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『鉛筆屋』

 警察と救急車が来る前にジンはその場から逃げ出した。警察相手につい先日ゴタゴタを起こしたばかりだからである。

 駅へと歩く道は行きと帰りで違う道を使う。習慣を嗅ぎ付けられたくない。

 選んだ道は雑多な飲食店が立ち並ぶ場所だった。だが、そこには明らかに似つかわしくない者がいる。それは制服姿の学生たちだった。

 学校がある時間にも関わらず、彼らはぼんやりと空を眺めていたり、うなだれていたりする。まるでそれは死人のようだった。

 ジンは注意深くあたりを観察する。こんな場所は危険だと本能が告げている。得物を家に置いてきたことが悔やまれた。最も、あんなものを担いで街中を闊歩するわけにもいかないが。

「ねえ……君も買いに来たの?」

 一人の背の高い少年がジンに後ろから話しかけた。驚いて振り向くと、そこには幽鬼のように佇む制服を着た男子高校生がいる。

「僕も学校でひどい成績取っちゃって……あれがないとやっていけないんや……」

 無視をするのはまずいと直感的に悟ったジンはそれに応じた。

「……あれか。俺もあれを探している。扱っている人間は?」

「うんうん、君もひどい目にあったんやねえ。世の中理不尽やからねえ。……今日は『鉛筆屋』は来ないよ。一週間に二日くらいしか来ないから……」

「悪い、その『鉛筆屋』が次来るのはいつか分かる?」

「明日か、明後日やと思う。でも、顔見知りじゃないと吹っ掛けられるから、気を付けた方がいいよ。僕が紹介してあげようか?」

「ああ……頼む。その『鉛筆屋』には色々と世話になりたいからさ」

 どう見ても、ろくでもない事態が進行していることは明々白々だ。しかも、組の縄張りである三宮で。これは竜胆会の一員として見過ごせないとジンは思った。まずは件の『鉛筆屋』の調査および捕縛を優先する。

 急に舞い込んだ仕事を報告するため、急ぎ足で阪急神戸三宮駅へと向かった。

おはようございます。今日から夏休みの星見です。

中途半端な曜日ですが、休暇を使って色々日本各地を回ってみたいと思っています。幸い実家に戻るのは一日だけなので執筆に励めそうです。


さて本編の中核その一、麻薬事件のしっぽが見えました。『鉛筆屋』さんです。さて、どうなるんでしょう?それは私にもわかりません。基本的に彼らが勝手に突っ走ってくれますから(特にルエビザ。プロットなんて無視ですよ(笑))


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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