テレビ番組(2)
「と言うことで先程の演説は素晴らしかったです」
CMが終わり男性アナウンサーが話始めた。
「ありがとうございます」
「では引き続きDDNについて見ていきたいと思います」
2人を写していた画面はDDNの仕組みなどの紹介映像へと切り替わった。
「集団的に夢を見せる技術はすごいですね」
一連の映像が終わり男性アナウンサーが切り出す。
「はい、弊社では独自の技術でそれを可能にしていますし、映像にもあったように独自性が高い為セキュリティー面にも万全です」
新川は淡々と説明をする。
「それでは番組に寄せられた視聴者からの質問コーナーに移りたいと思います」
男性アナウンサーは手元にある画面に目を向ける。
「では、まず埼玉県在住の学生の方から、入会時の料金を支払い、DDNに入った後の料金の支払いはどうするのでしょうか?と言うことだそうで。どうなんでしょうか? 」
「はい、それについてですが。完結に言うと皆さんの”夢”を享受させていただきます」
「夢をですか?」
「はい、夢というのは無限の可能性を秘めていて、まだまだ研究材料としては申し分ないので価値があります。詳しいことは言えませんが、あくまで研究に使い、個人のプライバシーは守られることを保証します」
「なるほど。 ではお次は、東京都在住の主婦からです。DDNで入って亡くなった場合はどうするのか。ということだそうです」
「はい、まずDDNでは常に皆様の体内中にある高性能ナノロボットが健康管理をしているため病気で亡くなることはほとんどないと思われます。ですが、衰弱等で亡くなった場合はしっかりと葬式の一連は執り行います。詳しいことについては契約時にしっかりと説明するのでご安心ください」
「そうですか、すごく安心ですね」
「はい、弊社のサービスは安全と信頼の上で成り立っているものですから」
「では、そろそろ時間となってしまいましたので。今日は新川さんありがとうございました」
「ありがとうございました」
新川の挨拶で特集のコーナーが終わった。
テレビ局 休憩室
「ターゲットは今テレビ局から出た」
先ほどまでスタジオにいたであろう男性アナウンサーが電話相手にそう伝えた。
「では……」
男性アナウンサーは電話を切る。彼は一瞬後ろに人気を感じ、振り返ったがそこには誰もいなかった。
ーーーこの後、彼の姿を見るものはいなかったと言う。
テレビ番組を文で起こすの意外と楽しかったです笑