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このコンビ、帰り道若干雨模様。

作者: 誤字はステータス

数多の小説の中から「このコンビ、帰り道若干雨模様」を選んで頂きありがとうございます。初投稿、作品を書きました。誤字はステータスです。

この作品は少しダークよりで苦手な人が居るかもしれませんが自分の丈を詰め込んだ作品の一つです。最後まで読んで頂けると嬉しいです。

「あの…。ゲホゲホ…。タバコやめてもらっていいですか?」

雨の中公園の屋根があるベンチで雨宿りをしている時、時雨からそう言われる。

「え?ダメだったか?」

(てか…。こいつ喋るのかよ…。)

一緒に仕事を初めて1週間ぐらい。こいつが喋っているのを見るのは初めてだ…。それにこいつと組んでから事務に帰る時いつも雨でここで雨宿りしてるよな。

俺はびっくりしたが質問を投げたが冷たく返される。

「はい。私喘息持ちで未成年なんですが…。」

「あ…。悪い。」

俺はタバコの火を消しいつも持ち歩いてるペットボトル灰皿に捨てる。

「それなら良いです。」

すると時雨はまた空を見上げる。

こいつ無愛想な女やな…。まぁ俺が悪いが。まぁ機嫌取りも大事だよな。今後ペアとして仕事をしてしてくんだし。

「お詫びと言ってなんだが仕事終わり飯奢るよ。」

すると時雨は俺の方を見てきて笑顔で、

「あ!頂きます!」

こいつ…。急に笑顔作りやがって…。

俺はそのことに対して言及しようと思ったが諦める。

「その代わりにタバコ吸っていいか?」

俺は少しの願いを想いにかけた。

「ここでならいいですよ…。ご飯食べてる時はダメです。」

こいつ…。

「ダメかぁ〜。んじゃここで。」

俺は胸ポケットからタバコを取り出し火を付け咥える。

フゥーー…。

俺は少しの間浸るのである。





__またいつか__

時雨との仕事帰り、また雨が降る。雨も降らない日があるがやっぱりこいつといると雨が多い。

俺らはいつもの公園の屋根が付いているベンチで雨宿りをする。

「…。」ガサガサ。

俺は胸元からタバコを探し当てタバコに咥え火を付ける。

フゥーー…。

「あれ?お前確かタバコ嫌いじゃなかったけ?」

「まぁ1年あなたと行動を共にしていたらタバコの煙なんて慣れますよ。」

時雨は1年前と比べて話すようになった。雨降った時毎回飯を奢ってるせいで懐はカツカツだ…。

「お腹すきましたね。」

出た…。いつもの食堂奢ってくださいアピール。こいつ1年と比べて愛想も良くなってる。手馴れてるなぁ。

「そうか。なら奢るよ。」

「本当ですか!?」

またこいつは嬉しそうに…。

「どこ行きたい?」

「なら食堂行きましょうか。ハンバーグの美味しい。」

「お!良いね。喫煙のところだな!」

「禁煙のところですよ…。あなたそこの常連ですよね!?」

俺の変な返しに時雨はため息を着く。




行き慣れてる禁煙の食堂

「お前最近どうだ?仕事の方は慣れたか?」

俺は食堂の席に付き早々に質問を振る。

時雨はびっくりをしていたが冷静に答える。

「…。いや。1年経ちましたが何も変わらない仕事に飽き飽きしています。」

時雨は溜息をする。

「そうか。なら辞めるのはどうだ?お前みたいな優秀なやつはデスクワークでも十分周りの役に立つし良い役職まで行けると思うぞ。」

「それの根拠は?」

「1年間お前を見て思った。」

再度深い溜息をする時雨。

「辞めませんね。こんな給料が良くて休みもしっかりある。こんないい仕事辞める気は無いですね。」

俺はメニューに目を通し、メニューを決めメニューを渡し話す。

「死ぬリスクがあるとしても?」

