表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/81

74.アーグラとイーグラ

《威圧》《土球》


ポシルとともにイーグラのもとへと近づく。イーグラの注意を完全にこちらへ向けるため魔力を乗せた《威圧》を発動し、《土球》にて牽制しながら、少しずつアーグラに向かったシャウさん達からイーグラを遠ざける。



注意すべきは【連怒】のスキル。このスキルはたぶん相当凶悪なスキルだ。

おそらくはこのまま僕がイーグラを考えなしにHPを減らせば、アーグラの攻撃力の上昇でシャウさん達が耐えられなくなる。

ならば、一撃必殺の心配の少ないイーグラの連怒・護で防御力を上昇させてでもアーグラを先に倒すべき。


「ポシル!アーグラが倒されるまでイーグラへの攻撃は控えて!分裂体2体をシャウさん達のサポートに」

『はい!マスター先にアーグラを倒すのですね。それでは2体をサポートに回します。』


瞬間的にポシルは3体に分裂し2体がすぐさま前衛で盾を構えるガイファとクオのもとへと向かう。

【身体強化】を意識し、身体能力の底上げを行いつつ、【魔力操作】により全身に魔力を循環させる。


右手に槍、左手に丸盾を装備し戦闘態勢に入るイーグラ。

イーグラの武器は所謂パルチザンの様な形状になっているため、突きだけではなく斬撃への警戒も必要となる。

槍の射程に入ると同時に、右手に構えた使い慣れているであろうその槍をリザードマンナイトの膂力を活かし横薙ぎに槍を払う。


筋骨隆々なリザードマンナイトから放たれる払いは、本来であればジャブのような牽制の一撃にも関わらず下手をすれば大きなダメージを与えるであろうスピードと力強さを持っていた。

左肘から左脇腹を狙うように放たれた槍が、身体を捉える瞬間。跳躍猫の具足の効果を活かし右へ1歩分瞬間跳躍を行いつつ、イーグラの背後へ回り込む。


イーグラも、横薙ぎの勢いそのままに背後へ向き直し、槍を振るう。

ステータスは完全にリザードマンナイトであるイーグラが上のため、【回避】のスキルを最大限に活かすも数手もあれば槍が回避を上回り身体へとむかうが、その度にポシルが【硬化】した触腕を振るい槍を払う。

そして、全属性魔法の風属性魔法により風を纏槍をそらす。


「グラァー!!!」


あまりにも当たらない攻撃に、イラついているのか。イーグラは大きな咆哮を天に向かって吐き出す。

しかし、その動きは雑になるどころか洗練していき、ポシルが触腕を振るう回数が増えてくる。


ピロン!

【スキルー槍術ーを取得 】槍術<Lv1> ※槍を扱うスキル 槍での攻撃に補正 最大Lv10


ピロン!

回避LvUP<Lv4→Lv5>

無駄のない槍捌きを時に躱し、時に硬化した籠手で受ける。ゴーバとのギルドでの交戦と同様に高いLvのスキル持ちからの攻撃の経験値はやはり高く、しばらくすると槍術のスキルを学習し、その動きがうっすらとだが把握できるようになる。

そして、槍の動きを予測しポシルからの援護の感覚も長くなってくると、回避のLvも上昇する。


「グラァーーーー!」

先程よりも長い咆哮。横目で【赤月の護り】vsアーグラの様子を見ると、すでに鮮血に染まっているアーグラの姿があった。

しかし、イーグラ以上の槍術の腕により、シャウさん達も攻めあぐねている。

2体の分裂ポシルがガイファさんとクオさんの肩の上から盾越しに触腕を伸ばし、攻撃するも盾に防がれる。

【赤月の護り】を信じ、分裂ポシル達にはあまり積極的な攻めに参加せずに、サポートに徹するように伝えてある。

ポシルの能力を全て見せる訳にはいかないため、少しもどかしいが【赤月の護り】のメンバーを信じる他は無い。


そして吼えたイーグラに視線を戻すと、先ほどの目の形とは違い、トカゲや龍種が見せる縦に黒目が縦に走る〈怒り〉状態の眼であった。


イーグラの上空に水の槍が3つ出現し、撃ち出される。

今まで接近戦だった為、出してこなかった水属性魔法を距離が開いたことですぐさま撃ち込んできた。

同時に自らも力強く地を蹴り、真っ直ぐ槍を構え自らを4本目の槍として飛び込んできた。


《土壁!》


即座にイーグラとの間に壁が迫り上がる。そしてその瞬間壁とイーグラが激突し、激しい音が鳴り響く。

「グラァ!」

イーグラの声とともに、壁が破壊され勢いそのままに槍が迫ってくる。

どうやら、水の槍3本を壁に集中させ破壊し自らの衝突を防いだようだ。


鉄亀の籠手を最大限に硬化させるとともに、地面を蹴り後方に飛ぶ。

ガキンっと大きな鳴り響くと同時に、後方で魔法による大きな音が鳴り響いた。


『マスター!アーグラ戦終了しました。攻撃可能です』


分裂体ポシルからの念話を受け取り、アーグラが討伐された事を確認する。

同時に【赤月の護り】のメンバーも相当な傷を負い、イーグラ戦には参加出来ない事を確認する。


「ありがとうポシル。分裂体を回収後イーグラを討伐」


念話と同時に飛び込んでくるイーグラの槍をしゃがみ込んで躱し、BOXから1本の鉄の剣を取り出し切り上げる。


パキンッ


鉄の剣はイーグラの薄皮も傷付ける事なく根元から折れる。【連怒】による防御力上昇は鉄の剣を簡単に破壊した。


読んで頂きありがとうございます。

戦闘シーンはやはり難しいです。これからも精進します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
物語の精査の合間に書いた小説を新作として公開致しました。
ぜひこちらもよろしくお願いします。

迷宮都市の料理人
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