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長すぎるプロローグ

どうも××です。この小説は息抜きに書いた駄文なので続くかは決まっておりません。それを理解したうえでお読みいただければ幸いです。

なお一次製作は初めて書いたので、手探りで書いております。ぶっちゃけ面白いか自分で判断できん


もし面白いと感じて続きが読みたいとお思いになった方は言っていただければ幸いです。ではおたのしみください



「ニート王に、俺は、なる!!!」


 なんて高らかに宣言しても既にニートなわけだが


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 人の“死”には意味がある。



 僕はこの言葉はあまり好きじゃない。というかハッキリ言えば嫌いである。


 例えば虐げられ自殺した少年の遺族に得意満面な顔で『お子さんの死によりイジメの取り締まりが厳しくなり、イジメ被害者の自殺が少なくなりました。貴方のお子さんの死には意味があった』などと言われた日にはその学校に行って火を点けるのは遺族として正しい心がけであろう。

だからと言ってこの行動を奨めているわけではないので悪しからず。



 とにもかくにも“死”に意味などはない。

死とは究極的に言って終焉であり、端的に言って終わりである。生きている限り無慈悲に無意味に無関係に無機質に無意識に無邪気に無条件に無作為に無頓着に無分別に無造作に無責任に・・・・・・そして何より無差別に誰よりも何よりも平等に訪れる。

それが“死”だ。




 隣のおばちゃんから家族、親類、友人、嫌いな相手まで全てにおいて平等に訪れる。


 だからこそ“死”に意味などない。

終わりとはそのままの意味で終わりなのである。

『死人に口無し』

 この言葉が言うように死んだ人に出来ることなどないのだ。



 しかしそれは死者を蔑ろにしていいという意味ではない。

 むしろ平等に訪れるからこそ、“死”は何よりも尊い。この世界に“死”より平等なものはないのだから

 故に死人を悼み、その“死”を悲しむのである。



 “死”は貧富の差や才能の優劣などに関わらず、一瞬で全てを根こそぎ奪い去る。

 それこそが“死”だ。






 だから人は一瞬の刹那の中で幸せを見つけて生きていくべきなのだ!!



 で僕が何を言いたいかと言うと簡単な話・・・・・・家出をするしかないわけだ。



 んっ?話しが繋がらないぞと思ったそこの君!

よく考えてみてくれ、いずれ人には必ず死が訪れると言うならばいつまでも自らが不幸な目にあう場所にいようと思う人間がいるだろうか?少し性癖の素敵な被虐主義者、簡単に言えばドMさんならその素敵な空間にいようと思えるだろうが残念なことに僕は微Sである。

 ドSとまでは行かないものの加虐主義者なので自分が痛みを負うことは大嫌いだ、まぁヘタレなので喧嘩とかも嫌いだが・・・・・・とにかくそんな素敵空間で過ごすわけにはいかないので、家出をするしかないわけだ。言うなれば若気の至りIN17歳の夏、多感なこの時期こそ青春を目指さなければならないのだ。




 前々から家出しよう、家出しようとは思っていたので口煩いというかウザったいお隣りさんという名前の邪魔者(7歳・小学生女子:僕をパシリか何かと勘違いしている。よくカツアゲされます)がいない今がチャンスであろう。




 では何故僕が家出をしたいかというと話は10年前に遡る。 当時7歳だった僕は茹だるような暑い夏を乗り切るために当時友達であった大竹くんと一緒にコンビニでアイスを買いあさり、アイスキャンディーを箱買いしていた。

 遊○王カードを買うために今まで貯めていたお金を全てアイスに注ぎ込んでしまう程、その年の夏の暑さは異常だったのである。



 計36本のアイスを食べ尽くした僕と大竹くんは案の定腹を下してコンビニに駆け込んだが、当然コンビニにトイレは一つしかなく同時に二人で走りだし競争とあいなった。


 そして走っている最中にたまたま、たまたま、たまたま(大事なことなので何回も言う、偶然って怖いよね)転びそうになって大竹くんの背中に蹴りをいれようとした瞬間、大竹くんはニヤリと口を歪めてまるで僕の行動を読んでいたかの如く笑いながら僕の腹部に軽快な蹴りを食らわせて、ダメージによりコンニチハしかけている“アレ”を封印するために肛門活躍筋に力を入れている僕を蹴落として高笑いしながら自分だけコンビニのトイレへと駆け込んだのである。



 大竹くんの人間性の低さというか器の小ささに絶望した僕は脳内に繰り返し流れる大竹くんの高笑いを思い出しながら大竹くんの自転車を近くのドブ川に捨てた後、遂に限界が来たので考えていた嫌がらせを実行に移すのをやめ自分の自転車に乗り込み急いで自宅へと向かった。



