白石実里
「どーも、初めまして。黒崎ジンでーす」
「初めまして、葉村綾です。よろしくお願いします」
二人は神戸海洋学園の制服――ジンは白シャツに黒のブレザーに緑色のネクタイ、紺と深緑柄のスラックス。葉村は白いブラウスに緑色のネクタイを締め、ジンと同じ柄のスカート――を着て、転入挨拶を教室で行っていた。二人はクラスにいる四十人弱の視線を浴びているが、一向に緊張していない。ジンは面倒くさいという感情を顔に出しているし、葉村は猫を被って笑顔を崩さない。
教師の指示で、それぞれの席に着くと、早速一時間目の授業が始まった。
「間取り、把握する必要があるな」
放課後、誰もいない教室に残ったジンは葉村と作戦を練っていた。まずは、標的をあぶりださなければならない。
「そうね。後は、向こうもこちらの動きにある程度気付いていると考えるべき。この時期の編入はそう多くないでしょう」
使える武器はそう多くない。まず、爆発物系統は使いにくい。施設そのものを広範囲にわたって破壊してしまうからだ。今回の任務は、相手に気付かれずに、相手を潰す必要がある。だから、戦闘になった時、前に出るのは必然的にジンになる。
「二人だと人員不足っぽいな……。とはいえ、赤木を連れてくるわけにもいかないしな。あれは徒歩で登校するとは思えない」
「バイクで下駄箱をすっ飛ばして、教室の扉をぶっ飛ばすでしょうね」
「……問題行動を起こして一日で退学になりそうだな」
赤木が金属バットで教師を殴り倒す光景が容易に想像できて、ジンは軽い眩暈を覚えた。こういう仕事では、竜胆会は人員不足である。
「あら、編入生の……ええと、黒崎君と葉村さんだったかな? どうしたの? もしかして、お邪魔だった?」
二人は、はっとして、声の主の方を向いた。
声の主は教室の入り口で、ふわりと柔らかな笑みを浮かべているその少女はクラス委員長をしている生徒だった。
ストレートのロングヘアは黒く艶やかで、学園でも一二を争う美少女。確か、モデルとして活躍している。
ジンはそんな情報を他の生徒からの会話から思い出す。
「いえ、そんなことはありません、白石さん」
返事をしないジンを見かねた葉村はそう答えた。
「別に黒崎君とはそんな関係じゃありませんから、何も問題はありませんよ」
「ふうん。でも、同級生なんだから敬語はナシにしましょ? そうしなきゃ、仲良くなれないじゃない?」
白石実里はそう言って、微笑んだ。その微笑みは人懐こく、爽やかで。相手の心を溶かすような笑みだった。
「改めて、白石実里です。よろしくね」
軽やかな足取りで二人に近づいた彼女は、ジンと葉村に握手を求める。
それに応じたのは葉村だけだ。
「あら、黒崎君は緊張しちゃってるのかな?」
「……いや、そういうわけじゃない。すまないが、握手は嫌いなんだ」
「そうなの? ま、いっか」
あっさりと白石は手をひっこめた。
「それで、二人はどんなお話をしていたのかな?」
こんばんは、星見です。
とうとう2月ですね。今の職場ともお別れが近づいてきました。
実際仕事は今月いっぱいなので、3月は引っ越しやらに備えることになります。
そういえば、今日は節分。
皆様は恵方巻を食べましたか? 私はブリが好きなのでブリの細まきを買ってきて食べました。
非常にどうでもいいですね(笑)
さて、新キャラの白石実里ちゃんです。モデルさんです。美少女らしいです。
どんなことをしでかしてくれるのか、乞うご期待。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




