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破国の召喚神   作者: 松本 豊
15/28

〜召喚神〜


3城で突如起こった ネロの軍 対 ヴェンの部隊 は多くの犠牲を出し終結した。


ーーーヴェン、ハル、レオン ドワーフの城ーーーーーーーーーーーーー


レオンはサラマンダーにこれまでの経緯を話している


サラマンダー(じゃあ、君たちはその夢を叶える為に3城に出向き、そこでさっきのの裏切りにあって、この悲劇は生まれちゃったんだね)


レオン「そうなんです。あなたが助けてくれなければ、僕たちみんな死んでいたかも知れません。」


サラマンダー(、、君が私を呼んだんだよ。でも、それはとっても偶然の事で、本当に幸運だった。)


レオン「え?それはどういう、、」


サラマンダー(君の力では本来私を呼び出すなんて出来ないんだ。奇能石の色を見るに、緑色、つまり君はまだ魔力のレベルが"1"の段階と言う事)


レオン「レベル?一体なんの話なの?」


サラマンダー(奇能石には基本的に3段階レベルがあって、そのレベルが上がるにつれて魔力が大きく上昇するの。でもその色が変わるタイミングは大きく個人差があって、特に3段階目の赤色には何がきっかけで引き上がるかは分からない。ちなみに、仮に3段階目の赤色になっていたとしても、私たち精霊クラスは呼び出せない。)


レオン「じゃあ、今回はどうして?」


サラマンダー(実は奇能石にはもう一つ上の段階があるの。もし特別な素質を持ち虹色を発動するものが現れればそのものはもはや"神"の力を有する者となる。あなたはとても綺麗で純粋な気持ちで必死に仲間を助けたいと願った。今回はおそらくその力が一時的にあなたをその領域まで押し上げた。)


レオン「僕が、、そんな力を、、?」

レオンは自分に神レベルの素質が宿っている事は信じられなかったが、あの時皆を自分の力で助けたいと思った気持ちは偽りない本心だった。


サラマンダー(私は大昔に君と同じ"召喚"の能力を持った人間と共に戦った事がある。その者の名は「ヘルツォーク」。召喚神と呼ばれ、かつての対戦で全ての生き物を束ねた者。彼がいなければネロを封じ込めることは確実に出来なかったわ。)


レオンはヴェンからヘルツォークの名前を聞いた事があった。古の大戦を終結に導いた英雄だと。


サラマンダー(そして今、ネロは復活し、それに呼応するように君のような召喚神の力を有する者まで再び現れた。これは新たな大戦の始まりかも知れない。)


ハルからの治療を受けた終えたヴェンが口を開く。

驚く事に切り落とされた腕はハルの能力で元どおりに治っていた。


ヴェン「レオン一体なんの話をしていたんだ?」


レオン「ヴェン!ハル!無事なんだね、、良かった!実は、、これから、、、」

話の途中でレオンは突如気を失ってしまった。


ヴェン「おい!レオン!!大丈夫か!?」


気を失ったレオンをサラマンダーが抱きかかえ、ヴェン達に話しかける。


サラマンダー(こんな少年がいきなり神クラスの力を使ったんだ。こうなって無理もないよ。でも、呼び出した召喚士の力量と比例する私達の能力は今のこの子の力では十分に力を使えないんだ。それでこの子を少し預からせてくれないかな?会わせたい人がいるんだ。)


ヴェン・ハル「、、、、、、、?」

2人はサラマンダーが何かを伝えている事は分かったが、理解する事が出来なかった。


サラマンダー(、、、あっ、聞こえてない?)


そのままサラマンダーは上空へ飛び立った。


ヴェン「あ!おい!レオン!!」

ヴェンは必死に手を伸ばし叫ぶ。


サラマンダー(大丈夫。修行した後は君たちの元にちゃんと戻ってくるよ。それまで君たちも力を蓄えておくんだ。特にヴェンと呼ばれる子。君は修行に連れていけないけど、早まったら駄目だよ。ネロの言うとおり君が"デイダラボッチ"の力を扱える者なのであれば、君もいずれ終戦の為の大切な"鍵"となる。)


