第一話α 「異世界への第一歩」
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意識が途切れ、目を覚ました彼が見た景色は薄暗く古びた坑道であった。
「・・・・」
意識が朦朧としている中まっすぐな道を歩いている。
「ここはどこだ・・まだ夢の中にいるのか…」
彼は、ぐるぐると思考を廻らしているうちに
段々と自分の意識がはっきりとしていった。
「俺…いや、私はさっきまでは自分の家で寝ていたはず。」
「いや、あの時水兵の格好をした奴に転生がどうだか言われて」
「船に乗らされたんだったな…」
だが、さっきから自分が家に最後にいた時の事、現代日本の知識しか頭に思い浮かばない。
「くそぅ…自分の名前がさっきから全く思い出せない」
視界を凝らすがピントが上手く合わずうっすらとしか見えない
「それにしてもこう暗くては自分の身体が良く見えない」
水兵の男に手渡されたモノがあったことに気が付く。
「そうだあの時…」
その時、背後から誰かが歩いて自分がいる場所に歩いてくる音がした。
咄嗟に隠れやすい物陰に隠れると、作業着を着た170センチ位の身長の大男がこちらに歩いて来ていた。
「全く、せっかく新しく人形や囮役を仕入れたってのによぉ」
「昨日ここに輸送中にエーテルの暴発に巻き込まれやがった馬鹿な運送屋のお陰でぇ」
「貴重な頭数を台無しにしやがってんだ…」
作業着を着た男がそうぼやきながらランプを持ちながら見回りをしている様子で巡回している。
「(咄嗟に隠れてしまったが、あの男は何者なんだ?)」
「(この暗さだから気付かれてない様子だしあの男の後をつけてみよう)」
そうすると作業着を着た男が歩いていく方角に後をつけて歩いていくと
古ぼけた坑道の風景が段々と機械的なパイプがあちこちに広がる通路に変わった。
いくつもの部屋の扉が見え迷路の様な雰囲気があり幾何学模様をしていた。
呆然としていると複数の人間がこちらに歩いてくる音が聞こえてきた。
やっと我に返り自分が置かれている状況を理解してきた
「(不味い、ついうっかりと泥棒みたいに後をつけてしまった。)」
「(ただでさえ、ここがどこだかわからないのに勝手に入り込んでいたら)」
「(何されるか分かったもんじゃない、何処かに隠れなきゃ)」
どこか開いている部屋がないか探していると運よく開いている部屋を見つけ大急ぎで
駆け込み扉を閉めた。
部屋に入ってみるとそこには、見たことのない設備が幾つものみえる。部屋の中央に光源がある部屋だった
「入ってみたはいいが、ここは何の部屋だ…」
彼が部屋の光源に近づいてみると
「何だあれは……」
部屋の中央には何と12メートル台の巨大なロボットが鎮座していた。
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この時の私は、突然異世界に転生という形で放り込まれ自分の名前が思い出せない中で
只々、目に映るものに興味を示すだけであったが自分の置かれた本当の状況が理解できてないでいた。
?????:
謎の人物に異世界に転生させられた本作の主人公。
自分の名前は思い出せない
異世界に転生する前は、何処かの企業に勤めていたらしい?