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17.ギルドクエストと冷たい笑顔

評価&ブックマークありがとうございます。頑張って更新を続けますのでよろしくお願いします!

「今だ!」


 合図とともに、スズネは矢を放つ。

 矢はまっすぐターゲットに向かい右の前足を貫いた。


 勢い付いていた突撃猪の体は、バランスを崩し倒れ、頭から地面に激突した。


「よっ。これで突撃猪依頼もおしまい。」

 そう言って倒れた突撃猪の首を搔き切る。


 今回のターゲットは、森と草原の境界付近に現れた突撃猪だった。


 突撃猪はこちらを発見するなり、猛スピードで体当たりをしようと向かってくる。


 そしてこちらも闘牛士のように、ギリギリでかわしながらスズネの射線に誘導する。


 何度目かの回避の後、射線に入った瞬間に、スズネに合図をだした。


 なるべく毛皮を綺麗に回収する為、スズネには右の前足の蹄付近を狙ってもらい。

 とどめも喉を搔き切った。


 本日の成果

 ファングウルフ 7匹

 突撃猪 5匹

 となった。


 基本 《気配察知》スキルで、動きのないウルフを探し、休んでいるところを狙撃。

 猪はスズネ援護のもと、喉を一突きにして毛皮も回収した。


 戦闘中はステータスを確認できない為、何度かスキルが上がった音がしたが放置していた。


 そしてステータスは

【Name】 タカヤ

【age】 18歳

【職業】(1.魔術師(転移者) 2.自由人 )3.魔物使い

【Lv】 8

【HP】 75/75→115/115

【MP】 820/820→960/960

【力】 55→70

【体力】 40→60

【器用】 75→85

【知力】 70→80

【素早さ】75→95

【魔力】 155→190


【スキル】

 新規獲得

 解体<Lv1>※解体時の仕上がりと速度が上がる。最大Lv10

 LvUP

 気配察知<Lv4> →<Lv5>

 回避<Lv2>→<Lv3>

 身体強化<Lv1> →<Lv2>

 風魔法<Lv1>→<Lv2>

 魔力還元<Lv1>→<Lv2>

 解体<Lv1>→<Lv2>


「うん。だいぶ上がったな。やっぱり討伐のクエストはLv上げにもってこいだ」


 最後の突撃猪の解体を、狐屋で買ったナイフセットの解体用ナイフで進めながら、ステータスの確認をする。

 大幅なレベルUPに、ついつい口元が緩んでしまう。


「タカヤさん。流石に解体しながらその笑いは引いてしまいます。そんなに解体楽しいですか?」


「いやいや違うよ。やっと依頼が終了したから安心したんだよ!解体が趣味とか危ない人じゃないよ!」


 なんだか盛大な勘違いをされているみたいで、必死に弁解するが、スズネの若干引いた目は解体が終わるまで、続いていた。


 解体スキルのお陰か、手順やナイフを入れる角度がなんとなく分かり、段々上手くなる解体が確かに若干楽しかったのは内緒だ。


「さて、解体も終わったし必要な数も狩れた。休憩中に毒草も確保できたし一旦帰ろうか」

 狩りに夢中になっていたとはいえ現在17鐘を廻ったところであった。


「うん。流石に疲れました。今日はもう帰りましょう」



 途中、野うさぎを1匹仕留め、スズネがもらって大丈夫とのことだたので、有り難く頂戴した。

 宿のお土産にしよう。野うさぎ料理得意って言ってたしな。


 そんな事を考えながら1時間ほどで、門にたどり着いた。


「おう!タカヤくん。やっと帰ったのかい。どうだ、依頼は達成できたか?」


 門に着くとミレークさんが出迎えてくれた。

 このミレークさんは最初に街に来たときに解析した門兵さんで、あれからもギランさんと共に、よく声を掛けてくれる良きお兄さん的な感じの人だ。


「はいミレークさん。ウルフと猪ですが、しっかりノルマ分は狩れました。そうだ入街証。今でもギルドカードの確認お願いできますか?」


「勿論だよ。じゃあ入街証とギルドカードを預けてもらえるかい」


 ミレークがそう言うと、すぐに入街証とギルドカードが確認される。


「ん。大丈夫だ。じゃあ銀貨5枚返却だね。それにしても今日1日の成果としてはかなりの量だね。あまり無理しないでね。」

 にっこりと笑いかけながら、優しい言葉をかけてくれる。


 ミレークさんは本当にいい人だ。今度ギランさんといるときに野うさぎ(コックスさん調理済み)を持ってこよう。


「ありがとうございます。それじゃあギルドに報告してきます。」