少し空気がひりつく。

「はい。…。」

時雨はメニューを俺の手から取りメニューを開ける。俺はそれを無視し話をする。

「明日には同僚や俺、もしかしたら今後できる後輩、お前も死ぬ可能性があるんだぞ。それでもか?メンタルは持つのか?それにこの仕事をしてて長続きしてる奴は知らない。」

メニューを机に置き時雨は話す。

「あなたはどうなんですか?実際あなたは仕事を初めて15年今年で35歳になるあなたは言えるんですか?」あ!店員さん。

時雨は店員さんを呼びメニューを話す。

「…。ハンバーグ定食で。」

「んじゃ俺も。」

「わかりましたー!ハンバーグ定食2個ですね!少々お待ち下さい!」

俺は1呼吸を起き水を飲む。俺は咄嗟に時雨に言われたことを思い出す。

「あ…。さっきの質問なんだが。」

「でどうなんでしょうか?」

「確かに俺はお前が言うように15年仕事をしている。後輩も死んで同僚も死んで、上司も死んで自分も死にかけた。それで辞めたら死んだ時先に死んでった仲間達に申し訳が立たない。」

(臭い理由ですね。)

「それに。」

「?」

「俺は守りたいものがあるから仕事をしている。」

「守りたいもの?なんですか?」

「今は隣町に住んでる俺の元奥さんと子供達だ。」

「…!バツ1なんですか!?初めて聞きました。」

俺は呆れた。いや。こいつこんな風だったか?前はもっと無愛想って言うか…。変わったな。

「バツ1なんて酷いな!」

「で!どうして離婚されたんですか?」

こいつガンガンと…!

「ついさっきも言ったけど、この仕事はいつ死ぬか分からないのが本音だ。仕事中に死んでしまったら奥さんや子供にもうしわけない。それにこの仕事は変なやつからも恨み買うし。俺の同僚なんか恨み買って殺されてるし。それも含めて別れた。」

時雨は少し真剣な顔をしていた。

「野暮な質問かもしれませんが…。今でも愛していますか?」

俺は自信満々に答える。

「ああ。今でもご飯行くし、今でも愛してる。」

「…。変な質問をしてしまいました。」

時雨は会釈をする。

「お前も早くいい男見つけろよー!」

「飛んだ厄介上司ですね。私は男を作る気はありません…。」

そう俺の戯言に時雨はため息を着く。




とある日

今日は久しぶりに時雨と仕事だ。最近俺の仕事の量は減った。上の役職についたからなのかね。そのせいか時雨とはコンビを組むことは少なくなった。時雨の方はバリバリ仕事をしていて後輩も着いて指導に当たるほど…。それに時雨の性格はほんの少しだけ変わったのか…?そして仕事帰りの雨も変わらず。いつもの公園にいる。

「うげ…。また雨かよ。」

すると時雨が胸ポケットを漁る。ハンカチでも取って拭くのかな?

すると胸ポケットからタバコを取り出した。

「お。お前もついにタバコデビューか?」

「あ…。はい。」かち!しゅーー。フゥーー。ゲホゲホ!

「なんで喘息持ちのお前がタバコ吸ってんだよ。」

「喘息持ちとはいえこの仕事…。それに思い出したくない出来事もいっぱいありました。タバコ吸って発散しないとやってないとやってられませんから。」ゲホゲホ。

「・・・・。」

俺は少し時雨の咳に苦笑いをして話し出す。

「お!やっと気づいたか。2年目にしてこの仕事の大変さに。けどな。喘息にはタバコは毒にしかならないぞ~。」

俺はタバコを胸ポケットから取り出し火をつけようとするが。

「これ使ってください。」

時雨が火を差し出してくれた。

「ありがとう。」

俺は時雨の火でタバコを付ける。

「お前最近武器ナイフから拳銃に変えたそうだな。」

タバコを口から外し話す。

「えぇ。あのナイフの刺したあの感触。もう嫌です。」ゲホゲホ!