サラマンダー(、、、では行こう。会うのは久しぶりだね、"クロノス")」


ヴェンとハルは飛び立ってしまった2人を呆然と眺めていた。

直後、ハルはやるべき大切な事を思い出した。


ハル「ヴェン!他のみんなは!!」


その言葉にヴェンは我に帰った。


「行くぞ!」


2人はまず魔女の城に向け、急いで駆け出した。


ーーー 魔女の城 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ヴェンとハルはその現状を目の当たりにして絶望していた。


ハル「そんな、、、そんな、、、」


ヴェン「コルト、、?」


そこには複数の刺し傷でボロボロになっているがコルトが出陣の際に来ていた服装の一部を確かに身に付けた頭部のない死体があった。ヴェンはその遺体を泣きながら抱きかかえた。


「コルト、、すまない、、、俺のせいだ、、すまない」


ハルは辺りを見渡す

「ミストラ!!ミストラは!?」


「く、、探すぞ!」


しかし2人はミストラを見つける事が出来なかった。


ハル「まさか、、ミストラは連れて行かれたんじゃ、、?」


ヴェンも考えていた事は同じだった。もしその通りであれば、北西の地、及びハームリック城がネロに占拠されるのも時間の問題だった。


「ハル、一旦引くぞ。」


「でも、まだ狼城のリンナさんとバロンが、、」


「あちらも今はすでに戦闘を続けている気配はない。であれば、2人は無事だと信じて俺たちの隠れ家に一旦身を隠そう。地下に隠した剣も早急に取りに行く必要がある。」


ヴェンの隊は緊急時に身を隠す隠れ家があり、有事があればそこに全員が集まる決まりだった。


「急ごう、また敵がくるかも知れない。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<時は戻り、コルトがミストラを投げた直後の上空>


コルトは気を失い、上空を飛んでいた。

しばらく飛んだ後にミストラの体はあるものにぶつかった。


ドゴっ!!!


スカイドラゴン「!?!?!?!?!?!?」


スカイドラゴンは突如背に乗ってきた人間に戸惑ったが、この少年は数日前にレオンと一緒に遊んだ少年だとすぐに分かった。


ミストラを乗せたまま天高く舞い、急いである場所を目指した。


ーーー天空の城 リュウジョウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミストラ「ん、、、?」


ミストラは目覚め、辺りを見渡した。

自分がどこかの家の中にいることは分かったが、初めて見る奇抜な家具に囲まれている事など部屋からは場所を特定することは出来なかった。


ミストラは気を失う前に自分に起こったことを考えていた。


「僕とコルトはあの時ネロの刺客と遭遇して、、、、コルト!?コルトは!?」


ミストラはコルトに気絶させられた所から記憶がなくなっていた事に気がづいた。


大きな焦りで居ても立っても居られなくなっていたその時、扉が開き小柄な老人が現れた。


ミストラ「、、ネロの者か!!?」

とっさに老人を睨みつけたが、老人に敵意がない事はすぐに分かった。


老人「そう睨みつけずとも良いじゃろう?下界で何があったか知らんが、ここにお前さんを追って来るような敵はいないよ。」


ミストラ「あ、いきなりすみませんでした、、。僕の名前はミストラと言います。あなたは、、?」


老人「ほっほっほ!名乗るほどの者でもない。ただ、君をスカイドラゴンが乗せて来たから看病をしていただけだ。」


窓の外に何かがいる事に気づいた。


ミストラ「君は!?あの時のスカイドラゴン!?」


スカイドラゴン「キューーー」


見覚えのある首の包帯はレオンと共に本を読んでいたら遊びに来たあの日のスカイドラゴンだった。


ミストラ「君が助けてくれたの?」


老人「なんとも不思議な話じゃ。人間と決して交わることのなかったスカイドラゴンが、この数日間で怪我を人間に治療をしてもらい、さらには君をここに連れてきた。」


ミストラ「では?ここは?」


老人「うむ。ここは天空の城リュウジョウ。今はわしとスカイドラゴン達のみが住んでおる。」


ミストラ「天空のお城、、?じゃあ、ここは空の上なのですか?」


老人「いかにも。さらに人間がいかに飛行の能力を有しても、この高度までは決して辿り着く事が出来ない。つまりここに来るにはスカイドラゴンに連れてきてもらう他に手段はない。それに不思議じゃな。君と会うのは初めてじゃない気もする。」


