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幕間:悪魔の遺したもの

Interlude in


「おい、どういうつもりや?」

 荒っぽい口調で神崎が問う相手は一国の総理だ。

「どうもこうもない。これはそういうものだ、としか私には答えようがない」

 神崎が問い質したのは、内容が勝手に書き込まれていく不可思議なファイルのことだ。内容の詳細は分からないが、何やらとんでもない事態が裏で起こっていることぐらいは直感的に分かった。

 スマホを握りしめた神崎は

「このファイル、作成者は誰や?」

 と五十嵐に問う。

「悪魔だよ。正真正銘の」

 返ってきた答えの中には怯えがある。一国の総理さえも怯えさせるほどの何か。神崎は自分の想像以上の何かがまだあると思い至った。

「ファンタジーやあらへんのやさかい、もちっとまともな回答してや。じゃあ、質問変えるわ。晶具ってのは何や? これなら分かるやろ」

 刃金は葉村の異能を見ただけで分かる。あれは超常の力だ。あんなものはそれこそ一つで軍の一個大隊を敵に回しても勝てるだけのスペックを誇る。

「その悪魔の作った魔神の腕とでもいえばいいか」

「魔神、か。まあそうやろな。で、晶具は全部で何個あるんや。まさか、まだまだ増えるとか言うんやないやろな?」

「全部で二十九個。それがあの悪魔の遺した晶具だ。彼は、その晶具を使って全人類を根絶やしにするつもりだったらしい」

「随分酔狂な人間よな。人類根絶やしとかどんだけ人類大嫌いやねん?」

「さて……奴の思考回路など私の知る由もない」

「で、刃金みたいなのの相手にしとって、さらに占領軍も追い払えやと? ワシらがどんだけちんまい組織か分かって言うとるんか?」

「ああ、そうだ。だから、晶具を集めろ。その使い手を集めろ。そうすれば、事は不可能ではない。最も……魔神の腕に喰われなければいいのだがな」


Interlude out

こんばんは、星見です。

とりあえず今年度の山は越した、といったところでしょうか。

転職前に資格試験を一つ受験するので(しかも来月!)その勉強も今しております。

学部生時代に勉強した数学や工学やらのテキストを本棚から引っ張り出して。

更新頻度はやや上がる、かもしれません。上がったらいいな(願望)。


次回は新キャラ登場です! 乞うご期待!

ではまた、次回お会いできることを祈りつつ……

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