「…。」

「なんですか?」

「タバコ辞めたら?」

タバコに視線をやり目を瞑り上を向く。

「…。そうですね。」

俺はタバコを灰皿に捨てる。

「…。お前お腹すいてないか?」

「ご飯ですか?」

飯で反応するなぁ…。俺はいつもの。

「奢るよ。それに後輩のことで相談したい事もあるだろ?どこがいい?」

時雨はタバコを灰皿に捨てる。

「…。」

少し上を向き考え、

「喫煙ができるところ。」

「お!いいね!」




またいつかの日。

「…。スゥー。」

時雨はタバコは吸う。

一緒に仕事したが帰り雨が降っていない。けどいつもの公園にいる。

「・・・。お前タバコ変えたか?匂いが甘いぞ。」

すると時雨はタバコを灰皿に捨てる。

「はい。変えてみました。これだと前の嫌な事を忘れられるんで。」

またタバコを取り出し吸う。

「嫌な事?相談乗るぞ?」(まぁだいたい予想はできるが…。)

すると時雨は首を横に振る。

「いいえ。結構です。2年近く仕事してたらひとつやふたつ…。まぁ…。できますね。相談事がある時は私から誘いますので…。」スゥー。はぁー。

「そうか。お前も立派なヤニカスだな!」

「…。あなたほどではないですよ。」

俺はタバコを灰皿に捨ていつもの誘い方をする。

「ところでさ。飯食いに行くんだがどうだ?奢るぞ。」

すると時雨は…。首を横に2、3回振り。

「あ。すみません。まだ仕事が残っていて…。」

「そうか…。」

「…。」

「最近働きすぎだぞ。しっかり休む事も大事だぞ。この仕事はいつ命を落とすのか分からない仕事だ。疲れからの判断ミスで死んだやつもいる。しっかり休めよ。それにお前の後輩も!」

俺は言い切っていいのか迷った。上司としてこいつを止めるべきなのか。

「…。はい。ありがとうございます。気おつけます。」

俺は言いたい気持ちをグッと抑える。

「そうか。あんまり考えすぎんなよ。」

「…。ありがとうございます…。では私は一足先に帰っています。また明日もよろしくお願いします。」

「おう!」

そう言って時雨は先に会社に戻る。

…。俺も一服してから行くか…。

3ヶ月後。

朝5時。鳴り止まない携帯の着信。俺はそれを目覚まし時計の代わりにベットから起き上がる。電話に出て言われた事に耳を疑う。

「それって…本当か…?もう1回聞きたい。」

俺は耳を疑った。

”えぇ。時雨よ。時雨が仕事の帰り途中に魔物の襲撃を受けて死んだと見れるわ”

「…。嘘だろ。あいつだぞ。あいつが魔物ごときに…。」

”死体の方は無惨になっていたが持ち物でわかったわ。証明書に…。拳銃と甘いタバコよ。”

「…!そうか。」

俺は深呼吸。すると電話のやつが言ってくる。

”あなたは本当に運が無い。あなたの下はみんな死んで行きますね。だからいつも転職を進めるんですね。”

「そうだ…。」

”けどあなたの下に着く子はみんな正義強い子かお金とかそうゆう利益をとる子が下に来る。大変ですね。”

俺は再度深呼吸をし、

「もういいか?」

”…。わかったわ。ごめんね。少し嫌な気持ちにさせちゃったかしら。”

「あぁ。いつもの事だ。朝からありがとう。」

”えぇ。”

俺はタバコを持ちベランダに出る。外はまだ寝ている。起きてるやつはちらほらあるが…。

俺はタバコを取り出し火を付ける。

「また俺が見送るのかよ…。」

朝8時俺はすぐに会社に行き時雨が死んだ手続きをする。

とある日の帰り道。

俺は1人ぶらぶらと事務所へと帰路を辿る。

(…。終わった。なんやかんやあいつとは…。3年とは言え長い付き合いだったな。書類もまとめた。あいつの両親にも挨拶に行った。)

