元勇者売りの少女
力を持たない召喚者がいるならば、こんな話があってもいいんじゃないかと思って書いてみました。
もしも、与えられたチートを奪う力があれば…きっと、こんなことも起こるのではないでしょうか。
「――汝、サチコ・イトウは勇者の名を騙り、人々に不安を齎しなおかつ勇者様や王国の威信を傷つけた。その罪は重い」
幾重もの拘束をされ、見える肌には至る所に青あざが見て取れる少女を見下ろしながら、神官の厳かな発言は小さな教会に響いている。
神官は金の刺繍が施された僧衣で出っ張った腹を隠し、ソーセージを思わせる指には輝かんばかりの宝石を身に纏い、それだけで教会が数年以上は経営できるだろうという装飾を身に付けていた。
貧しい人々を救うはずの神官。傍から見ても贅の限りを堪能していると思われる神官は眼科で唯一自由に動く目で睨みつけてくる少女を見下しながら、さも汚いモノでも見るような視線を向けていた。その顔には隠し切れない侮蔑の色が見て取れる。
だが、そんな表情をしているのは神官だけではない。
神聖な儀式であるにも関わらず、教会には嘲笑を含んだ囀りが止むことなく響きそのすべてが少女に向けられていた。
この場にいるのは各国の王族や王に近い貴族。そして、少女と同郷の勇者の中でも一際力を持つとされ、英雄と呼ばれる三人だった。
彼らは同郷の少女が殺されそうだというのに、少女に興味を示さない。その瞳は少女ではなく、隣にいる複数の美女たちに向けられていた。ここに来たのだって、彼らにしてみれば王に頼まれたからであり自分たちの名声を高めるためでしかないのだ。
そもそも、彼らが少女を嵌めて殺させるように仕向けたのだから同情などするはずもなかった。
いや、目の前で殺されれば動揺はするだろうが、彼らはこの世界に来てから汚いモノをあまりに見なさ過ぎた。だからこそ、これから起こることをどこか物語や映画のように自分たちと関係のない世界の出来事だと思っているのだろう。
そんな余裕があと少しで崩壊することなど知りもせず、そして知ろうともしなかったことが悲劇を起こすのだった。
伊藤幸子にとって、異世界に召喚されてからの日々は不幸の連続だった。それこそ、「幸」がたくさん付くようにと願って名づけてくれた親に対して不幸がたくさん付きましたよと皮肉を言ってしまいたくなるほどには。
そもそも、普通に学校に行っていただけなのに、異世界召喚に巻き込まれただけでも十分不幸なのだ――まあ、それは全員に言えることなので文句を言う相手がいなかった――が、彼女の不幸は全く別のところにあった。
それは、召喚者全員に与えられた能力。召喚系ノベルで言うところのチートスキルが原因だった。
彼女の能力はズバリ「真実の瞳」。まあ、読んで字のごとく真実を見抜く力を持っていたのだった。
そして、その能力のせいで彼女は知ってしまうことになる。
目の前で申し訳なさそうに謝罪している王様が語っていることが嘘だということを。
王様は、自分たちの不手際で異世界の者たちが召喚に巻き込まれたと説明しているが、彼女の瞳にはそれが嘘であると見えていた。いや、それだけならば理由を探ろうと慎重に行動したかもしれなかったが、「真実の瞳」は嘘偽りなく本質を見抜いていた。
王様の頭上には『召喚者たちに授けられる能力を使い、他国を侵略するための足掛かりとする』という言葉の裏が見て取れたのだった。
最初は何のことだかわからなかったが、王様から能力の確認の方法を聞き能力名を知った時に彼女はすべてを悟ったのだった。当然、このことを知られるわけにはいかないので表向きは鑑定系の能力だと嘘を吐いたのだが…。
