表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の調停人 アビル  作者: ぽこ助
31/41

通信


森の中から激しい息遣いが聞こえる。木々を人を抱えながら、掻き分けていく。


「相変わらず、どこ行っても木ばっかだ」


メガネをかけた青年がため息混じりに言った。その腕にはボロボロの黒髪の少女がいた。


「高台あたりまで行けば、狙えるか」


あの巨樹が色葉に攻撃した際に視界が広がったことで岩の高台の場所がわかったのだ。


「にしても、さっきまで全く見えなかったのが不思議でしょうがない」


小鳥の囀りが相変わらず聞こえるが、遠くの方で宋平と巨樹が戦っている音がする。


「一人で、、」


望月は心配をかける発言をしようとしたが、途中でやめた。

らしくないことを言いかけた。


しばらくするとゴツゴツした岩肌が見えた。裏側に登れそうな斜面が見えた。


「近衛様をここに置いておくわけにいかないし・・・・・・・」


望月は近くの長め草を見つけ、ひも状し、それを使い色葉を背中に括った。


「従家たるものこのくらいできなくてはな」


そう自分を鼓舞し、急な岩肌の斜面を素手で登っていった。途中何度か落ちそうになったもののなんとか頂についた。


「夢なのに本当にハードワークだこと」


望月は一息ついた。


「死が隣り合わせのこの仕事がハードワーク以外何んでもないわ」


色葉はようやく意識を取り戻したようだ。


「近衛様、お目覚めになりました。 大丈夫でしょうか?」

「望月、仰々しいの辞めなさい。 お父様の前でもないのに」

「いえ、そういうわけにもいきませんので」


少し静寂になったが、色葉はっと思いだしたように言った。


「宋平は!?」


望月は色葉の見慣れない人を心配する顔に驚いたが、すぐに答えた。


「オリーブの木と戦っています 」

「一人置いていったの?」

「えぇ、まぁ」

「貴方、それでもNAMEDなの?」

「しかし、無名ものを助ける義理もないですし、なにより本人が私に近衛様を託されたのですよ。お言葉ですが、今回は私に不備はないです。」


「でもその無名に私は助けれられた。」


色葉の助けられたというのは、ユダとの戦いの時だと望月は気づいた。


「でも、今終わったことをグチグチ言うより、どう打開する方が大事ね。 熱くなった私が悪かったわ。」

「いえ、そんなことはないです・・・・・・」


その時、森の奥で巨樹の攻撃する音ここまで聞こえた。見ると、巨樹に宋平が果敢に立ち向かっているのが微かに見えた。


「行かなきゃ」


色葉は立ち上がった。まだ完治してはいないのに。


「近衛様!」


望月は色葉の手を掴んだ。


「止めても行くわよ」

「止めません。 行くとしても作戦は立てませんか。少しでも勝つために」


望月はまっすぐな目で色葉を見た。


「ごめんなさい、また熱くなってしまったわ」


色葉は落ち着いたあたりで


「繋がりました!」


とどこかで聞いた声がした。


「メアリーさん」


色葉はいち早くこの持ち主に気づき、声あげた。


「お前ら、一体どこまで行ってるんだ」


気だるい教官の声もした。


「五十嵐教官助けてください!」

「おっ近衛のお嬢様らしからぬ言葉だこと」


色葉は言葉を詰むんだ。


「まぁいい、大方予想はしている。 アシェルと遭遇したのだろ?」

「アシェル?」


望月は聞き返した。


「あぁ大きい木のオネエ」

「なにそれ!」


通信から宇佐美の軽い声した。


「宇佐美さん大丈夫だったのですね、残念ですわ」

「またまた、そんなこと言われると凛ちゃん泣いちゃう」

「ちょお前いいからマイク返せ」


通信越しでゴソゴソと音がした。


「取り敢えず、撤退しろ。そこはうちのアービターが踏み入っていいとこじゃない。」

「どういうことですか?」

「お嬢様の聞きたい気持ちはわかるが、取り敢えず今九条が危険だ。」


通信している間にも宋平が戦っている音はしている。


「んで、望月。 お前は額の宝石を狙え。 少しの足止めくらいはできる。」


「じゃ私は行くわ」


色葉は刀を召喚して、立ち上がった。


「おい、近衛のお嬢さん」

「なんですか?内容によってはその呼び方について家に訴えますよ」

「怖いな。 まぁ聞いた方が良いと思うぞ」

「なんですか、そんな勿体ぶらないでください。時間が。。」

「そんな九条が心配か。まっいいや。 もしアシェルと戦うとなったら火が有効だ。」

「火? ですが火なんて」

「いいか、忘れるなそこは夢の世界だ。イメージしだいでなんでもできる。」

「なんでも?」

「あぁ、特に近衛のお前なら炎をイメージしやすいだろ」

「そうですが・・・・・・」

「あとは想いだなぁ」

「想い・・・・・・・。」

「そう、考えるな。おっ九条がピンチみたいだぞ」


五十嵐の言葉を聞く前に色葉は高台から降りていった。


「教官今ので伝わりましたでしょうかね」


メアリーの声がした。


「伝わったとは」


高台でスコープで巨樹を見ながら、聞きいた。


「夢世界の法則だ」


五十嵐は答えた。


「法則?」

「あぁ、いずれわかる。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