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窮地の竜胆会

 そしてそれは突如やってきた。

 誰もが予想していなかった、しかしジンが今必要としている不確定要素。

「保険金詐欺! 上等デス!」

 両手にハンドバズーカを装備した、日本に初めてキリスト教をもたらした人物に酷似した男。その男がその場に闖入し、手当たり次第バズーカをぶっ放し、怪異たちを吹き飛ばしていく。その様はさながら暴風だ。もちろん、彼には敵味方の区別などできるはずもない。だが、今はそれでいい。何故なら、敵の数が圧倒的に多いからだ。

「宣教師さん、そいつらは賞金首だ! 多く討ち取ったら防衛省から報奨金七十億円が出るぞ!」

「ヨッシャ! 頑張リマス! ブチノメシマス! れっつごーだーい!」

 張り切って怪異たちを掃除し始めた彼を放置して、ジンは怪異の発生源を探す。そこを潰せば勝ちだ。

 彼らは山の手から市街地に流れ込んでいる。

 ジンがそれを悟るのにそう時間はかからなかった。

「六甲山のどこかが敵の本陣か」

 範囲が絞れたとはいえ、広すぎる。組員を総動員できる状況でもない。ここでまた手詰まりだ。

 そんな時だった。

 追い打ちをかけるような電話がジンのスマホにかかってきたのは。

「竜胆会本部壊滅寸前! 謎の一団が襲撃中!」

 その声は幹部の星崎のものだった。神崎の留守中に竜胆会の本部の指揮を任されている。武闘派組織の、しかも幹部が指揮を執って潰走せざるをえないほどに竜胆会は窮地に立たされていた。

「星崎さん! 一体何が?」

「巨大な人間や! 角を生やし、牙を生やし……」

 そこで声は途切れた。

こんばんは、星見です。

忙しさのピークは過ぎたものと思われます。

今年も(いらんことで)忙しかった感が否めません。しかし、いい題材が得られました。これはまた第三部あたりで書こうと思います。


さて、竜胆会ピンチ! そして秘密兵器ルエビザ登場! 彼が人間として定義されるかどうかはさておき、今作でも暴れてくれることでしょう。


遅筆になり誠に申し訳ありません。

気長にお付き合いいただけると嬉しいです。


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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