そして、彼女の能力は他の召喚者たちの能力や心も読みとることができた。だからこそ、彼女は行動に出た。
まず、召喚された人間の中で正義感に溢れている人物を探した。
見つけたのは義野正といういかにも正義という感じの人物だった。彼の能力は「豪腕」と荒事にも向いており、頼るにはうってつけの能力だと言えた。――ちなみに、そんな彼は幸子の処刑に居合わせており、隣には召喚国のお姫様を筆頭に数人の女性を侍らせて幸子を汚物でも見るような目で見ている。
そう、幸子はこの人物に助けを求めたことで処刑されそうになったと言っても過言ではなかった。
そもそも、この義野正という人物は王様の話(真っ赤なホラ)を聞かされ、自分こそがこの世界を救える人間だと信じてしまっていた。小説などで周りを無視して勝手に魔王討伐を承諾するような人間だった。そして、そうと決めたら周りはすべて自分を引き立てるための存在だと勘違いしていた。
そんな自分の正義に陶酔している彼にとって、それを否定するかのような存在である幸子は目障りな存在にしかならなかった。だが、彼女の能力――ここで幸子は本当の能力を打ち明けている――は不利になりそうだと話を聞く素振りを見せ、そして王様に彼女の本来の能力を告げたのだ。
それから王様は彼女を一際遠ざけ、自分たちはおろか他の召喚者と関われないように徹底した。そうした上で他の召喚者に彼女の悪い噂を流し、彼らが自分たちの思うとおりに動くように操作していった。
最終的に幸子は召喚者たちから見限られ、助けに来たという義野正によって罪をなすりつけられ処刑されようとしている。他の召喚者も召喚されて以来姿を見ていない彼女が実は召喚者たちを助けようとしていたなどと思うこともなく一際活躍して勇者と英雄視され始めていた義野正の言を信じたのだった。
「罪人よ、最期に何か言い残すことはあるか?」
口布を付け、目隠しもされている人物にそんなことを聞いても答えられるはずがないが、聞いている神官本人も周りの参列者たちも一切弁解させるつもりなどないのだからそんな矛盾は追及しない。これは一応、形式的に処刑しますよというアピールでしているに過ぎなかった。
「なにも言い訳をしないのならば、罪を認めたものと判断する」
幸子は幸子でもはや抵抗する気力がなくなっており、されるがままに連行されていく。
そして、先程まで嘲笑しか聞こえなかったのに一気に騒がしくなる。その騒音の大半が幸子の死を願う声だった。
幸子は最期に民衆の前で処刑されるのだ。
広場に集まったのは、幸子のせいで家族を亡くした者たち。正確には幸子が裏で暗躍したとされる罪で殺された者たちの家族。つまりは、騙されている民衆だった。だが、真実は知らなければ虚実こそが真実になる。つまり、彼らにとっては幸子こそが悪の元凶だった。
もし、仮にこの場で幸子が発言していてもそれは彼女が言い逃れようとしているだけにしか聞こえないだろう。誰だって自分たちを救ってくれたと思っている相手が黒幕だなんて思いたくなどないだろうから。
目隠しをされ、言い訳もできないまま、幸子はギロチンに繋がれる。
「それでは、これより神聖なる神の名において罪人の処刑を決行する」
神官の宣言で民衆のボルテージは最高潮に達した。
あとは、ギロチンが彼女の首と胴体を切り離せばすべてが終わるはずだった。
幸子は絶望の中で聞こえた声に耳を疑った。
民衆の怒りと自分の死を望む声で鼓膜が破けそうな喧騒が支配していても、その声はハッキリと幸子の耳に届いていた。『神の名において』という言葉は。
(――神?)
