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第9話

ちょっと流血表現があります。気になる方は戻ってくださいね。

タランドール男爵家は王都の中心から北に外れた地域にあった。ややさびれた雰囲気の屋敷が多く、事実、使われていない建物が結構あるらしい。

だからだろう、こういった状態なのに、騒ぎが広がっていないのは。


「こ、これって・・・」


「すごいだろ。何もなくったって警戒したくなるぜ、これは」


聞いていた通り、屋敷を囲む鉄柵の内側に、ドロリと澱む濃い闇がある。屋敷の一階部分までが沈殿していて、そこからは徐々に薄れているが、『日を追うごとに上へあがって行ってるんだよ』とメンバーが教えてくれた。


その闇の中に魔獣らしき影がうごめいている。見ている分には何もしないが、門扉から入ろうとすると敵意を向けてくるらしい。門番代わりかもしれない。



「ここから先はオレたちでも進めない。あの闇が払えないんだ。10日前は何とか中には入れた。けど、そのすぐあとから、玄関までもたどり着けなくなってる。正直、中の様子がわからなくて・・・」



「よし、探ってみよう。ミルフィル頼む」


アタシはシエラと一緒にミルフィルを振り返った。途中から何やら術を練っていたが、ここにきて完成させたようだ。杖の先端に光がともり、一直線に門へと突き刺さった。


だが、それは期待通りの効果を発揮することなく消え去った。



「やっぱりね。かなり強力な結界が発動してる。それも、構築そのものが異質ね」


「リアの言ってた通り、てことだな」


この状況には驚いたが、予想もしていたためアタシは袋から魔法石を出した。


普通なら青色に輝くそれは、虹色の不思議な光を放っている。


「お嬢、それ何だ?見たことない石だが」


「これなら突破できると、思う。シエラ、ミルフィル。用意はいい?」


「ああ、大丈夫だ」


「いつでもいいわよ」



頷いて、虹色の魔法石を門にたたきつけた。途端、音のない爆風が駆け抜けて門が開き、闇の中に空洞ができた。その先にあるのは、屋敷の玄関だ!


「いくよっ!」「よぉっし、蹴散らすぞ!」「通路の確保はまかせて!」



3人同時に走り出し、玄関を目指す。シエラの大剣が唸り、とびかかってくる魔獣を切り捨てる。アタシの魔法が飛び、玄関の上で明かりの代わりとなる。ミルフィルが通路を空気の壁で保護しつつ、闇の浸潤を防いでくれている。そのまま一気に玄関を蹴破る勢いで突進して、ホールに飛び込んだ。



屋敷の中は薄暗かった。通常なら魔力による光源が配置されているはずなのに、半分くらいは切れているせいで闇がないのに手元がおぼつかない。急いで魔力の補充をして視界を確保する。


明るくなったホールの惨状があらわになった。



「うわぁ・・・」


「何これ、どうなったの?」


「・・・ひどいな」



使用人と思しき男女数人があちこちに倒れている。そのどれもが何らかの武器を手にし、自らも傷を負っていた。身なりから執事やメイドたち、つまり貴族の身近に使える者であることがうかがえた。



そこへ、後を追ってきたドルシェたちがやってくる。


「おうっ、成功したな・・・とと、なんだ、この状況はぁ!」


「なんだか、お互いに殺しあったような感じにみえるが」


「これだと、残っていた使用人のほぼ全員がここに集まっている勘定だな」


「よし、とりあえず運び出そう。おい、手伝え」


『ガルガンチュア』のメンバーが動き出すのを横目で見ながら、アタシは男爵の姿を探していた。ここに居ないのなら、どこに?そう、執務室か居室、そのどちらかだ。



「ドルシェ、アタシたちは2階に行くよ。お願い」


「わかった。気をつけろよ」


ホールから繋がる階段を駆け上がる。奥に伸びる廊下へ明かり代わりの魔法を打ち込み、面した扉を次々に開け放って行った。三つ目の扉を開けた時、中から悲鳴交じりの泣き声が聞こえた。


書いてるうちに思いました。これ、勇者の討ち入りに近い・・・(笑)

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