色葉の復帰
色葉は自分が布団の上で寝ていることに気づいた。それと同時に自宅でもあることも、匂いでわかった。
「おにい……」
色葉は少しづつ目を開けた。なんだか嫌な思い出を思い出していた気がしたが、いまいち思い出せない。
「色葉ちゃん? 」
聞き慣れた幼馴染の声がした。
「宇佐美…さん? 」
そこにいたのは勿論宇佐美であった。
「お寝坊さんな色葉ちゃんだこと」
その顔には笑みが溢れていたが、目元には水がした垂れ落ち乾いた跡が見えた。
「心配かけてごめん…なさい……」
まだ言葉がたどたどしいが宇佐美に小さく言った。
「何言ってるのよ、ほらまだ起きあがらないの! 」
宇佐美は起き上がろうとした色葉を止め安静にするように寝かせた。
「でも…仕事が……」
やはり寝込んでいてるから当然仕事を放棄しているから心配する。増しては近衛家がこれ式に倒れていては廃れると思われに違いないと思っていた。
「馬鹿! まずは貴方の身体が第一よ 」
宇佐美にしては珍しく感情的に声を荒げた。流石の色葉もこれに従うと決めた。
宇佐美は色葉がちゃんと横になったの確認して、お手洗いに行くと行って外へ行った。右手には濡れたハンカチがあった。
暫く色葉は宇佐美の言われた通り安静にしながらも、考えにふけていた。
色葉をここまで心配するのは宇佐美くらいだろうか。家にいながらも父は勿論兄からも見舞いの素ぶりすら見えなかった。別段いつものことだから色葉自身特に悲しむこともない。
不意に襖が開いた。
「珍しいお客さんだこと」
色葉は正座して座っている客人に対して静かに言った。
客人は笑った。
銀色の髪が屋敷に入る夕日を反射していた。