絶望から無気力になっていた幸子の体に力が戻る。
その理由は死を自覚したことによる恐怖からではない。今、彼女の体を支配しているのは怒りだった。自分を嵌めた王や召喚者ではなく、この状況を作り出した元凶である神に対しての怒りだった。
(お前が、お前がお前がお前がお前が―――)
――神がこんな力を授けなければ。
――神がこんな世界に呼ばなければ。
怨嗟の声が彼女の隠された力を開放する。
本来、彼女の能力である「真実の瞳」は目を隠したからといって使えなくなるものではない。最悪、目を抉られようとも使える能力なのだ。使えなかった理由はただ一つ、彼女自身が使えないと信じていたから。
そして、能力の本質は彼女が見たい真実がすべて見えるというもの。つまり、勇者の危惧はあながち間違いではなかった。だが、彼女はあまりにも人と関わらなさすぎたために力を使いきれなかった。
その力が今、解放された。
彼女は望んだ。ただただ、元凶を見つけたいと。
そして、彼女は見つけた。
神は、神界で世界の様子を見ていた。
そもそも、神にとって召喚とは娯楽でしかなかった。毎日同じことの繰り返しを見ていてもつまらない。そんな時に、劇的に変化をもたらせてくれるのが異世界人という要素だった。
だからこそ、暇つぶしに何度も繰り返してきた。
だが、突如襲った悪寒の後に下界の様子が突然見えなくなった。それだけでなく、その星がどこにあるのかすらわからなくなっていた。
まさに、テレビを見ていたら突然砂嵐状態になり、加えて停電で対処の使用がなくなったかのような状態だった。
「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛っぁぁっぁぁぁぁっぁぁっ!!!!」
それまで沈黙を保っていた罪人が吠えた。まさに獣の慟哭にも似た叫びが、集まっていた民衆の耳をつんざき、彼らの耳を塞いだ。
口を覆っていたはずの布は噛み切られており、それに気付いた衛兵が慌てて布を付け直そうと動き始める。
だが、それよりも彼女の行動の方が早かった。
彼女は己を拘束している枷を引き千切った。文字通り引き千切った。それも鋼鉄の枷を。
それには彼女に罪を着せ、処刑しようとしていた者たちもギョッとした。彼女には戦う力はない。そう思っていたからだ。だが、彼らは余裕の態度を崩さない。なぜならば、彼らの傍には圧倒的な力を持つ勇者たちがいたからだった。
「豪腕」の勇者、義野正。その力は山をも持ち上げるとされる。
「武器創造」の勇者、前原巧。イメージするだけでどんな武器も作り出せる力であり、まさに一騎当千と呼ぶに相応しい戦場の英雄。彼の齎した近代兵器は戦争の様相を大きく変貌させた。
そして最後に「隷属」の勇者である風祭翔真。ある程度の段階を踏まなければならないものの、その者の自由を奪い服従させる力。まさに彼女を捕えた張本人である。そんな彼は今では世界最大の奴隷国家の元首となっている。
戦場に出れば百戦錬磨。この力でいくつもの国を落としてきた勇者たちの代表格。それに対するは、ただ真実を見抜くだけの少女。この布陣で負けるわけがないと高を括ってもしょうがないと言える。だが、それは力を使えたらの話。
最初に異変に気付いたのは「豪腕」と「隷属」の勇者だった。
いや、正確に言うと気付けたのは「豪腕」だけで、「隷属」は気付く暇すらなかった。なぜならば、彼は連れていた女性たちにめった刺しにされ、すぐさま死んでしまったからだ。
片や突如連れていた女性に刺され、もう一人はまるで着ている鎧が重くて動けないように倒れてしまった仲間を見て動揺しつつも逃げ出そうとしていたが、そんな彼の足に突如として激痛が走った。
悲鳴を上げて倒れながら足を見れば、彼の太ももの肉は抉られ骨がむき出しになっていた。
何が起きたのかわからず、辺りを見渡せばあり得ない光景が広がっていた。
それは惨劇。次々と頭を撃ち抜かれ、地面に転がっていく死体の山だった。
