表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

~傭兵~



傭兵。この世界では金で雇われ戦いに身を置く者達がいる。

国や企業、町や村、 テロリストやレジスタンス。


金さえ貰えればどんな者にもなり得る者達。



この話しはある国の姫に雇われた傭兵達の中の一人の傭兵の物語。



その姫は第三位王位継承券を持っておりこの物語は現王が戦いの中で死に、身内同士の血と血を洗う継承券争いの戦いから始まる。


姫は平和ボケしたお嬢様だがその側近が姫に進言して兵を集めた。集められた中には勿論傭兵もいる。その中の一人が主人公である少年アルク。



戦いの中傭兵は駒のように扱われる。体のいい捨て駒である。


傭兵に身を置いてまだ日が浅いアルクは戦場で必死に戦った。飛び交う矢や魔法。

機動兵器やスレイヤーと呼ばれる化け物じみた傭兵。

そんな戦場を越え次第に心は壊れていく。最初姫を見た時に感じた淡い恋心など遠い昔の話しだ。


戦場で多くの者が死んだ。自分の隣りにいた者。最初に自分に話し掛けてくれた気のいいおっちゃんも、戦いの中で出来た心を許せる仲間も、みんな死んだ。



それでも、戦わなければ自分が殺される。例え相手が命乞いをして泣き叫んでも、例え相手が知った顔であっても。相手がどんなに強敵でも、殺す、殺す、殺す!




連戦に連戦を重ね全員が疲れきっている兵舎にそれはふらりとやってきた。戦時中だというのに豪華に着飾ったドレスを身に纏い周りには小綺麗な騎士を数人引き連れてアルクの前に立つ、その顔は汚い者を見るように僅かに歪んでおり扇子で口元を覆いながらアルクを睨んでいる。


いったい何のようだ。と怒りを覚えながらも雇い主だからと堪えた。


姫が側近に合図を送ると側近の男が一歩前に出て何やら読み始めた。


どうやらアルクの働きを称える内容のようだ。


長い話しを読み上げると数枚の金貨と姫直筆の書状などとゆう物をアルクの前に置いて早々に帰っていった。


何をいっているんだコイツらは?こんなはした金と紙切れを渡して充分だど思ってるのか?


ふざけるな!最後の去り際まで汚い者を見る目で見ていたあの姫を思い出す。



あの汚れを知らぬお姫様の泣き叫ぶ姿を思い浮かべて顔が歪むのを自覚する。



いつかあの女を組み敷いて汚して、使い終わったらぼろ雑巾のように捨ててやる。


それからも戦いは続き激しさをましていった。アルクはがむしゃらに戦った。その胸に歪んだ野望を抱きながら。




何時しか戦場ではアルクの事を「狂気の殺戮者」と呼ぶようになった。


慈悲も情けも無く殺しを楽しむかの用に歪んだ顔は敵にも味方にも恐怖を与えた。


戦争開始から二年。 ようやく終結した。

結果はアルクの活躍もあり勝利した。

皆が皆疲れ果て、しかし、ようやく戦いが終わった事に安堵していた。



そして、いざ報酬となった時、問題が起こった。報酬をアルクにだけ払えないと言うのだ。


周りを見ると多少少ないのか顔を歪めながらも少なくない量の金額を貰っているのが分かる。


どうしてなのかと詰め寄ろうとした所で周りを武装した兵士で囲まれているのが分かった。



そして詰め寄ろうとした兵士から出てきて言葉は身に覚えがない罪状の数々。


そうか、俺を殺すつもりなのか。


アルクは今、武器を持っていない。愛用していた長剣や防具に仕込んでいるナイフや炸裂弾などの装備は一切付けていない。


しかし、アルクの顔は歪んだ、戦場で見せる狂気の笑みを。




アルクは命からがら逃げ伸びた。兵士を素手で相手をするのはわけないが途中から機動兵器まで持ち出されては逃げるしかなかった。



荒れ果てた戦場後の廃屋の中で流れる血を止血した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