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幕間:暗黒街のドン

Interlude in



「『鉛筆屋』、今週の売り上げは?」

「へい。五十七万ってとこです」

「ふん、しけた金だな。来週からはもっと販路を拡大しろ。県下の学校すべてに売り込むつもりで構わん。既に教育委員会の一部は買収済みだ」

 三宮の暗黒街の支配者は豪奢なソファにふんぞり返って、グラスを傾けていた。テーブルをはさんで、その対面には小太りの青年がソファに腰かけている。

「県下の学校といっても、十校とありませんぜ?」

「豊岡から姫路まで動き回れ。交通費くらいは工面してやる」

 交通費を鑑みれば赤字になるんじゃないかと思ったが、『鉛筆屋』と言われた青年は黙っていた。

「ドン。こんな商売よく思いつきましたね?」

「まあな……学生どもはカモだ。ついでに言うなら、この国のあり方も、な」

「この国、もう腐りきってますやん。人間力なんて胡乱なものを頼りにしとるようじゃあ、そりゃあ大学が就職予備校もどきになりますわ」

「遠大な計画があるのだよ。そのためにも、我々はこの街で拡大し続けなければならん。おい、女衒の件はどうなっている?」

「そっちも順調です。市役所の職員やら警察官やら教師やら公務員どもが女を貪り食ってますわ。やっぱり上級国民は違いますなあ」

「まあそいつらもエサなんだがな。今は踊らせておけ。資金はいずれ我々の側に流れるように細工してある」

「それにしても市議会や教育委員会を買収するなんて、どんな手練手管使ったんです?」

「それも根回しの賜物だ。日本人というのはお人よしすぎる。この占領下で生き延びていくには頼りない。それに、日本人どもはいずれ絶滅する。そう遠くない将来にな……」

「ドン=チェグソン……。さすがに器が違いますなあ」

「警察ももうすぐ我らが手に落ちる。そうなってしまえば、日本は我らのものだ」

 ドン=チェグソンと呼ばれた男の高笑いが響いた。


Interlude out

こんにちは、星見です。

今日は休みです。自主休業しました。この三か月で土日出勤の数がえらいことになっていたので、それを消化すべくです。


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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