妹の病気(1)
「瑞稀具合はどうだ? 」
宋平は、妹の病室の扉を開けながら言った。
「いつもよりいいよ」
そこに居たのは茶髪で三つ編みハーフアップの少女。病室の窓際の近くのベットにいる少女はなんとも言えない美しさがあった。
「今日はどうしたのお兄ちゃん? 」
瑞稀が首を傾げながら可愛げに聞く。
「お兄ちゃん新しい仕事見つかって、しばらくこっちに来れないかもしれないから会いに来た」
「きゃー妹想いなお兄ちゃん」
あざとく瑞樹は茶化すように言った。
「辞めてよそれ」
宋平は笑いながら言った。
「でも前のコンビニ辞めちゃったの?」
「辞めたと言うか、店長がDDNに入るから店を閉じるって」
「そう、大変そうね。それで今度の新しい仕事は何?」
「DDN社のなんか」
「……何それなんかのジョーク? 」
瑞稀はクスクスと笑った。
「ほんとだよ、ほんとに仕事の中身話されてないんだから」
「お兄ちゃん、その仕事大丈夫?」
瑞稀が心配そうな顔でこちらを見る。宗平はそれに応えるように言った。
「大丈夫だよ。お兄ちゃんだからね」
「なにそれ」
瑞稀と宋平の笑顔の絶えない会話はしばらく続いた。宗平は最近忙しくて中々病院に来れなかったので、話すことがいっぱいあった。またこの時間が人生の中で一番幸せな時間だった。
このままずっと……。
「お兄ちゃん!」
「はい」
突然に大きな声で呼ばれて宗平は驚き、敬語が出てしまった。
「さっきの話聞いてた?」
「ごめん聞いてなかった」
宗平は謝るのを、瑞稀は頬を膨らませ怒る。
「もういい!」
「ごめんってば」
一瞬静かになって、変な空気に耐えられず二人で笑いあった。
本当に幸せだ。
「お兄ちゃん、ちょっとお医者さんと話してくるから、いい子で待っててね」
「ちょっと! 私もう16よ、子供扱いしないでよ」
「精神年齢が追いついてないからいいんだよ」
「お兄ちゃんのイジワル! 」
また瑞稀は膨れた。宗平はそれを無視して部屋を後にした。
宗平は部屋の外で静かに笑った。。。
そう言うとこが子供なんだよ。