それに。

”上司ながら時雨さんの事を守れなくてすみませんでした。”と。

「我ながら良い言い訳だよ。これで何回目だよ。」

俺は自分を鼻で笑う。

(確かに親御さんは納得してくれてる風だったが、実際なんて思ってるか分からない。今の自分が何を思ってるのかも分からない。自分の気持ち乗る奥底が理解できてない奴が他人の奥底の気持ちを読み解こうなんて無理なんだ。それに娘さんを…。)

夕日とともに気持ちが落ちていくのが何となくわかる。まぁいつもの事だ。俺は割り切る!わりきる。わり…きる。わ…。

ぽつ。ぽつ。

「・・・・。雨か。」

俺は雨宿りをしようと早歩きになる。

段々と雨が強くなっていき俺は走り出しいつもの公園に着いてしまった…。当分来たくなかったが…。

「…。仕方ないか…。」

あんまりここに来たくなかったが仕方ない…。

俺はいつもの場所で雨宿りをする。

俺は胸ポケットにあるタバコを漁るが…。

「あれ?タバコが無い。」

すると隣から聞きなれた声が聞こえてきた。

”甘いのですがどうですか?”

「…。いただこうかな…。」

俺は声のする方を向く…。

「・・・・。幻聴か…。」

俺は空を見上げる。

「…。飯食いに行くか。」

俺は1人で喫煙ができるいつもの食堂に向かう…。




とある日の相談

じゅーーー。

今日は食堂ではなく少し高めの焼肉に来ている。そして珍しいことに今日は時雨の方から誘ってきた。今日は時雨の奢りらしい。

「あ?後輩との関わり方?」

…。俺は耳を疑った。こいつもそんなことを考えるんだな…。俺は少し笑いを堪える。

「笑わないで下さいよ! 」

「いや…。ごめんごめん。時雨がそんな事を考えるなんてなんてな。」(こいつも変わろうとしてるんだな…。)

じゅーー。

「あ…。焦げちゃいますよ…。」

すると時雨は皿にもそってくれる。

「ありがとう。」

俺は箸を持ち食べ始める。

「美味しいな。」

「そりゃ…。この辺りでは1番美味しい所を予約取りましたからね。」

俺は食べ終わると箸を起きはなし

「で…。どうしたら後輩といい関わり方が出来るか?」

「はい。教えて欲しいです。」

俺は少し考えた。出てくるのはこれしかないよなぁ…。

「俺がお前にやっているふうにお前もやってやればいいさ…。」

「・・・。・・・?・・・。」

時雨はなにか考えて険しい顔をしていたがなにか結論が出たのか少し笑う。

「あなたみたいに私もご飯奢ってみます。」

俺は嬉しそうに答える。

「そうか!」

久しぶり笑ったような気がする。

俺は胸元のポケットにあるタバコを探す。

「あれ?タバコがない…。」

”甘い…ですけ…。”

――――――――――

――――――――

―――ーー

―――

――

ぴぴぴ。

「…。夢か。」

時計のアラームがなる。朝6時半…。窓を見る。冬の早い朝は暗い。

(・・・。起きるか…。)

俺はベットから起き上がる。

俺はベットを出て、机の上にあるタバコを取りベランダに出る。

ガラガラ…。

「はぁー…。」カチッ!ぼっ!スゥーーー…。フゥーーー…。はぁー。

「・・・・・。」

「覚めないで欲しかったな。夢なら…。」

俺は下を向き目を瞑る。

最後まで読んでいただきありがとうございました。ダークよりでしたがどうだったでしょうか?感想等を書いてくれると嬉しいです。また定期的に作品をあげていきます。再度になりますが読んで頂きありがとうございました。

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