ミストラは老人に聞きたい事がたくさんあったが、何よりも気になる事があった。


「おじいさん!僕の仲間達が敵に襲われて。コルト、、友達が僕の事は逃がしてくれたけど、その後みんながどうなったのか知りたいんです!」


「落ち着け少年。まずは詳しく話を聞かせてくれるか?」


ミストラは老人にこれまでの話を全て話した。


老人「なるほど、、地上は再び混沌に包まれようとしておるのか。では、次はお前の願いを叶えよう。」


そう言うと老人は水の入った壺を持ってきた。


「この水は下界の様子を映し出してくれる。お前のいた城は、、魔女の城だったな、、」


老人が手をかざすと、自分が先ほどまで見ていた、悪夢の風景が浮かび上がってきた


ミストラ「コルト!!、、どこ!?コルト!」


その時、ミストラの目に見覚えのある服が飛び込んだ。


ミストラ「コルト、、?」

そこにある死体がコルトのものだと、長年ペアを組んでいたミストラが見間違えるはずがなかった。


ミストラ「コルト、、、コルトーーーーーーーーーーーーー!!!!」


コルトが溢れ出す感情のままに叫ぶと、外に突如強烈な風が吹き荒れた。それはスカイドラゴンすらも吹き飛ばすほどの強力な力だった。


老人(な! まさか、、この力は、、いや、間違いなくこれは"天変地異"の力!?)


取り乱すミストラを老人は抱きかかえた。


老人「落ちつくんじゃミストラ!(とはいえこれは随分酷い事をする、ネロの軍か、、このような少年にこの現実は堪え難いであろう)」


ミストラ「うぅ、、、コルト、、」


しばらく泣き叫んだ後、徐々にミストラは冷静になっていった。


老人「残りの2城も戦闘は終わっておるようじゃな、、ドワーフの城もひどい有様じゃ、、。」


そこでミストラはジョーの死体を見つける。


「ジョー、、ジョーまで、、、」


悲惨な状況はどこも同じだった。ただ、ヴェンとハルとレオンの死体が確認できなかった事は不幸中の幸いだった。


「おじいさん!!狼城の様子も見せて!」


ミストラは狼城の状況を確認したが、どの死体も損傷が激しくバロンを認識する事が出来なかった。


「みんな、、、やっぱりどこも無事に終わってはいない。おじいさん、僕は下界に戻らなきゃ、、」


「待て、ミストラ。お主戻ってどうする?」


ミストラは老人の言葉の意図が分かった。戻った所で何が出来る訳でもない。

またネロの軍との戦闘になれば、次こそ命を落とすかもしれない。


「でも、それでも僕はいずれは戻らないと。僕の能力は"天候を操る力"。常に天候の荒れるハームリック城は僕がいないとみんなが暮らす事は出来ないっていつも言われていたから。」


ミストラの必死の願いを聞いた老人は笑いながら話し始めた。


「ほっほっほ!ミストラ!お主、自分の力を何も分かっておらんのぉ!」


ミストラは老人を不思議そうに見つめる。


老人「お前の力は正式には"天変地異"。雨を晴れに変える程度の話ではない。お前は使い方を誤れば大陸をも消しかねない神クラスの力を保有しているのじゃ。(そして無意識で発動させた先ほどのレベルの"暴風"、おそらく素質がある)」


ミストラ「神の力、、?」


老人「左様。その力を使いこなせれば、ほとんどの敵の侵攻などお前一人で防げる。ただし、そんな事が出来る様になるにはいかに才能のある者とて普通の修行では何年後になるか分からぬ。」


ミストラは老人の話を食い入る様にに聞いていたが、いきなり現実に戻った感覚になった。ハームリックをネロの侵攻から守る為には少しの猶予もない事は分かりきっていた。


ミストラ「何年後って、、そんな時間はありませんよ!」


老人「分かっておる。だからお主を"ある人物"の元へ連れて行こう。そこでお主は短期間で大いなる力を手に入れる事が出来るじゃろう。」


ミストラ「ある、、人物?」


老人「まずは移動しよう。この城の最深部の部屋にに存在する時空の裂け目からそこには行ける。そこでお前の会う者の名は"クロノス"。時を操る正真正銘の"神"じゃ。」


次回:〜3日後〜



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