22.検証と可能性
ふむ。
早速だが、検証項目2が進化してしまった。
分裂の検討が、分裂体の検討になった。
おそらく分裂は2つや3つに分かれるだけだったのだろう。
力無いスライムが、敵対者に対し分裂体を残す事で本体が逃げる。まぁトカゲの尻尾切りって感じのスキルだったのか。
今になっては想像だけどね。
「さてポシル。調子はどうだい?」
『はい。マスター。おかげで調子がいいです!』
「えっ?ポシル?」
『はい。ポシルです!マスターがいっぱい魔力をくれたので、成長して定着する事が出来ました。だからはっきり喋れます』
あんなにたどたどしかったポシルが、はっきり喋っている。といっても念話だけど。というかこの喋り方はもしかして
「ポシルって女の子?」
『はい。マスター。マスターの魔力を貰って定着した際、雌として定着しました』
性別あったのか。スライムって。
「ちなみに全属性以外の魔力を与えてたらどうなったの?」
『はい。風属性ならグリーンに火属性ならレッドスライムにというのは変わらず。無属性でオリジンスライムのまま定着して、ステータスだけ上がったかと思います』
無属性は他の属性を全部取得しないと取得できないけど、あくまでも全ではなく無であって、さすがに定着には影響を及ぼさないのか。
「そっか。じゃあ全属性でよかったんだね。時空魔法と無属性魔法、取得してからで良かったよ。」
『はい。オリジナルスライムはいわばユニーク個体です。おそらく自然では発生しないと思います。』
「なるほどね。」
「話は変わるけど、分裂体はどんな感じなの?」
そう質問をすると、ポシルの体が真ん中を中心に分かれ始め、2体に分裂した。
『『はい』』これが分裂体です。
2体同時発声。全く同じタイミングで同じ内容の念話を飛ばしてくる。
「すごいな。どっちが本体なんだい?」
『はい。どちらも本体といえますが、今は私が主導権を持っています。』
向かって右側のポシルが話し始める。
どうやらLv1で2体までその後はLvの乗数ぶん分裂体を増やせ、それぞれが独立して行動できるようになるとの事で、司令塔として1体は主導権を保持しているそうだ。
100体に分裂したら能力も100分の1なのか確認したが、10分の1程度の低下で済むとのことで、指導権持ちがやられても次の者に移行するだけで、影響は受けないとの事だった。
「いやいや。聞いてるだけでやばいイメージしか湧かないんだけど。つまりLv10で能力は10分の1のポシルが100体できるって事?」
『はい。そうなります。ただ分裂体は4時間分裂したままだと消滅します。また戻しても出した時間の倍の時間クールタイムが存在し、常に最大数が出せる訳ではありません。また戻さずに分裂体が消滅した場合。能力がその分低下するデメリットもあります。なのでマスターのために一生懸命強くなれるように頑張ります!』
「うっうん。よろしくね。僕も負けないように頑張るよ。」
1体に戻ったポシルを撫でながら、相変わらずの癖になる感触を楽しむ。
ポシルもまんざらではないようで、プルプルと軽く体を揺らしていた。
「そういえば、どこまで大きくなれるの?」
『はい。現在はそこまで大きくなれません。これから色々吸収して成長すればどんどん大きくなれます。普段は時空魔法が体内に掛かっているので、圧縮して自分の体を収納してます。食べ物とかは時空庫に保存してあるので、必要に応じて時空庫から取り出す感じですね。』
スキルには出ていないが、オリジナルスライムの固有能力だろうか。体内の時空庫とは、僕と同じ収納BOXのようなものなのだろうか……。
「そっか便利な能力だね。普段は小さくなって透明化かけていれば自由に街を歩けるね。」
そういうと、嬉しそうにベッドのうえで跳ねて、喜びの感情を飛ばしてきた。
ここまでで大方の検証は終了かな。
ポシルの能力もその可能性もわかった。今後どう活かすかは僕次第ってことかな。
「ポシルは睡眠が必要なの?」
『いえ。体内の分裂体と交互に睡眠を取っているので基本は要りません。ただ分裂体全てを極限まで酷使した場合、休眠状態になります』
「そっか。じゃあ僕が普段宿で寝るときは、訓練の一環で出る魔力は、ポシルが吸収していいからね。それと寝る際に僕の余剰魔力を常に吸収してもいいよ。」
僕の魔力を非常に気に入っているポシルなだけに、この提案は高級料理が毎日食べられるいったイメージなのか、しばらくベッドで小躍りを続けていた。
『マスター。薬草と毒草は余っていないですか?吸収したいのですが』
「ん?あるよ。どっちも10束くらいだけど。どうぞ。」
薬草と毒草をポシルに差し出すと、触手?が伸びてきて草をそのまま体内へと運んだ。
すると触手の先が緑にひかり、隅に置いてある《狐屋》セットの中からコップを取り出し、何やら液体を入れ始めた。
※HPローポーション
薬草と水そして毒草より作られたポーション。飲むもしくは、素肌部分にかける事でHPの15%回復する。
ポシルの触手からコップ一杯分のHPローポーションが滴り落ちる。
解析結果もしっかりポーションとして認知されており、店売りのHPローポーションがHP回復10%なので店売りよりも効果が高い。
「なるほどね。これが《薬生成》かすごいね!」
『はい。今は薬草と毒草だけですが、色々吸収できれば作れる薬も増えてきます。今回は通常のポーションに毒成分を少し入れる事で、逆に効果を上げています。スキルのおかげで薬の知識が得られているみたいです』
ポシル万能説はどこまでいくのだろうか。
とりあえず道すがら植物を吸収してもらおう。
これでスキルの検証も終わりかね。
あとは明日移行実践で試していこう。
「じゃあ寝るね。おやすみポシル」
『はい。マスターおやすみなさい。』
ドンドンドンッ
今日はまだまだ終わらないようだ。
読んで頂き有難うございます。
これからもよろしくお願いします。




