療養(1)
宋平は目を覚ました。どうやらどこかのベットに寝ているようだ。
「ここは……」
宋平は周りを見渡そうとしたが、左腕から激痛が走り、苦い顔をした。
「起きたか……」
ベットの横にいたのは望月であった。相変わらずの嫌そうにこちらを見ている。
「取り敢えずお前が起きたから俺はもう帰る」
望月はずっと横にいたのだろうか、机には何冊も本が置いてあった。
今時、本なんて読むやついたんだ。
「看病してくれて、ありがとう……」
宋平は望月に気恥ずかしそうに言った。
「仕事だ」
望月は冷たく言って、部屋を出て行った。
入れ違うように五十嵐が入ってきた。
「おう、おう起きたか」
五十嵐はベット横にある椅子に腰かけた。
「まだ痛むか」
五十嵐は宋平の左腕を見て言った。宋平は小さく頷いた。
「今は現実ですよね……」
「あぁ、紛れもなく現実だ」
そう言って五十嵐は宋平の頬をつねった。宋平は痛みが現実まで継承することをここで実感した。
「あの、望月は?」
五十嵐につねられた頬を右手で抑えながら言った。
「あいつはお前が起きる3日間ずっと横にいた。 まぁ命令したのは俺だが」
「3日も!?」
宋平は3日も寝ていることに衝撃を受けた。日付の書いてある電子時計の日にちを見ると確かに3日過ぎていることがわかった。
「その間仕事は?」
「勿論休止だ。他2班がその穴埋めして対応してる」
他の班は特に問題が起きず、順調に仕事が遂行されているようだ。
「色葉さんは?」
「あぁ、まだ起きてないな。 お前よりかなり重症でな」
無理もない。あの巨樹のムチで受けた損傷はかなりのもであったはずだ。
「しばらく3班は活動できんな」
五十嵐は落ち着いた声で言った。顔から察するになにか上層部から注意を受けたのだろうか。
「まっそう言うことだ。 しばらく療養してくれ」
らしくない五十嵐は妙に気持ち悪いが、特に言及せずただ部屋をでるのを見送った。
「あの…… 」
宗平は五十嵐を呼び止めた。
「なんだ? 」
五十嵐は宗平の顔をまっすぐに見て、言った。
「あの木は一体なんだったんですか? 」
「あぁ守護者だ」
「守護者? 何を守るのですか? 」
「簡単に言えば、DDNヨーロッパ支部」
「ヨーロッパにもDDNってあるんですね」
「世界に12の支部があるからな」
世界中でDDNが普及し、それらを管理しやすくするために12に支部を分けたのだ。
「まぁそこらへんの詳しい話は皆で集まった時に説明する」
そう言って五十嵐はそれ以上何も言わずに部屋を出て行った。
しばらく外の風景を眺めていると、不意にドアを叩く音がした。
「どうぞ」
宗平はドアの向こうにいる来客に聞こえる声で言った。
「はーい」
聞き慣れた声であった。
「シルヴィア!?」
宗平の目の前にいたのは、シルヴィアであった。銀色の髪が病室に流れた風で少しなびき、女性らしい香りが病室中に漂った。
「ごめんね……こんな目に合わせてしまって」
悲しそうな顔で宗平の頬に手をあて言った。
「いや、シルヴィアの所為じゃないし」
「でも、私がちゃんと説明してればこんなこと起きなかったわけだし……」
「大丈夫だって」
宗平は心配しているシルヴィアの手をどけ言った。
「でも無事でよかった。 もしあーちゃんが死んじゃったら……」
「だからあーちゃんってなんだよ」
宗平の質問にシルヴィアは黙ったが、私がそう呼びたいだけと言った。
「変なの」
何か色々考えているシルヴィアの顔を宗平は見ていた。
何を考えているんだろ