それをしている張本人――先程まで処刑されそうになっていた少女――幸子は、笑いながらこの世界には存在しない武器『銃』を使っていた。
「バ、バカな……!?」
ありえない。彼はそう言った。何故ならばその武器はこの世界には存在せず、自分だけが作り出せる物だったからだ。召喚者の力は何一つ同じものが存在しないはずなのだ。
痛みに耐えながら、発した言葉に反応するように少女――幸子はゆっくりと発言者である前原巧のもとへと歩いて行く。
それに恐怖を覚え、「ヒィッ…!」と声を上げるが歩くこともままならない足では這うしかなく当然その程度の抵抗では逃げられなどしなかった。
周りには戦う力のない王族たち、つまりは見物人だけが残され仲間は戦闘不能という絶体絶命の状況。そこで彼に恐怖しか与えない存在は笑みを浮かべて彼の前で止まった。
「やっほ♪元気ぃ~?」
それは、彼の知っている伊藤幸子ではなかった。
彼の知っている伊藤幸子は何をされても反応しないつまらない存在という認識しかなかった。別に、彼は義野のように正義に溺れたわけではなく、やりたいことをやれる世界が楽しいから遊んでいるだけだった。だから、彼女が処刑されると聞き人の死を間近で見たくてわざわざ来たのだ。
それがこんなことになるなんて思ってもみなかった。
「…その眼、何が起きているのか知りたいって目だね」
無表情だった彼女の瞳には今、愉悦の色が濃い。いや、それしかないと言っても過言ではないだろう。
その余裕はどこから来るのか、そして先程から力を使おうとしても使えないのはなぜなのか。その理由が彼女の口から明かされた。
「そんなことがあってたまるかっ!!」
囁くように告げられた言葉に対し、彼は普段からは信じられないほどに焦った表情を浮かべて否定の言葉を発した。それに対し、彼に付き添っていた隣国の姫であり婚約者は困惑を隠せない。彼が興味を示すのは戦と女のことだけしか見たことがなかったのだ。
そして、それは王たちも同様だ。彼がここまで取り乱すことなど見たことがなかった。事実、初めての戦争で数千の命を奪った時でさえ彼は顔色一つ変えなかった。
嫌な予感がしつつも、皆真相を知りたがった。そして、怒りで痛みを忘れていた彼の口から真実が告げられた。
彼女の神の能力と――そして、神の力を奪ったということが。
神の力を奪った以前に、神が存在していたということに驚き口々に狂言だとのたまう。その先頭には先程神の言葉を代理するかのような発言をしていた神官がいた。
それが煩わしかったのか、無言で転がる兵士の死体を掴み神官めがけて放り投げた。死体はメジャーリーガーも腰を抜かすほどのスピードで神官に直撃し、神官は息絶えた。
しんとする教会に彼女の声だけが響く。
神の力を奪ったと言うが、奪ったのは神が自分たち――勇者に与えた力。つまりはチートスキルだけだと。手始めに、ここにいた勇者たち三人の力を奪ったと。
つまり、「豪腕」が抜けたことで元の世界では身に付けたこともなかった百㎏を超える鎧を支えきれなくなった。それまで「隷属」で従わせていた者たちの支配が抜け、恨みを晴らされた。そして、この手にあるのは「武器創造」で作り出した自分たちのいた世界の殺戮兵器だと。
それを証明するように引き金を引き、放たれた弾丸は茫然とする参列者の一人を打ち抜いた。
その者の鎧は「武器創造」によって作られた物で、いかなるダメージも通さないという物だったが、力を失った時点でただの鎧になっていた。軽々と鎧を貫いた弾丸は着用してた人物の命を奪い去った。
それまで世界に絶望し、平伏していた少女の復讐が始まった瞬間だった。
「ダメ。はい、次――」
処刑騒動から半年後、幸子はずらりと並んだ長蛇の列をさばいていた。
騒動直後、力の仕えなくなった勇者たちは見限られた。王族たちは手のひらを返したように幸子に便宜を図ると宣言した。それは友好的なものから、恐怖によるものまで様々だった。当然、幸子を利用しようとする者もいたが幸子の力の前には意味をなさず、国ごと滅ぼされる始末。
