~獅子~
完結までは程遠いですが…投稿しました…さて、読んでくれる人はいるのかな?
アルクを殺そうと振るわれる剣や槍。
アルクは長い長剣を使い、攻撃を逸らし、砕き、かわした。
そしてまるで円を描くような動きで振るわれる剣。次の瞬間にはアルクの周りの者達の胴や頭や腕が赤い液体をばらまきながら宙を舞った。
アルクの体は既に限界を超えている。
軍団に接敵するまでに受けた傷は普通なら確実に死んでいるレベルだ。焼け焦げていた左腕は既に半端から無くなっており其処からは今も赤い血が止め処なく流れている。度重なる攻撃でさばききれずに体の至る所を斬られ其処からもどんどんと血が体の外に流れていく。
そんな状態でも顔には口が裂けそうな程の笑みを貼り付けて軍団の中を突き進んだ。
アルクはどんどんと霞む意識をどうにか繋ぎとめて動かす事すら億劫な体を必死に奮い立たせていた。
そんなアルクの前にアルクの倍の大きさはあるだろう鉄の塊が立ちふさがった。
いつの間にかアルクへの攻撃は止んでいて、周りはジリジリとアルクと距離を離していく。
…機動兵器か。
目の前にある鉄の塊を睨みつけながらアルクは凶悪な笑みを浮かべて鉄の塊、機動兵器へと斬り掛かった。
*
アルクが降り注ぐ炎をかいくぐり軍団に接敵するのを見て部隊長である男は驚愕とそして恐怖を感じていた。
(あの炎の雨を突破してきただと!?…まさかスレイヤーか!?…ああクソ!)
「奴を囲め!四方から同時に攻撃しろ!!」
(例えスレイヤーだろうと相手はたった一人だ…)
視界に映るアルクの顔を見た部隊長は背筋を走る悪寒を感じた。
(笑っていやがる…)
部隊長は指示を出しながら拭えない不安を消す為に一部隊に一機ずつ配備されている機動兵器を起動させるべくその中へと乗り込んだ。
アルクさんには血肉踊る道を歩んでもらいます。