間に、悪魔が竹林の方へ向かって飛んでいった。
「私が二人とここに残るよ。」
カミルレが手をヒラヒラさせて言う。
「ああ、ここを頼む。よし、追いかけるぞ!」
レツが叫ぶ。
「了解。」
皆が悪魔の方へ飛んでいった後で、カンナのお父さんが玄関まできた。どうやら外に出ようとした子たちを連れ戻しに来てくれたらしい。
「カンナと一緒にいたってことは、君たちはもしかしてヘールボップの?」
「はい。特待科1年、討伐隊補佐です。」
カミルレが敬礼をしながら元気に答える。
「へぇ。」
このプロイ・オニラ州や王都プラシノス・オケアノスなどでは、”ヘールボップの学生討伐隊”はかなり知られていて、中には魔法警察よりも頼れる存在だと思っている人もいるほどだ。
「それで、子供たちにケガは。」
「大丈夫。君たちがすぐに来てくれたおかげで、みんな無事だよ。」
「良かったです。」
アルメリアがホッと胸を撫でおろす。
「でも、中には怖くて震えている子もいるのは事実だ。」
「近くまで来ちゃったからね、悪魔。」
ジャンが思い出す。
「あの、子供たちと話をしても構いませんか。」
「ああ、ぜひ。」
「ありがとうございます。」
カミルレが確認すると、カンナのお父さんはにっこり微笑んだ。
「魔法警察は呼んだ方がいいかい?」
「いえ、大丈夫です。私たちで成仏させますので。あとで、報告だけお願いします。」
「わかった。ありがとう、みんな。」
ジャンに見張りをさせて、女の子二人で中に入っていく。
「あの竹林てカンナの家の横のか。」
「うん。結構広いでしょ。」
追いかけてる組がそんな会話をする。カンナの家は竹林に阻まれて学校からは見えないが、逆に言えば竹林はよく見えるのだ。
「出来れば、あの竹林には傷をつけたくないな。」
「カイン、防衛魔法で護れるか。」
「・・多分。」
カンナの言葉を汲み取ってレツがそんなことを提案するが、何せこの広さだ。特待科とは言えまだ学生の、それも一人なので、カインが足踏みをする。
「行かないように、俺らで誘導すりゃいいだろ。で、行きそうになったら、カインが守る。それならいけるだろ。」
「土壁、瞬時創造、余裕。」
「わかった。頼む。」
イアンとフクシアがカインを後押しする。
さあ、成仏してもらおうか。
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