 ミレークさんに一礼し、スズネと共にギルドに向かう。時間は18鐘にそろそろなるタイミングで、ギルドの中は依頼達成の報告を待つ人で賑わっていた。


 この時間帯は流石に依頼を受ける人は極稀で、3つある受付も1つになり報告カウンターが従来の2つから3つに、買取カウンターも1つから2つに増えている。

 時間帯によって効率よく窓口の数を調整しているようだ。


 そんな事を考えていると思っているよりも早く、順番が回ってきた。


「お帰りなさいにゃ。死なずに何よりだにゃ!」

 元気一杯に対応してくる受付嬢。今回の担当はミーニャのようだ。


「こんにちは。ミーニャさん。依頼の達成確認をお願いします。」


「OKにゃ。それじゃあここに討伐証明部位と毒草を提出してにゃん。ふふん。ちゃんと3体ずつ狩れたかにゃ。」


 ミーニャは、クエストの失敗を匂わせながら不敵な笑みのを浮かべる。


 早速ファングウルフの牙と突撃猪の尻尾をミーニャの前のトレーの上に置く。

 ファングウルフの牙が5個を超えた辺りからミーニャの表情がおかしくなったが、気にしない。


「えっこれは今日1日の成果ですか…にゃ?違う日のはだめにゃ。違反にゃ」

 なんか不正を疑われた。


「えっちょっと待って下さい。ちゃんと今日討伐依頼もらってから仕留めたやつですよ!ファングウルフ7匹と突撃猪5匹、毒草20束です。」


 ギルドカードの討伐記録を見せながら、慌てて今日の成果を報告する。


 ミーニャもギルドカードの討伐記録と、討伐証明を見比べ驚きの表情を浮かべる。


「新人と討伐失敗続きの冒険者が、1日でこれだけの討伐数は異常にゃ。でも事実だから認めるにゃ。これが今回の報酬にゃ。ファングウルフ銀貨10枚銅貨50枚 突撃猪銀貨6枚 毒草銀貨16枚 確認するにゃ。あと買取に関しては、買取受付で査定するにゃ。あっち持ってくにゃ 」


 今回の頭数は、新人の冒険者ではありえない量らしく。

 通常ファングウルフ3匹 突撃猪3匹で1日を費やし、毒草に至っては他の討伐依頼を受けていれば、1本見つかればラッキーくらいの感覚だとのことだった。


 ファングウルフに至っては5匹を超えた場合統率者がいるケースが多い為そんなグループを討伐したのかと驚かれた。


 勿論違うグループと弁解したが、通常そんなペースでまず発見するのが難しいと、さらに驚かれた。


「よし合計32銀貨と50銅貨。あとは買取がどれくらいになるかだね。」


「はい。楽しみです。やっと依頼が達成できて、しかもいつもより多く討伐できましたし」


 軽い足取りで2つ隣の買取受付に向かう。


 受付にいたのはドワーフのような低身長の樽型の体型のおっちゃんだった。


「おう。期待の新人君じゃねーか。討伐依頼受けたんか!素材だしな」

 なんか凄い勢いで迫られる。


「あっはい。いまだします。。。」


 ちょっとビビってしまった。

 鞄に手を入れ収納BOXから素材をとりだしおっちゃんの前に積み重ねる。


「ほー。流石期待の新人だ。ファングウルフ7に突撃猪5か。しかもどれも急所に一突きで解体も少し不慣れだが何枚かは比較的上手く出来てる。まぁいいだろう。ファングウルフの毛皮と牙で1体分あたりには1銀貨 突撃猪は毛皮は40銅貨だが肉が食肉として買い取ってるから1銀貨20銅貨で計1銀貨60銅貨だ。ほれ15銀貨受け取りな、それと魔石分だな。ウルフと猪どちらもFランクで1つ銀貨1枚で12銀貨だな 」


 何故か満面の笑みを見せるおっちゃんは硬貨の入った小袋を乱暴に置き、報酬を渡してきた。


「ありがとうございます。ではまたよろしくお願いします。」


「おう!無理せず無理してまた持ってこい!俺はガンドン。魔物の解体の事が知りたきゃいつでも尋ねな!」


「有難うございます!解体は手探り自己流なので是非教えて下さい!」

 2人して満面の笑みでやりとりしていると、後ろの方から冷んやりとした気配が突き刺さる。


「あー。スズネさん?お待たせしました。。。」

「はい。とっても待ちました」


 とっても冷たい笑顔でした。


読んで頂きありがとうございます。

100万PVという遥か先の目標の為頑張ります!

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物語の精査の合間に書いた小説を新作として公開致しました。
ぜひこちらもよろしくお願いします。

迷宮都市の料理人
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