 自転車に乗っている間、発生する揺れに耐えながらもようやくついた安住の我が家に駆け込み、戦闘体勢をとるために玄関に入ると同時に家の一番奥にあるトイレへと向かいながら煩わしいと言わんばかりに衣服を脱ぎ捨て始める。




 そして戦闘体勢よろしく全裸へとなった僕(裸の方が踏ん張りやすいと感じるのは僕だけだろうか?)はトイレに入り込み、戦闘を開始して無事に間に合い戦いを終えたのである。

 戦いを終え、全力で自転車をこいだせいで出来た額の汗を拭いさりながらも、トイレの外にある水道で手を洗おうと思いトイレから出るためにノブに手をかけて扉を開けると・・・・・・




「・・・はっ?」




 扉の先には広大な草原が広がっていた。

どうやら疲れたせいで目が腐ったらしい。

 思わず声が出てしまったがとりあえず一度扉を閉めて、自分前に広がった光景と自分の脳みそを否定しながら便座の上へと再び着席した。




「そうか高密度の重力により発生した重力レンズつまりは-光が曲がることは一般相対性理論から導かれる現象で、一般相対性理論の正当性を証明した現象のひとつである。光は重力にひきつけられて曲がるわけではなく、重い物体によってゆがめられた時空を進むために曲がる。対象物と観測者の間に大きい重力源があると、この現象により光が曲がり、観測者に複数の経路を通った光が到達することがある。これにより、同一の対象物が複数の像となって見える。光が曲がる状態が光学レンズによる光の屈折と似ているため重力レンズと言われる-これが次元に干渉し、本来あるべき光景を歪めたのか、11次元干渉───」



 当時夢のない少年だった僕は受け入れ難い現実を拒否しつつ無理矢理SF(少し不思議)のせいにしながらも便座から立ち上がり、混乱する意識を落ち着かせ深呼吸しながら再び扉を開くと




「「えっ?」」




 何故か驚きの声が重なった。

扉の先にあったのは石畳のあるゲームによくある神殿のような場所で、目の前には鮮やかな長い銀髪の髪を持った紅い目をした少女が祈るように手を組みながら前屈みになって正座しており、その少女がふと顔をあげて・・・・・・



「いっ・・・・・・」



顔をあげた前屈みで正座している少女の顔の高さとマイリトルサンシャインの高さはイコールなわけで・・・・・・




「イヤァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「ニギッ!?」


 まだこの時には可愛らしかった僕の相棒は女性の放ったどうしようもなく綺麗で重い正拳突きにより潰され、有り得ない痛みが股間を駆け巡る。



 女性には分からない痛みで悶え狂いながらもトイレまで吹き飛ばされ、痛みに耐え切れずトイレの中で気絶してしまった。



 しかし吹き飛ばされた際にすれ違い様に全ての恨みを篭めて少女の胸板を人差し指で突き、少女の成長があの状態で止まりエターナルツルペタロリータと呼ばれロリコンからアイドルにされるよう呪った。



 まぁもちろん北斗○拳とか非科学的なことは出来ないので精一杯の抵抗という名前の嫌がらせではあったが・・・・・・





 そして、気絶した僕を起こしたのは僕のオカンだった。トイレにおいて全裸で気絶している僕を発見したオカンは耐えてはいるものの隠し切れぬ笑みを浮かべながら、僕がどのような様で気絶していたのかを明確に伝えてくれ



 少女に吹き飛ばされた際に鼻をぶつけたらしく、発見時には鼻血が噴出していたそうだ。



 母曰く、当時の携帯にカメラ機能がないことが大変悔やまれたとのこと・・・・・・うん、死ねばいいのに。

むしろ僕が死ぬから放っておいてください。



 言い訳しようにもトイレが変なところに繋がって、その先にいた少し年上ぐらいの12歳らしき女の子にマイサンを殴られたZE☆などと言っても精々憐れみを篭めた目で見られるか、黄色の救急車を呼ばれて頭の中がお花畑な人がたくさんいる病院に連れていかれるのは目に見えていたので何も言わずにやり過ごすしかなかった。





 しかし、僕の不幸はこれだけで終わるわけもなく、最悪なことにウチの母親は明石家さ○まを越えるおしゃべりだったのだ。


 母親にとって僕のこの事件は格好の話のタネであり、マシンガントークを越えたガトリングトークを操る母親にとって町内など在ってなきにも等しいせまい空間だった・・・簡単に言えば町内全域に僕の醜態が伝わっていたのである。


 事態に気づいた僕はすぐさま自殺を敢行しようとしたが、お隣りの、娘であるクソガキの育て方を間違えたクソガキの母親であるオバサンに阻まれロープでグルグル巻きにされ我が家の玄関に吊された。


