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ビアンカとフロウラ

午前の訓練が終わると、広間でごはんを食べる。

今日の当番はビアンカ。

どれどれ、ムラサキお姉さんが味見してあげよう。うん、半年前に比べて、うまく作れるようになってきたね。


「午後は、わたくしはギルドに行きますからあ。ムラサキちゃん、頼むわよお」


ハナ姉は山を下りた所にあるギルドに働きに出ている。

お金はシューヤが持ってくるから生活には困らないけど、それだとダメなんだって。

「自立した女性が素敵なんだよ」って言ってた。

何の事だかよく分からないけど、いろいろと冒険したいから、わたしはそれでいいや。


「うん、分かった。ハナ姉」


ハナ姉も来年には12歳になるから、アオイ姉さんを追うような形で王都に向かう事になっている。そうなると、二人の面倒を見るのはわたしの役目。シューヤもいるけど、帰ってこないことも多いから。

今はどこにいるのかな、お父さん。

お父さんって呼ぶと嫌な顔をするけど、こころの中でならいいよね?


「ビアンカもフロウラも、ムラサキちゃんの言うことを良く聞くのよお」


二人はわたしより1つ上だけど、でも、わたしの方が「お姉さん」って事になってる。まだ、ここに来てから半年だしね。わたしがお姉さんなのだ。


「……はい。そのように」「……承知いたしました」


うーん。硬いなあ。ハナ姉にビクついてない?訓練が厳しかったからかな?

でも、二人ともヨワヨワだからなあ。

午前の訓練を見てても分るけど、ハナ姉から弱っちい認定されてるわたしから見ても、弱い。

このままじゃあ、この山すら無事に下りれないかも。

山を下りれるか不安だからという理由で、その年になっても、まだ二人ともギルドに登録はしていない。そうするとギルドでの身分証が手に入らない。身分証が無いと色々とマズイことがある。特にわたし達のような子供は。

だからこそ、ハナ姉は、その辺のことも考えて訓練とかを厳しくしているんだけど。


「それでは、行ってきます。仲良くするのよお」


食事を終えると、ハナ姉はすぐにギルドに行った。

わたしも来年は行くことになるから、尚更二人には覚えること、出来ることを増やしていかないといけない。


「ビアンカ、こっち来て。……もっと近く」


おずおずと近寄ってきたビアンカにわたしが手をかざして、魔法の詠唱を始める。


「彼の者の 相と力能を表せ。ステータス」


ビアンカからは若干の抵抗を感じたけど、強引に魔力でねじ伏せると、無事、魔法が発動して、透明な文字板、いわゆるステータス板が表示される。


ビアンカ=カノ

年齢 10 

称号 元騎士国人、孤児、シューヤのハーレム候補

レベル 1

HP:4  MP:1  SP:2

筋力: 1 精神力:3  胆力:2

素早さ:3  持久力:2 器用さ:2 運:4

スキル: 料理(Lv1)、エクメネ共通語(Lv)

状態:疲労(中)


アオイ姉さんのような詠唱の応用はまだできないから、わたしの魔法では、どんな成長をしそうだとか、覚えそうなスキルとかそういうのは、表示されない。

運が良さそうだけど、全体的に低い。

精神力とか、素早さとかが伸びそうなかんじだけど、スキルとかはこれからかな。


「次はフロウラね、こっち来て」


同じくステータスの魔法をフロウラに掛ける。ビクつかないで、じっとしててね。

どれどれ。


フロウラ=カノ

年齢 10 

称号 元商国人、孤児、シューヤのハーレム候補

レベル 1

HP:3  MP:2  SP:1

筋力: 1 精神力:2  胆力:3

素早さ:1  持久力:2 器用さ:4 運:3

スキル: 料理(Lv1)、算術(Lv1)、エクメネ共通語(Lv)

状態:疲労(中)


ビアンカと同じで、全体的に低い。

フロウラ違うのは、器用さが伸びそうって点。それと意外と胆力があるね。

でも素早さがなあ。

あっ……スキルに算術がある。わたしとお揃いだね?


「うーん。これじゃあ……」


この辺の外出すら不安だなあ。

ステータスが全てじゃないけどね。数字に表れない知識とか経験とかって確かにあるし。

でも、基本的な力ってものはやっぱり必要なものだったりする。

ここタラム盆地は、ダンジョンから噴き出した魔素が盆地の中に留まってしまう地形の為、盆地の外に比べて、魔物の数も多いし強さも違うらしい。

そういう訳だから、魔物から身を守る力っていうのは、つまりは生きる力。


「どうしたのでしょうか?」「いかがいたしました?」


二人が不安そうな表情をしている。自分達になにか問題でもあるのか?そんな感じ。

あるにはあるけど、大丈夫だよ、お姉さんが付いてるから。

それにしても二人とも、騎士国に商国か。盆地の外側の出身なのかな?

シューヤは「女に過去は要らない。俺との未来があればいい」って言ってた。

それならわたしも、二人が以前にどうしていたのかとか、何でここに連れて来られたのかって事は聞かないでいた方が良いかな?

わたしの場合、記憶が無いから、そもそも過去ってものを持っていないんだけど。


「うーん。疲れてそうだから、午後はお勉強ね?」

「「はい、ムラサキ様」」


うーん。なんかまだ打ち解けていないよねえ。


「ムラサキお姉さん、って呼ぼうか?」


二人のお姉さんなんだから、わたしは。なら、お姉さんって呼ばれたい。


「ムラサキお姉さん、って呼ぼうか?」


大事なことは2回、なのだ。


念を押すように言うと、ようやく二人は「ムラサキお姉さん」と呼んでくれた。

……無理やり言わせたみたいな感じだけど。


じゃあ、お勉強をはじめようか?


ちなみにわたしのステータスはこれ。

わたしは二人のお姉さんだからね?それなりなのだ。


ムラサキ=カノ

年齢 9 

称号 タラム人、自称お姉さん、シューヤのハーレム候補

レベル 5

HP:24  MP:29  SP:14

筋力: 8 精神力:16  胆力:22

素早さ: 14 持久力:11 器用さ:25 運:23

スキル:剣(Lv2)、短剣(Lv2)、体術(Lv1)、詠唱魔法(Lv2)、

    忍び足(Lv1)、算術(Lv1)、調合(Lv1)、

    エクメネ共通語(Lv)、タラム語(Lv)

状態:満腹(小)

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