また、勇者たちは幸子の力と代表の三人の身に起こったことを聞き、身を隠した。――まあ、幸子は知りたいことを知れるので居場所なんてすぐにわかるわけだが。そうして、彼らは好き放題やってきた代償を支払うことになる。
まず、能力を悪用していたものは全員能力を奪われた。
悪用していなかった者は、猶予期間を与えられ忠誠を誓わされた。悪用していなかったが、自分を見捨てたことに変わりはないと考えていたからだ。
さらに、今回の顛末を含めて世界中に真実が発表された。国の思惑も、勇者たちの実態もすべて。
そこで怒り狂うのは幸子の処刑を望んでいた者たちだ。現金なことに彼らは幸子に勇者や王の処刑を求めてきた。ただし、そういう奴らは全員処刑された。何も考えない奴らにそんなことを言う資格はないという判断だった。
だが、無暗矢鱈と処刑をしていれば敵わないと知りつつも反旗を翻してくる人間が出始めるだろうと判断した幸子はある事業を始める。
それが「元勇者の派遣」だった。
派遣先は、彼らに恨みを持っている人間。派遣中は能力も使えない、この世界の人間でないのでこの世界の力も使えないただの人間以下の状態にして要望があった勇者を派遣していく。派遣された先では、まさに馬車馬の如く働かされ、恨みを晴らされる。
家族を失った者は、その悲しみを訴えるように手荒く扱う。
財産を失った者は、それを補填すべく過重労働を強いる。
名誉を失った者は、勇者を犠牲にすることで一時的に反感を抑える。
幸子本人と死亡した「隷属」の勇者を除いても百人近くいるので人材には困らなかった。むしろ、派遣要望が多すぎることに困るほどだった。「武器創造」の勇者である前原巧はあの後、治療系のスキルによって治療が施されていた。(もちろんそれも奪った力だ)
さらに、幸子は借りる人間の本質を能力で見極め、欲にまみれて借りに来た者には一切貸さなかった。
恨みはあっても一応は同郷の人間。そこは幸子が情けをかけたと言われているが、実際は違う。これは、単純に苦しみを長く与えるためにあっさりと死にそうな場所を避けているだけだった。
しかも、幸子はその様子を知ることができるので貸借後のアフターケアも万全。もしも、幸子の思惑を覆そうとする者がいれば、国ごと滅ぼすと宣言していた。
そのために、自分を召喚した国を真っ先に滅ぼしていたのだ。
元の国にはそれ以降数世紀に渡り、草木一本も生えない不毛の地となっていた。
勇者によって荒らされた世界が裏切られた元勇者の少女の手によって元通りになるのにそれほどの時間はかからなかった。
そして、その頃には勇者とは彼女一人を指し示す言葉になっていた。
この功績を称えられ、幸子は後に真実の聖女と呼ばれるようになるが彼女はその呼び名を喜ばなかった。呼ばれれば、不快そうに眉を顰めていたほどだった。
さらに晩年、彼女の怒りも薄れてきたのか様々なことに尽力した。
特に多かったのが、力を失っても勇者に群がってくる異性の撃退であり、中でも自分に言い寄る異性に対して徹底的に抗っていたそうだ。
男嫌いの聖女である彼女は誰とも子を残すことはなく、彼女の力は彼女が死ぬと同時に失われた。死んだことでようやく力が戻った神は、世界の変わりようと自分の存在が現在の世界では邪神として扱われていることにショックを受け、さらに本当に力がそちら方面へと変わったことで神の座を追われることになった。
そして、その次の神の座に座ったのは、地上では真実の聖女と呼ばれていた女性にそっくりだったという。
勇者の中には善行を働いていた者もいましたが、幸子を助けることはありませんでした。結局のところは自分の身が可愛かっただけの存在だということです。正義を遂行するということは誰かにとっての悪である可能性を考慮していなければならないと思います。