 無論さらに醜態を増やした僕はついに悪い風邪にかかったかのごとく性格をこじらせ、人間不信となりましたとさ・・・・・・おしまい




 まぁ冗談は一度おいておいて話を続けるが・・・僕の醜態はこの程度で終わりなどではない。

 この後母親によりバイオハザードのごとく町内に伝わった噂は隣町にまで伝わり、手始めと言わんばかり嫌がらせを受けはじめ小学校でのあだ名はトイレマン。


 小学校を卒業後、中学で心機一転やり直そうと隣町の学校に通えば、母親のせいで噂は既に伝わっており中学でのあだ名は便所カイザー・・・・・・簡単に死を覚悟出来るあだ名だった。



 こうしてすぐに僕は自分の殻へと閉じこもる内向的な性格の青年へとスライドレボリューションしたのである。





 で今現在、地元の中学から私立の高校へと行きなんら楽しみのない平凡な生活を送っている。まぁ便所カイザーなどと呼ばれないだけ幾分かはマシだが、内向的な性格をすぐに戻すことなど出来るはずもなく、友達は指で数えられる程度しかいない現代社会が生み出した哀れな青年Aへと成り果てたわけですよ。






 Hahaha~



 虚ろな目で軽く笑いながらも用意してあった鞄を取り、自室を出て玄関へと向かう。


 すぐに出るか迷ったがとりあえず嫌がらせに冷蔵庫の中身を喰い漁ることにしたので冷蔵庫の中を漁っていると・・・・・・




ピンポーン



 インターホンが来客を告げてきた。いつもは自宅警備員の役を果たす気もなく、来訪者は全て無視していたのだが家出前で少し上機嫌になっていた僕は躊躇わずに玄関へと行き、扉を開けた。



ガチャ



そこには・・・・・・




「やっこんにちわ」



バタン



カチャ



カチャ



「ふぅ」



 世界で一番関わりたくない奴がお洒落な格好をしてにこやかに立っていた。

 嫌悪のあまり瞬時に鍵とチェーンロックまでかけた僕は間違いなんかじゃない。



 自分自身にそう言い聞かせながらも先程からロッキーのテーマソングみたいに鳴っている(インターホンの連打で再現されている・・・・・・器用なことを)インターホンを無視する。



 待て落ち着くんだ僕!ただ単に僕が奴を毛嫌いしているだけで奴と僕に直接的な関わりはなかったはずだ!つまり奴が訪ねてくるなんてことはなく先ほどの奴は幻覚であり、10年前と同じようなSF(少し不思議)体験をしているだけだ。だから落ち着くんだ僕!下駄箱から靴を取り出して窓から出ようとするなんて行儀の悪いことをしちゃ駄目だ!



 受け入れがたい幻覚のせいで多少混乱してしまったせいか、体が勝手に動き玄関とは反対に設置された窓へと向かう。カーテンを開き曇りガラスの窓の鍵を外し窓を開くと・・・



「こんにちわ」


パァン


カチャ



 何故か窓の前に奴が立っていた。何だろうこのお約束のような嫌がらせは・・・やはり重力レンズか・・・少しだけ現実逃避しつつも受け入れるために目頭を揉み思考を整理しながらしょうがなく玄関へと戻り、死んだ魚のような目をして嫌々ながらも玄関の鍵を外し扉を開く




「ヤァコンニチハイイ天気デスネ」



「曇天がいい天気だなんて君は随分変わっているね」




 やはりいたので棒読みで挨拶をしたのだが、返ってきたのが嫌味だったので躊躇わずに扉をしようとしたらどこぞのセールスマンよろしく扉が閉まらないよう足を入れてきた。まるでGさんのようなしぶとさである。




「さぁて何故私が来たか分かる?」




 ニコニコと楽しそうに質問投げかけてきたので心底嫌そうな顔をしながら




「知るかクソッタレ(いや分からないな)」



「あぁうん間違いなく本音と建前が逆になってるよ?」



「すまんあまりの嫌悪感で口が滑った」



「そうなの?私は君のことを愛しているのにつれないね」



「はっ冗談言う前というか僕の目の前に現れる前にドブ川で大竹くんの自転車でも探してこい。まだ見つかってないらしいからな」


 探したまま一生帰ってくるな!



 初対面にも関わらず嫌悪感を剥き出しのまま眉をしかめぞんざいな口調で奴と接する。しかし奴は気にもとめずに会話の最中に身体をねじ込み玄関へと侵入してきた。



「むぅ、綺麗で可愛い女の子が目の前にいるのに口説こうとせずぞんざいに扱うなんて君はゲイなの?」



「悪いな異性以前に貴様は僕のストライクゾーンじゃない。14歳以上の年増に興味はないんだ」



「今全世界の女性の8割を敵に回したね。というか君はロリコンだったのね」




「何を言うロリータなんて失礼なことを言うな!!彼女たちは一人前のレディーだぞ!!それを女性として扱って何が悪いんだっ!!」


 女の子が好きで何がいけないというのだ!!僕のこのほとばしるパッションを受け止めてみるがいい!!



