新人アービター(1)
翌日 DDN社本部
「ここがDDN社か」
宗平は静かに呟いた。宗平の前には巨大な高層ビルが建っていた。何階建てなのかすらわからないくらい高い。
耐震技術の発達により地震の多い日本でも超高層ビルを建てることを可能にした。耐震と言うよりは免震の方が正しいが。
超高層ビルに見とれる宗平であったが覚悟を決めビルに入る。
中は透明感のある綺麗なエントランスになっていた。周りは全てガラス張りなので陽の光が建物全体に行き届いていた。床の大理石もエントランスをより一層輝かせている。最先端の叡智がここに集まっていても誰も疑わないだろう。
宗平は受付へと向かった。受付には2人の女性の姿があった。人ではないが。宗平は指示に従い一昨日届いたメールに記載されたIDを提示した。
「九条宗平様ですね。49階へどうぞ」
宗平はエレベーターの方に案内された。エレベーターもガラスで作られていて建物の内部が良く見える。社内の人の気配はエレベーターからだと目視できない。
ここはほんとに会社なのか?
宗平はある集会場に案内された。そこには既に数十名ちかくの人が集まっていた。その中にシルヴィアの姿も見えた。シルヴィアは宗平の姿を見て小さく手を降っていたが、なんとなく無視した。
シルヴィアは怒った表情でこちらに向かってきた。
「なんで無視するの?」
シルヴィアは小さい声で悲しそうに言った。
丁度その時にお偉いさんであろう人が壇上に登った。それを見てシルヴィアは仕事モードへと変わった。
切り返しがすごいや
「諸君ら、長らく待たせてすまない、これより決起集会を始める」
壇上の男に周囲の全員は注意を向けた。
なにが始まるんだ?




