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40.基礎と言う名の礎

40話目となりました。今後ともよろしくお願いします。

ここまで読んで頂いた評価を頂けると嬉しいです。

よろしくお願いします。


2017.7.25 最後の一口を口に入れ、水筒の水で流し込む。

→最後の一口を口に入れ、無限水袋の水で流し込む。ちょっとした休憩等、こう言う時に魔量を消費しない無限水袋は非常に便利だ。

「うまい!」


 昨日、屋台で買って鞄に入れておいた元の世界でいう、ケバブに齧り付く。


 肉はしっかりした歯応えの一角バッファローの肉を、熟成しスライスしたものが、棒に刺さり回されていた。


 なんとなく懐かしさを感じて買ってみたが、大正解だな。


 パンに挟まったたっぷりの野菜と、たっぷりの肉が濃厚なソースと絡んで、非常によくあう。


 それに鞄に入れていたから勿論作りたてだ。


 朝一で出発して此処まできたが、ゴブリンの集落殲滅で今はもう12鐘。

 丁度集落のゴブリンシャーマンの小屋が、良い感じでテーブルと椅子があったので、ここで昼食を兼ねた休憩を取ることにした。


「このテーブルと椅子って、どう考えてもゴブリンが作ったものじゃないよね。小屋の技術力とは段違いだし」


『人型の魔物はよく人種の生活を真似ます。これも拾ったものでしょう』


 人種を真似る。

 魔物に人種への憧れ的なものがあるのだろうか。

 文化的な生活を送りたいと思ったりするのだろうか。


 椅子とテーブルはセットではない、別々の所から拾ってきて、正しい使い方で使っていたのだろう。


 彼らは少なくとも、この使い方を見たことがあるということだろうか?


「まぁ、そんなに悩むことじゃないな。」


 最後の一口を口に入れ、無限水袋の水で流し込む。


 ちょっとした休憩等、こう言う時に魔量を消費しない無限水袋は非常に便利だ。


「よし。先に進もうか」

 暗くなる前に街に近付くには、そろそろ本格的に索敵していかないと間に合わない。


 ゴブリンの集落から更に南、森の奥へと進む。


 出発してから1時間程、気配察知を使いながら進む。

 現在の探知限界は20m×5Lv×2の200m。


 ゴブリン集落からジグザグに進み、定期的にスキルを使うも討伐目標の気配はなかったが、とうとうエリアに入ったようで、気配察知にイエローファンガスとフォレストレッドベアが引っ掛かった。


「ポシル。やっと見つけたよ。イエローファンガスとフォレストレッドベアだ。お互い少し離れてるけど、大きな音を立てたら聞こえるだろうね。イエローファンガスは基本待ち伏せだから、先にフォレストレッドベアに行こうか」


 いつものように体を上下に揺らし、了解の意を伝えてくる。

 どうやら臨戦態勢に入ったようで、ポシルは静かに気合を入れていた。


「いた」


 フォレストレッドベア

【Name】

【Lv】12

【スキル】

 ノーマルスキル

 爪術<Lv1>

 豪腕<Lv1>



 気配察知により、場所はわかっているためベアの背後に回り込む。


「洞窟で見たやつより少し小型だね。今回はクエストだから素材は吸収させてあげられないけど勘弁してね」


 ポシルが上下に揺れたのを確認し、気配を断ちタイミングを見計らう。


「それじゃ今回は一緒にいく?背後からポシルは首で僕は心臓ね」


 解体と暗殺のスキルのおかげだろうか、正確な心臓や内臓の部位がわかる。


 なるべく傷付けないように本当はポイントが小さいポシルが心臓を狙うのがいいのだが、正確な位置となるとポシルは把握出来ていない。


 だから今回は僕が心臓を狙っていく。


 カツンッ


 フォレストレッドベアの前方に石を投げ、注意を引く。

 音に反応したベアが前方の気配を探るため、スンスンとしきりに匂いを嗅ぐ。

 その優れた嗅覚をもってしても《気配遮断》のスキルの前では匂いすらも認知されない。


 そしてさらに視覚での確認のため3m近い体を持ち上げ、2本足で立つ。


 今!


 手を振りタイミングを伝え、一瞬で飛び出す。


 ポシルは触腕を硬化させ一気にベアの首の頸動脈と頚椎を狙い突き刺す。


 そして僕も、短剣ではなく鉄の片手剣を取り出し、心臓を狙い一気に突き刺した。


「グウォー! ゥォッ 」


 急所を二箇所同時に突かれたベアが声をあげ、最後の気力を振り絞り腕を振り回す。


 スキル《豪腕》の補正が効いた腕力任せの一撃は思ったよりもスピードがあり、間一髪で、頭を下げ回避する。


 数本の髪の毛がパラパラと地面に落ちる。


「少し油断してたかな。すぐに前のめりで倒れると思ったけど」


 どうやら最後の足掻きだったようで、振り切った腕の遠心力に耐えきれず、肩から倒れると完全に活動を止めた。


 ポシルの切った頸動脈から、勢いよく吹き出していた血も止まり、今はゆっくりと血を垂れ流している。


 熊の解体の経験はないが、やはり解体のスキルのおかげで解体の手順から必要な素材まで理解している。


 Lvのせいか知識はあるが経験がないという、ちぐはぐな状況で、解体部位に少し傷が入る。


「ここら辺は経験かな。まだ毛皮と肉をうまく剥がせないや」


『はい。今後いくらでも解体の機会もあると思いますし、どんどん上達されると思いますよ』


「そうだね。買取所のガンドンさんの所で教えてもらってもいいかも」


 習うより慣れろと言うが、やっぱり基礎は必要だ。

 スキルという反則技で得た知識でない、現場の技を取り入れるべきだ。


 これから先、どんどんランクが上がって強敵と戦う機会が増えるだろう。

 そんな時、しっかりと最大限の報酬を受け取るために色々な基礎的な知識はいれておこう。


 すでに解体を始めて30分以上たっている。

 おそらくガンドンさんならば15分も掛けずに完璧な解体をしてしまうだろう。


 解体したベアの素材を全て鞄にしまい、再度対象を探すため《気配察知》を使用し気配を探る。


「うん。予定通り次はイエローファンガスだね。東側から近付いて4体まとめて討伐しちゃおうか」


『はい』

『マスター。行く前にこちらをどうぞ』


 ポシルの触手の先から、飴玉サイズの丸薬が出てくる。


「これは?」


『はい。マスターなら耐性があるので大丈夫かと思いますが念の為、抗麻痺丸薬になります。』


 ➖抗麻痺丸薬➖

 麻痺耐性を一時的にLv2相当上昇させる。

 効果は30分


『マスターは麻痺耐性をお持ちですが、植物系の魔物の状態異常能力はスキルとは違い元々の植物としての能力が強化されているので、非常に高い場合があります。なので、念の為調合してみました』


「ありがとうポシル。助かるよ。これで麻痺耐性がLv6になるって事だね。」


 丸薬を舌に乗せるとレモン味が付いていた。


 そのまま飲み込みステータスを確認すると麻痺耐性がLv6になっていた。


 さてこれで準備はできたかな。


「行こう!ポシル」


読んで頂きありがとうございます。

ようやく40話となりました。ブクマと評価頂けると嬉しいです。


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物語の精査の合間に書いた小説を新作として公開致しました。
ぜひこちらもよろしくお願いします。

迷宮都市の料理人
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