「訂正しよう君は真性のぺド野郎ね、ウチの妹に近づかないで欲しいよ」



「あぁ妹?貴様の妹など知らんし会ったこともないぞ?」



「ん?いつも遊んでもらっていると言っていたんだけど・・・」



あん?年下のガキとなんか遊んだ記憶は・・・あるな・・・あぁ・・・いやまさか・・・なぁ、それはさすがに・・・・・・



 微妙な心当たりが出てきたので複雑そうに顔を歪めていると何を勘違いしたのか



「ちなみに妹の名前は美夜だよ」



 名前を伝えてきたのだが・・・・・・




 ハイ、ビンゴ!!隣のクソガキでした!!というか遊んでるじゃなくて遊ばれてんだよ!!だいたいあんな外道とイチャイチャしたいなどとは微塵も思わん!!確かに見た目は可愛らしいが中身はそこら辺のチンピラと大差ないぞ?



 僕は同世代のガキと喧嘩する際に足を踏み付けて逃げられないようにしてからフルボッコにする陰険な少女を貴様の妹で初めて認識したからな。その上、当たり屋の如くぶつかってきては何かを奢らせようとしてくるし、悪ガキどもを率いては公園をたむろって人々(主に僕)を蹂躙するし、奴を外道と言わずに何と言うのだ




 奴の口から告げられた妹の名前が見事に大当りだったので、思わず今までされてきたことを思い出し沈み込む


あぁ死にたい




・・・・・・アレ?待てよ、コイツがクソガキの姉なら・・・・・・もしかしてコイツ今まで隣に住んでた?




「隣同士なのに初めて君の家に来たけどわりと綺麗ね。幼馴染みとしては誇らしいかな」


 奴が玄関から首を伸ばして中を眺めてくる。これ以上我が家を侵食されてなるものか!!そう思い家に上げないよう身体でブロックし続け、玄関に留まらせる。だいたい掃除してるのオカンだし、貴様が誇らしい意味が分からない。


それにしても・・・・・・じーざす。なんてことをしてくれたんだ神様(クソッタレ)

死にたくなる



 こんな奴が幼馴染みだとでも言うのか!?

クソッ!17年間気づかない僕も僕だが、全く遭遇しなかったって言うのが有り得ないだろ!?笑えるぜ、ギャルゲーのつもりか?いいかどこぞの神様も言っていたが・・・幼馴染みの条件とはTOYOTAなんだよ!!



TOYOTAが作る信頼の幼なじみ!!



「まずT!!」


「隣に住んでいるのは大前提!!基本中の基本!!」



「O!!」


「お兄ちゃん(弟)以上恋人未満での長期関係!!」


「Y!!」


「「約束」はエンディングへの隠し味!!」


「よく聞け!ここから大事なんだ!!」


「O!!」


「思い出の中ですべてを忘れたことに・・・」



「TA!!」


「立場が全然変わって再会!!」




「これが幼なじみだ!!貴様のような沸いて出たような今まで存在すら知らなかったサブキャラ以下の奴を幼馴染みとは言わんのだ!!理解したらさっさと去るがいい!!」


「・・・・・・頭の中で言ったつもりかもしれないけど途中から全部口に出てたよ?」




しまった!!つい熱くなって・・・・・・痛タタタタタッ!?



「そうか私は幼馴染みじゃなかったのか・・・・・・というか私が隣に住んでたの知らなかったんだね」



「鈴木さん!?指が食い込んでますよ!?指が僕のブレインを絞めつけてますよ!?」



 ギリギリと音を立てながら圧死させんばかりに力が篭められていく奴の右手(アイアンクロー)。必死にタップしたが無視されて10㎝も身長差があるにもかかわらず吊るされることテンミニッツ。凹んだじゃないかと思うほど痛みの走る頭を擦りながら奴へと向き直り何をしにきたのかを尋ねる。


「で、結局貴様は何をしにきたんだ?」


 そんな僕の問いかけに対して、奴はニコニコしながら


「デートにいかない?」


「はっ断r・・・痛ったたたたたたたたた。冗談ッすよ!!逝きます!逝く逝く!!超楽しみ!」


「なんだそんなに私とデートが出来て嬉しいんだ」


 あまりにもアホな意見を内心鼻で笑いつつ頭が沸いたんじゃないかと馬鹿にしながら即答しようとしたのだが、ボディーランゲージにより主張を歪曲させられ、地獄への旅路を強制させられた。溢れんばかりの不満を心内に抱えながらも笑顔を浮かべておく。今は奴の機嫌を取っておいて油断した隙に逃げるしかないな。100通りもの逃げ方を考えるもその中に立ち向かうという選択肢のないヘタレな僕。


