表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/41

第37章 — サイクロンの目


天からの轟音




嵐が叫んでいた。




砂が巨大な柱となって空を切り裂き、目に見えない刃のように吹きつけた。


ラクダは足を踏ん張るのもやっとで、一本一本の歩みが風との戦いだった。




アラタは目を細めた。




— …言っておくが、ここで夢を見ているわけじゃないよな。


この砂漠、明らかに俺たちを殺す気だ。




リィンは前方でしっかりと掴まりながら、渦巻く竜巻を見つめた。




— 分析中…


音源は異常なほど強力です。


通常の武器でも気象現象でもありません。




鋭い音が空を裂いた。




バンッ。




衝撃音は砲撃のように空気を震わせた。


ラクダは激しく蹴り上がる。




— な、何だあれ!?


とアラタが叫ぶ。




— 音源確認済みです。


生物由来の骨格音です。




— …はあ?




竜巻が突然裂けた。




中心に巨大な影が現れる。


巨大な鳥が静かにこちらを見下ろしていた。


その巨大な嘴がゆっくりと開く。




バンッ。




音は空気そのものを震わせた。




アラタは胃がキュッと締まるのを感じた。




— 夢だと言ってくれ。




— 否。


完全に目覚めています。




— サイアクだ。




その生き物が動く。




翼一振りで空を裂き、恐ろしい速度で襲いかかる。




— リィン!!


緊急回避!!




— 計算完了。


逃走確率:0.3%




— そんなパーセンテージ、嫌だ!!




鳥は大きく嘴を開けた。


無限に広がる暗闇が彼らを包む。




— …食べられるのか、俺たち。




— 確認済みです。




巨大な風が彼らを飲み込む。


ラクダは影の中に消えた。


世界が傾いた。




完全な暗闇。







衝撃。




そして静寂。




アラタはゆっくりと起き上がった。




— …死んだか?




— 生命体情報:安定。


結論:いいえ。




— 残念。




奇妙な光が周囲に脈打つ。


壁は…生きているかのように収縮していた。




— リィン…


ここは、まさか…




— もしあなたが考えていることが正しいなら…


はい、そうです。




— …正直、何の中にいるって言ってるんだ?




応える前に、声が響いた。




— えっと。




アラタは固まった。




— 新入りか?




振り向くと、壁際に男が座っていた。


あごひげをたくわえ、ゆったりと腰かけ、何かをかじっている。


全く動じない。




— なんだって…


また漂流者か。




男はため息をつきながら立ち上がった。




— まあいい。


ここまで生き残ったのは上出来だ。




— …え、何を?




答える前に、別の影が彼の後ろで動いた。




座っている若者が、ぼんやりと頭を上げる。


その目がアラタと合った。




沈黙。




そして突然—




— 青き船長!!




跳び上がり、姿勢を正すハスタル。




— 直ちに報告を!


制御不能の漂流!


状況は危険だが、管理下にあります!




アラタの心臓が止まる。




— …ハスタル。




リィンがすぐに分析した。




— 身元確認完了。


しかし…


認知機能に異常あり。




— 船長!


熱心に続けるハスタル。


僕たちは今どこにいるのですか?




あごひげの男は笑った。




— いやー、面白いな!


名前は忘れたが、演劇センスは残ってる!




— な、何!?


アラタが叫ぶ。


ここ、一体どこだ!?




男は肩をすくめる。




— 内側だ。




— …またか。




— ええ。


しばらくここでの生活を楽しめ。




低いうなり声が響いた。


壁が振動する。




— おや、彼女は眠るか。




— 彼女!?


アラタとリィンが同時に驚く。




ハスタルは真剣な顔でうなずいた。




— 船長。


僕、ここ好きです。




— そりゃそうだろ、とアラタ、絶望的に答える。




あごひげの男は腕を組む。




— しっかりしろ、子供たち。


ここから脱出するのは…


一大冒険になるぞ。




――作者コメント――


ここまで読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけたら、

★やコメントで応援してもらえると励みになります

Netcon 14参加中です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