新人アービター(4)
部屋に入る一行は薄暗い中一つの光る物を感じた。配線ケーブルが部屋の所々に見え、異様な空間であった。
「ここは・・・」
皆思わず口をこぼした。五十嵐が部屋の真ん中辺りまで歩いたところで、その歩みを止めた。
「他の班だと歴史の勉強からしてるらしいな。だるいから省くか」
「でもまたあの女に注意されるのもだるいしなぁ」
「でもやっぱやめよ」
五十嵐は一人ブツブツ呟いている。そしてなにかを思い出したかのように言った。
「一応聞くが、仕事内容について知らない者はいるか?」
宗平は迷うことなく手をあげたと同時に周りに誰も挙手する人がいないことにも気づいた。
「まじか、、お前はどこの家の者だ。」
「家の者?」
「おいおい、まさかNONAMED(無名)かよ」
「なんですかそれ?」
五十嵐はしばらく困ったを顔した。
「じゃ誰の紹介でここに来た」
五十嵐の口調はやや強かった。
「人事のシルヴィア、、さんからです」
「あの女か。一体なにを考えているのやら」
五十嵐は耳に手を当てどこかに電話を掛け、怒鳴り混じりに怒っていた。
多分相手はシルヴィアであろう。
暫くして五十嵐は電話を切った。
「全く何考えてるんだか」
「あの、私めは・・」
宗平はかしこまって言った。
「あぁ、さっきのことは気にしなくていい」
宗平は鳩が豆鉄砲をくらったかのような顔をした。
わけわからない
「じゃ気を取り直して研修を行う」
五十嵐はさっきの強い口調ではなく、だるそうな感じで言った。
「それで、まず自己紹介からか。俺のはもういいから誰か」
「はい」
少女の澄んだ声がした。
「名家近衛家が一族、近衛 色葉と申します。以後お見知りおきを」
色葉はシルヴィアとは違った美少女であった。彼女の長い黒髪と澄んだ黒い瞳はなんとも言えない和の美しさを感じることができる。が、どことなく寂しさを感じてしまうと宗平は思っていた。
「自分は望月 良夜です。よろしくお願いします」
望月は清涼感があり、おとなしい感じの青年である。メガネを掛けているあたり頭が良さそうに見えるし、実際そうであろう。
「宇佐美凛でーす。宇佐美でもりんちゃんでも好きに呼んでくださーい」
軽い口調が少し緊張のあった場を和ませた。宇佐美もまた顔立ちの整った少女であった。
この子、すごいや
「メアリーベイカーです」
メアリーを見た者は大体がこう思うだろう。
子供?
それに察したかのようにメアリーは言った。
「一応私は18歳です。ちゃんと大学では博士号を獲得してますから」
メアリーが自分の金髪をなびかせ大人びようとしているが、やはりその小ささでは到底大人とは呼べない。
他の皆の自己紹介が終わり宗平も軽く済ませた。
「やっと終わった、じゃこのメンツでこれから頑張ってくださいって言えばいいのか?」
五十嵐は手元の端末に目を向けながら言う姿はなんとも頼りない。
「一応一人を抜いて仕事については既知であろうが再度説明する」