「じゃあ行こうか」


 奴は僕が逃げることを予想しているのか分からないが何故か僕にチキンウィングアームロックをかけて、そのまま外へと連れ出そうとする。僕の必死の抵抗もなんら気にせずに奴が玄関の扉を開けて僕の腕を固めたまま引っ張るように外へと出た瞬間、僕は懐かしい浮上感に見舞われて・・・










「ようこそ、いらっしゃいませ。12番目の・・・あら?二人?これもアンペラトリス様のお導きでしょう。ようこそテミス王国へ。12番目と13番目の二人の勇者様」








 見覚えのある目の前には鮮やかな長い銀髪の髪を持った紅い目をした巫女らしき女の子が目の前に現れて、見覚えのあるトラウマ満載なゲームに出てきそうな神殿らしき場所へと飛ばされた。

女の子の周りにいるのは明らかに銃刀法違反な剣を携え、暑苦しい鎧をきたオッサンたちで・・・どこかのSSで読んだような異世界感が漂っていた。幻覚を抹殺するために急いで扉を探したが既に扉はなく・・・やってきました、異世界冒険譚・・・というか今回僕は巻き込まれただけのような気がするんだが?しかもこんな不思議体験なんて絶対に・・・


「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!もしかして異世界か!?異世界なのか!?本当に異世界は存在したんだ!」



 案の定隣の馬鹿が興奮してました。鈴木陽子、我が学園が誇る才女。才色兼備、才学非凡、眉目秀麗、頭脳明晰、優美高妙と褒めだしたらキリがない完璧超人。しかし・・・こいつは異世界を夢見る変態女なのである。本人は隠しているつもりかもしれないが学校内での公然の秘密となっている。

というのも朝礼のたびに異世界について熱く語っていれば誰でも気づくというものだ。


 別に異世界が好きだからこいつを嫌っているわけではないことを一応先に伝えておこう。こいつを嫌いな理由については後々教えていくつもりだ。蛇足ではあるが巫女さんはああ見えても(素敵ロリータボディー)1200歳以上の不老体質らしく(原因は教えてはくれなかった)正気の戻った際に合法ロリータ(あまりこの言い方は好きじゃない)である巫女さんにプロポーズしてしまったのは言うまでもないことであろう。10年前会ったのも彼女ではあると思うが、余計なことを聞いたら更に面倒なことになりそうな上に、若干トラウマが出ていたのでそれを伝える気にはならなかった。


 でぶつぶつと現実逃避している間に何だかわからないうちにあれよあれよとあっという間に王様の前まで連れていかれて、知らない間にテンプレの如く魔王退治を頼まれ、馬鹿が勝手に承諾しました。後で聞いた話では100年に一度現れる魔王を異世界の勇者を召喚することによって退治しているらしい。どちらかと言えば形骸化した儀式のようなものらしいのだが、魔王が現れるということは魔族の動きも活発になるので実際には笑えないらしいが・・・・・・


 他者の都合で呼び出され使役することに苛立ちを感じえないが、魔王倒さないことにはこの国及び周辺の人々は滅びてしまうし、何より僕たちが帰るには魔王を倒さないといけないとのこと・・・そんな話を聞いて正義感に満ち溢れた馬鹿が断るわけもなく・・・やるしかないようだ。ハッキリ言って胡散臭かったが、現実逃避していたのでその場で突っ込めなかったことが今になって悔やまれる。


 その後、連れて行かれた謎の部屋にて勇者として備わった力を確認する作業を行い(何をしていたのかはさっぱり分からなかった)、エンドレスで興奮している変態には『竜魂装填(ドラゴニックリローダー)』というなんとも14歳病ちっくな名前を持つ能力を所持していることが確認された。どんな力かと言われれば1匹で国を滅ぼすことの出来る力を持ったドラゴンの力をその身に宿すことができるとのこと・・・なんとまぁ反則くさい能力だなと呆れつつも自分の能力に期待していると・・・・何も宿っていなかったらしい。あまりの虚しさに打ちひしがれながらも隣で易々と剣をへし折っている変態を睨みつける。これで確信した、僕は勇者として呼び出されてはいない!!変態の異世界移動に巻き込まれただけだということに





 こうして僕、岡本忠勝の異世界冒険が始まってしまったのである・・・・・そして、始まりもあれば終わりもあるわけで・・・



 ハッキリ言おう。



 僕たちは嵌められていたのだ。



 勇者を呼び出す儀式とは100年経ち肉体の朽ち始めた魂だけの存在である魔王に新たなる強靭な勇者の肉体を与えるための儀式。

要は王と魔王はグルであった。



 魔王を倒したところで帰れるわけもない、魔王の力は自分を殺した人物を乗っ取りその力ごと奪うという最低最悪の力なのだから・・・・・・帰れるわけなどないのだ。つまりは種を撒き、水を与え成長したところを刈り取るといったところであろう。




 僕たちを呼び出した巫女さんらしき女の子は魔王と王がグルなのはおろか、帰れないという事実すら知らなかったようだが。どうやらその世代ごとの王が念入りに情報を隠蔽していたそうだ。



 王が魔王に勇者の肉体を捧げることにより国の安定を、魔王は王に新たな肉体をもらうことにより永遠の命を・・・・・・そんな契約が結ばれていたのだ。



 別に為政者としては何ら間違えてはいない、何かを犠牲にして国を守るのは王として当たり前のことなのだから僕に王を責める気はない。

しかし・・・・・・僕は奴らを赦すわけにはいかなかった。



 異世界に来て2年、僕は大っ嫌いだった女に恋をして、大好きな女をこの手で(あや)めることになって、愛した女に呪われたのだから・・・・・・



 嫌いだったんじゃないのかって?しょうがないだろ、惚れちまったんだから、愛とか友情とかは大して好きじゃないけど恋とかそういうのってそういうもんだろ?愛憎なんて言うぐらいなんだから愛と嫌悪は簡単にひっくり返っちまうんだ。ホントどうして好きになったんでしょうかね?僕のストライクゾーンとはかけ離れた存在なのに、横に寝ているときに何度年齢退行薬を飲ませようと思ったか・・・数えきれないぜ(キリッ)。冗談はともかく彼女を愛していた。



 だから赦せなかった。



 彼女の艶やかな黒髪が忘れられなかった・・・あの綺麗な髪を撫でるのが好きだった。

 彼女の鈴を転がしたような声が忘れられなかった・・・名前を呼ばれる度に抱きしめたくなった。

 彼女の肩まで伸ばした髪が忘れられなかった・・・彼女が動く度に揺れるのが愛らしかった。

 彼女の吸い込まれるような黒い瞳が忘れられなかった・・・あの強い意志を宿した瞳が誇らしかった。

 彼女の吊り目がちな眼差しが忘れられなかった・・・褒められると気にしている姿が堪らなかった。

 彼女のあでやかなま真っ白い肌が忘れられなかった・・・身体を合わせた時のあの温もりが愛しかった。

 彼女の全てが忘れられなかった・・・ちょっとした仕草や好きなものや嫌いなもの、よくやってしまう癖や大事にしていたもの。

 忘れられるわけがなかった。



 何より彼女をこの手で殺し尽くしたあの感覚を忘れることは出来ない・・・忘れる気など最初からないけれど


 故に殺す。殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺しつくす。


 彼女が死んだ、いや彼女を殺したその日、僕はテミス王を殺した。人殺しが嫌いだったはずの僕がなんの躊躇いもなしに。僕に殺される前に王は無様に命乞いすらすることなく、自ら僕に命を差し出しこう言った。


「余は王である」と・・・故に殺した。自らの怒り、自分勝手な理由によって。いつかこうなると分かっていたであろう、国を守る王のために


 けれど指を引きちぎり、四肢を砕き、腹を貫き、頭蓋を砕いて尚我が怒りは消えることはない。


 怒りにまかせて国を滅ぼそうとした。あるはずのなかったようやく目覚めた能力の全てを使って・・・しかし、出来るはずがなかった。彼女が好きだと言ったこの国を壊すことは出来なかった。彼女はこの風景が好きだと言っていたのだから、彼女の好きだという場所を侵すことなど出来る訳もなく

 これ以上壊すことなど出来る訳もなかった。




 王を殺害し、賞金首となりテミス王国を追われた僕は逃げつづけた。クソッタレな能力のせいで軽く人間を辞めてしまっているので、幸い迫りくる追っ手やら賞金狙いの傭兵にに恐怖することなどなく・・・・・・隠居しました。


 いやだって逃げるのにも飽きたし、どうせ死なないし一つの拠点にどっしり構えつつも隠れているのが僕らしいと思ったんだけど、間違ってないよな?



 でそんな僕を置いておいて、混乱したのはテミス王国の重鎮たち。彼らは国王と魔王の契約を知っていたせいか、魔王が殺され国王までも殺されたせいか大慌て何せ魔王がいなくなってしまったせいで契約もうやむやになり、国を守る力を失ったわけだからな。



 重鎮たちはその事態を収拾するためにすぐさま子供を王様に仕立てあげ、王様を騙して国を守る力を呼び出すことにした・・・・・・最も簡単に手に入ってとてつもなく反則じみた力を



 早い話が勇者召喚の儀式で、あの儀式で異世界から呼び出せるものは一つしかなく、重鎮たちは頭を使い昔勇者から聞いた話を思い出し、あるものをまるごと呼び出そうと画策した。

・・・・・・重鎮たちが勇者から聞いた話とは『若者を集め勉学を教える建物がある』ということ。そう結果として学校一つをまるごと異世界に呼び出したのである。



 確かに一つは一つ、儀式のルールには反していない。内包されているものはカウントされないのだから。そして、最悪なことに呼び出された日はあちらの世界において平日の昼間。つまり生徒、教師、全てを含め全651名が異世界へと召喚されたのである。─全員が能力を伴って



 勇者に伴う能力について説明すると、まず初めにあちらからこちらの世界に来たものは必ず能力を所持している。

 何故かと言うとこちらの世界はあちらの世界に比べて一次元上の世界にあり、低次元世界のものが高次元世界のものに接触することが出来ないという根本的なルールがある限り、我々がこちらの世界のものに触れることは出来ないのだ。


 しかし、儀式によって世界を渡らされた瞬間にこちらの世界に存在するために本来あるはずのない一次元が加えられるのである。それが勇者に与えられた《能力》の正体なのである。能力があるそのかわりにあちらの世界になくて、こちらの世界にあるのが《魔法》という次元なので残念なことに我々は《魔法》を使えることが出来ないのだ。




 まぁ何人かは《能力》という形で《魔法》を得ていたが・・・


 で呼び出されたのは穂村高校という共学の学校の人達、高校生という多感な時期に過度の力を得た彼らは簡単に暴走。 同じように異世界に来た先生を虐殺、女の子を強姦、気に入らない奴を殺害、国民を奴隷にしたりとやりたい放題の悪行三昧。



 重鎮たちの予想を遥かに裏切り、国に宿る最低最悪の膿となる。もちろん能力を得ても真面目な青年たちやら何やらは居たので、結果として悪行を奮っていた生徒たちと対立。テミス王国に内乱が発生してしまうのである。




 この時僕は魔王が治めていた魔族のいる国のとある山にて隠居中で何故か魔族たちから山神様と敬われ、働かないで生きていけるという素晴らしいニートライフ(余生)をエンジョイしていたのだが、ある日唐突に・・・・・・邪魔が入ってきた。



「どうか魔王としてこの国を御治めくださいませ」



 魔王が治めていた国の宰相であった魔族の一人であるグロリア・ゲイルハーツである。最初は呪いのせいで退行化したショタボディーのせいでナメられているのかと思っていたが、真面目に彼の話を聞いている内に違うと分かりとりあえずさらに耳を傾けてみる。



 彼は魔王の側近であったにも関わらず、人間を憎みもせずにただ実直に国へと仕えた忠臣であり、有能な魔族であった。



 そんな彼が魔王を倒した責任と称して、僕に魔王を務めろと言ってきたのである。正直な話、僕は魔族とか人間とか区別する気もなくかなりどちらが滅んでもどうでもよかったのだが、人間に虐げられ泣き叫ぶ、人と全く変わらない魔族の姿を見させられイラつきしょうがなく魔王となった。


 実際のところグロリア・ゲイルハーツの僕ですら利用して己の大切なものを護ろうという強欲さが気に入ったというのもあるが・・・・・・



 でそんなこんなでせっかく新しい魔王となったので今までの既存の制度を全て廃して、新しい法律を設けて、僕が王であることが気に入らないものは国から追い出し、新たな国を立ち上げたのだ。




 それがアンリ王国。 人間であろうと魔族であろうと種族の関係なしに受け入れる国を作った。

 もちろん受け入れられないという人達には好きにしてもらった。まぁ大半の魔族が人間との戦いに疲れ、これ以上を争うことを嫌い、下についてくれたのだが反対する人はいるもので・・・追い出された重鎮たちと共に新しい国を建国、マルス王国の建国と相成り、マルス王国は基本的に魔族至上主義者たちの集まりで人間に対しての扱いが酷く、種族の差別が激しかったせいか国民が嫌悪し集まった数は少なかったものの魔族の中でも力を持った魔人たちの大半が集まったので、戦力としてはかなり強大で、周辺の国を力で征服し自らの領土と支配し好き勝手に搾取を続けている。



 新しく魔王となり賞金首の名前で王になるのは拙いので名前を捨て(まだ技術が発達していないので僕の顔写真などはないので)、新しい名前となった僕の一番最初の命令はマルス王国との戦争だった。すぐさま国中から戦いたいと希望した兵士が集められ、戦支度も整い。こうして僕自身も前線へと向かうほど激しい戦いとなった大分裂戦争と言われる大陸中を巻き込んだ戦いが始まったのである・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・が既に1200年程経っているのでそんなもの遠い昔のお話なのである。このお話のメインは言うなれば僕が築くであろう素敵ハーレムが成り立つまでをほのぼのと書いていくお話にならなければいけないのだ!!故に血生臭い勇者とか魔王とか戦争とかの話はカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカット!!魔王を辞めた僕には戦争など全く関係ない話なのだ!!




 まぁ一応気にはなっていると思うので戦争の結果だけ言えば、テミス王国にいたアホ勇者たちは大半が戦死、それによって勢いを失ったテミス王国は呆気なく撤退、アンリ王国との停戦協定を表明する。一方良心ある勇者たちは、戦争中にテミス王国のやり方にはついていけないと国外逃走、アンリ王国へと亡命後不可侵条約を結びとある村にてひっそりと生活中。マルス王国は戦争をけしかけてきた魔族の死亡によりこれまた呆気なく撤退、テミス王国と同じように停戦協定を表明し、これにより大分裂戦争は終わりを告げ、このオーデ大陸に平和が訪れたのである。


 戦争も終わり、クソッタレな能力により不老不死になってしまった僕が今現在何をしているかというと


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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・釣れねぇ」


「まだ5分も経ってませんよ?イライラするの早すぎですよ」


「僕が欲しい時に来なければ無価値も同然・・・明日埋め立てよう!!」


「・・・・勘弁してください」



 白髪の爺さんと呑気に釣りなんかしちゃってます。ちなみにこの1200年で磨耗して性格が変わったようです、自分の性格を覚えてないんではっきりしたことはいえないけど、優しさ?ナニソレ?おいしいの?ってぐらいには変わったはず。当たり前でしょ。いつまでもヘタレのままじゃ王様なんか務まらねぇもん・・・いろいろあったからなぁ~(遠い目)。



 あの時は王でいなければならなかった。心を殺し10人を殺し100人を殺し1000人を殺し、自分を殺し10000人を助け100000人を助け1000000人を助け、殺した人数の何倍も助けて、進むためには犠牲を厭わず、栄えるためのは犠牲を厭わず、守るためには犠牲を厭わず。狂ったように殺し続けて、その屍の上に君臨した。それで守れるものがあると信じて・・・・まぁそんなこんなで戦争も終わったので舞おうを辞めて、以前と同じように神様扱いの隠居生活(ニートライフ)を楽しんでるわけですよ。まぁ以前とは一つ変わったことがあると言えばあるけどな。


「で国にお戻りになっていただけませんか?」


 そうアンリ王国から国に戻るよう要請され続けているのだ。わざわざ勧誘専用の職まで作って・・・いやはや難儀なものである。


「い・や・だ!」



 当然のごとく面倒なので拒否してはいるが、向こうも分かった上でお役目上仕方なく聞いているので適当に聞き流したはいるが多少うざったいのは変わりない。正直半ば形骸的な役職とかしているので基本的には本気で勧誘したりはせず爺さんも僕と同じようにスローライフを楽しんでいる。もうこれ以上汚らしい爺さんと腹の探り合いなんかしたくないらしい。その件については果てしなく同意せざるを得ないが・・・・


「さぁて、なんも釣れねぇから帰ろうぜ」


「そうですな」


 グダグダしている間に一時間程経ったのだが、一向に釣果がないので完全に心が萎えたので帰ることにした。僕の性格からして一時間もまてたのはある意味奇跡と言えよう、そんなことを考えて自分の短気な性格を嘲笑いながら川岸に沿って移動する。


「あっ」


 くだらないことを考えていたせいか、移動している最中に足の下にあった石がズレてしまいバランスを崩しこけた。視点が横になる中、目を閉じて能力で石を粉砕するか迷ったが面倒なのでこけた時にくる衝撃だけ殺すことにした、しかしいっこうに来るはずのダメージがやってこない。不審に思いながらも走馬灯かなどと軽口を叩きながら下にあるはずの地面に触ろうと手を伸ばした瞬間










「ようこそ、いらっしゃいませ。665番目の・・・あら?三人ですか?おかしいですね?まぁこれもアンペラトリス様のお導きなのでしょうか。ようこそテミス王国へ。665番目と666番目と667番目の三人の勇者様」




 再び地獄(見覚えのあるトラウマ満載なゲームに出てきそうな神殿らしき場所に来ていた)始まった。僕のニートライフが終わりを告げた。



「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!死ぬぞコノヤロぉぉォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


 思わず叫んでしまったのは間違いなんかじゃない。



《to be continue》



お楽しみいただけたでしょうか?まだ能力すらでていませんがお楽しみいただけたら幸いです。


では会えたらまた



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